『螢・納屋を焼く・その他短編』村上春樹
✨あらすじ✨
秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった…。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。─BOOKデータベースより
✨感想✨
やわらかくて、しなやかで、不思議な世界観。
これが村上春樹か。
一番好きな短編は『螢』。
主人公の「僕」は気づいたら友達とその彼女といつも一緒にいた。
けれど、友達がある日突然自殺してしまう…理由も分からずに。
彼女は僕によりかかって来るのだが…。
私だったら、よりかかれないなぁ…。
よりかかる、って結構大胆な行動だと思う。
でも、恋人が訳も分からずに急に死じゃったら、藁をも掴むのかなぁ…。
ラスト、ふいにもらった螢。
友達の生まれ変わりだったらいいな。
『螢・納屋を焼く・その他短編』村上春樹
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