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こどもや身近な人に伝えたいお金の話 4話 長期投資の威力

文字通り放っておいたら、13年で約3倍になっていた話は1話でしたと思う。

別に珍しいことでも、僕が優秀なわけでもないんだ。
そのからくりを説明するね。

S&P500

世界で一番有名な株価指数に、S&P500というものがある。
米国市場に上場している代表的な500社の株価を、時価総額に基づいて総合的に表したもので、いまをときめくIT企業から、コカコーラ、NIKE、ディズニーなど、米国の主だった企業が全部入っている。

中でも、構成比率の20%以上をGAFAMと呼ばれる巨大IT企業(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が占めていて、その値動きに左右されることからS&P5なんてあだ名もあるくらいだよ。

まずはこのチャートを見て欲しい。
150年間のうち、何度かの暴落を経つつも右肩上がりになっているよね。
※変化率を表すのに適している対数チャートになっています

ダウンロード (1)

https://www.multpl.com/ より引用 

1870年に4.4ptだった指数は、150年で3484ptと791倍に上がっている!
CAGRと呼ばれる年平均成長率にして、4.52%だ。
配当を含めれば9.19%にもなる。※moneychimp.com より

物価も徐々に上がっているから、そのまま価値の上昇と考えることはできないけど、それにしても力強い上昇だよね。

投資の神様と言われるウォーレン・バフェット も、プロでない普通の人や自分の奥さんへ向けて、ただS&P500を買いなさいというアドバイスを送っているんだよ。

前回学んだ72の法則を使えば、平均で8年あれば2倍に、13年あれば3倍になるわけ。
特に難しいことは必要なくて、持ち続けるだけだ。

長期投資の良いところ

・(投資対象を選べば)一時的に下落しても回復する
・保有し続けるだけなので、考えなくてよい
・精神的な安定を得やすい

S&P500の例を上げると、一時的に下落しても長くても5年で回復する。

以下は1965年〜2019年の20%以上下落した局面を集めた表。
Trough To recoveryを見ると、ITバブル崩壊時の1695日(4.6年)が最長で、平均すると654日(1.8年)で回復しているのがわかる。

画像2

WeatherFront より引用

ただし日本株式の例でいうと、30年経ってもバブル絶頂期の日経平均3万8,957円を回復できていないから、お父さんたちが生きてきた時代は失われた30年なんて名前がついているよ。


特に難しいことを考えなくてもいいし保有し続けるだけなので、日頃は見なくてもいい。
専業トレーダーではなくて、他に仕事をもっている人にとても向いているやり方だと思う。


そして何よりのメリットは、精神的な安定だと思う。

きみがある程度の期間(15年以上)投資を続けているとする。
おそらく所有する資産は、2倍以上になっているはずだ。

その資産が、最近コロナウイルスの世界的流行の影響で34%下落したとする。
200% × (100%-34%)= 132%
それでもまだ十分に+圏内で、少し余裕を持って眺めていられるんじゃないかな。

長期投資の悪いところ

・何年かに一度、◯◯ショックと言われるような暴落にさらされる
・急に増やしたりはできない

2000年以降だけでも、ITバブル崩壊(-49%)、リーマンショック(-56%)、コロナショック(-34%)と、3回の20%を超える暴落が起きている。
ニュースや新聞で言われる○十年に一度の経済危機は、実はもっと頻繁に起こっているんだ。

仮に資産を全額投資していたら、その精神的ショックに耐えて保有し続けなければいけない。
50万円が25万円になるのは耐えられても、その100倍、5000万円が2500万円になるのは、きみは一時的にせよ耐えられるだろうか?

少し安心してもらえる話としては、平均して1.8年で元の株価に回復していること。
投資対象を分散して下落幅を抑える方法もある(次回以降で話そうと思う)


相場や値動きに一喜一憂、精神的に苦しい思いを抱えるなら、いっそのこと見ない方が良いとも思う。

最後に 

長期投資​は魔法の杖ではないから、急に増やしたりはできない。
時間の経過と共に、じっくりじわじわと増えていく。

でも僕は、人生全体を考えたらその方がいいんじゃないかと思っているよ。

急に数倍、数十倍のお金を得た人で、生活レベルやお金の感覚が狂ってしまう人はたくさんいる。
この調子でずっと行けると勘違いしてしまうんだ。

人生にとって大事なことは他にもたくさんある。

どんな時も自分のペースを崩さず、変わらぬ日々を過ごす方がよほど豊かだと思うよ。

それじゃ、続きはまた今度。

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