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大河ドラマ「光る君へ」第六話感想・解説

おはようございます、こんにちは、こんばんは。『源氏物語』研究者の卵、Number.Nです。

藤原一族の話

 前回の余波、すなわち、道兼がまひろの母を殺害したことを、道長が知ってしまったことが、冒頭から後を引いています。

 道長の父である兼家が、道兼のことを「一族の泥を被る」役目であると道長に伝えたことには少し驚きました。そして、そのことを道長が道兼に伝えたことも。
 道兼が、一族の影は同じ方向を向いていると、道長に指摘したのは非常に詩的な表現だと感じました。

 道兼がまひろの母を殺害したことや、道兼の発言に戸惑いを覚えた様子の道長ですが、道隆と会ってその戸惑いが募って行くようでした。
 帝の子供が生まれないように、父をはじめとした高位貴族が、安倍晴明に命じたことを道長は知ります。
 そして、自らも藤原の生き方に賛同するかのような発言をしてしまう。道長のまだ若く、自らの意思を貫けない様子が描かれていると感じました。

倫子とまひろの女子会トーク


 源倫子のもとに通うまひろですが、今日の話題は藤原道綱の母の和歌についてでしたね。

嘆きつつ一人寝る夜の明くる間は
いかに久しきものとかは知る

右大将道綱母・『拾遺集』912番歌

 これは『蜻蛉日記』作者である藤原道綱の母の歌です。
 『蜻蛉日記』は夫である兼家が、なかなかの浮気者であり(そもそも道綱の母が側室であることも大きいのですが)、浮気癖に辟易とした様子が多く描写された作品です。

 倫子のお友達ズは、夫を恨めしく思う、悲しい歌であると話し合いますが、まひろの意見は異なりました。
 むしろ、今をときめく兼家との逢瀬を誇るものではないかと。確かに、道綱の母はプライドの高さが日記の節々から感じられる人で、自分の惨めさを書き連ねるばかりの日記を残すとは思えません。
 清少納言と通じるものがあり、ある意味では紫式部と相性の悪そうな人物ですよね笑。

二人の才女

 第六話のタイトル「二人の才女」とは、紫式部と清少納言のことでした。
 ファーストサマーウイカさん演じる清少納言が初登場でしたね。なるほど、はまり役だなと思いましたし、実際に演技を見て、なるほどなあと思ったり、笑えたりして、適任だと思いました。

 大河ドラマ「光る君へ」では、二人が同年代として描かれていましたが、おそらく史実では数歳から10歳程度、清少納言の方が年長なのではと思います。
 同年代とするのは、もしかすると清少納言がこれからさらに物語に関わって行くことを示唆してるのかも、と感じました。

 本編でも、公任の歌について二人の意見は割れてしまいました。
 先ほども語りましたが、清少納言と紫式部は相性が悪そうなんですよね〜。

 漢詩や、清少納言(『枕草子』も)については別でnoteにまとめることができたらと思っています。

来週も楽しみに待ちましょう!

それでは、また!

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