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『僕の名はアラム』 ウィリアム・サローヤン/柴田元幸 訳

《この小説は、舞台や登場人物を共通とした、14の短編から構成されている。僕は少しずつ読み進めながら、断片的に、脈絡を失いつつも、これは書き留めなくちゃとツイッターに感想を書いていった》


■1910年代から20年代ごろのアメリカを舞台にした、アルメニア系移民の家族を描いた小説を読んでいるんだけど、米を炊くときに塩加減がどうのというくだりがあって、へえ、米に塩を入れて炊く文化があるのかあと思った。どういう理由で塩を入れるんだろう。

■おじさんは美しい果樹園を作るぞと言って680エーカーの砂漠を買う。なかなか無茶だ。植えるものはザクロ。本気か。何年かして(いろいろあった)果実は実る。だが売れない。そして──。親戚に一人はいた(かもしれない)こういうおじさんって、何だか好きだったよなあ。そんな愛しさが湧いてくる。

■『僕の名はアラム』(ウィリアム・サローヤン)の「ザクロの木」という一篇。最高に愉快です。

■『僕の名はアラム』を読んでいると、どこかで味わったような感覚がひょこひょこと顔を出す。はて、お前は何者であったかと読み進める。「五十ヤード走」という話を読む。はっとする。わかった! これは「サウスパーク」だ! 世界への視点が、“ある意味で”子どもの純粋さを通しているときの感覚だ!

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