"初心"表明と『坊つちゃん』への導入

 "初心"表明

 おはようございます、こんにちは、こんばんは。Number.Nと申します。
 これから、文学作品紹介や僕の考える(時には研究した)作品論について発信していきたいと考えています。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」伝えていくつもりです。

 まず、僕の自己紹介を簡単にしていきます。僕は二十四歳の大学院生で、主に『源氏物語』を中心に研究しています。『源氏物語』以外にも文学全般に興味を持っていて、村上春樹のような現代の作家に至るまで、幅広い時代、ジャンルの作品を読み、考察してきました。
 文学離れ、活字離れが叫ばれるようになって久しいです。文学を愛する者として、そして現在および将来的に文学に関わって生きていきたいと考えている者として、文学を敬遠する人が増えて来たことに危機感を覚えています。文学は想像しているよりも奥深く、学校で習うよりも楽しく、そして人生が変わるほどにFantasticです!
 だからこそ、僕の目標は、「『難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く』伝えていくこと」になります。

 文学作品と言いましたが、ここでいう文学とは、多くの方が想像されるような堅苦しいものではありません。誰かに伝えるために言葉を用い、表現されたものは文学であると僕は考えています。なので、ライトノベルはもちろんのこと、アニメや歌、映画・ドラマといったものも文学の対象といえます。
 むしろ、僕は影響力の薄くなった純文学よりもサブカルチャーの方が現在の文学の中心であると考えています(サブカルチャーはもはや「サブ」とはいえないくらいに影響力を持っていますよね)。もちろん、小難しくお堅い(と一般に考えられている)文学作品にも面白い作品はたくさんありますので、そちらも分かりやすく、伝えられたらなと思います。

 僕の好みを最初に列挙して示しておきます。

 ・『源氏物語』
 ・司馬遼太郎
 ・村上春樹
 ・よしもとばなな
 ・(主に90年代頃の)ジャンプマンガ
 ・昭和歌謡
 ・日本語ラップ

 こんな感じです。
 いや、五十代ではありませんよ。正真正銘の二十四歳です…笑。好みを話すと、本当に二十代か疑われます。

夏目漱石『坊つちゃん』への導入

 こんな前書きからはじめると、「トトロ」や「葬送のフリーレン」や「無職転生」のような作品を紹介するのかなとか、『ワインレッドの心』の歌詞を考察するんじゃない? いやいや、『エヴァンゲリオン』の考察だろ、みたいに思われるかもしれませんが、今回扱う作品は、夏目漱石『坊っちゃん』です。ベタですみません。でも、ベタってベタであるだけあってベター(better)なんですよね・・・・・・。

 そんなレトリックは置いておいて、日本文学を語る上で夏目漱石を語らないでいることはできません。日本文学は文明開化期以前の作品と以降の作品とでは、作品の在り方が決定的に異なります。江戸時代末期から西洋は世界史上に君臨するようになりましたが、それ以降、日本ではあらゆる面で近代化、すなわち「西洋化」が試みられてきました。文学の面でも西洋の「小説」を取り入れようという動きが起こり、明治二十年頃以降の文学作品はどんどんと西洋的「小説」の方へと舵を切っていくことになります。
 夏目漱石は明治四十年頃から執筆を本格化させていったわけですが、漱石はその後の小説の在り方を決定づける作品群を残しました。大正時代以降の作品は、漱石の影響なしには語れません。私小説のようなジャンルの作品を除いて、漱石の作品が前提となって文学界が構成されていったのです。近代までの文学においては作者が今ほどは重要視されていませんでしたから、日本文学における最大の作者は夏目漱石といえるのではないでしょうか。

 そんな夏目漱石の作品『坊ちゃん』について紹介・深掘りしていくわけですが、今回は、#1「『坊ちゃん』の概要」 #2「敗者の文学・・・・・・それとも」 #3「キャラクター小説としての『坊っちゃん』」という形で書いていきたいと思います。
#1ではできる限り分かりやすく『坊ちゃん』の重要な点を解説していきます。難しい話はなしにして『坊ちゃん』の全体像や文学史上の意義について知りたい方は#1のみでも『坊っちゃん』や夏目漱石に詳しくなれるように書いていきます。
 #2と#3は僕の考える『坊っちゃん』論に踏み込んで話していきます。より深く『坊っちゃん』や夏目漱石について知りたい、考えたい方はぜひそちらも読んで頂きたいです。

#1「『坊ちゃん』の概要」は1月2日に配信予定
#2「敗者の文学・・・・・・それとも」は1月3日に配信予定
#3「キャラクター小説としての『坊っちゃん』」は1月4日に配信予定

となっています。ぜひご一読ください!

 それではまた!

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