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20年探していた曲が見つかった話

かれこれ20年以上前、世の中にスマートフォンが存在しなかった頃のことです。


携帯電話にプリセットされていた着メロの一つがとても好みでした。

タイトルは「allegro vivace」。

暗めの曲調で小刻みな旋律は、一度聴いたら忘れられないものでした。
短く、和音もろくにない着メロ初期のチープな音でありながら、明瞭に記憶に残っています。

一方、明らかでなかったのがこれの原曲です。
「allegro vivace」の曲名を頼りに探すのですが、一向に見つかりません。

以降絶え間なく探していたわけではありませんが、思い出すたび、あれは何の曲だったんだろうと心に引っ掛かり続けていました。

それが、年月を経て、ついに見つかったのです。

その曲がこちら。

モーツァルトの「交響曲第40番」でした。

判明したきっかけは、兵庫県立芸術文化センターで上演されたオペラ「ドン・ジョヴァンニ」。

ニ短調の序曲の解説から、モーツァルトが短調の作品をほとんど書いていないということを知りました。

古典派やそれ以前の時代よりもロマン派音楽の方が好みのため、モーツァルトをほとんど聴いてこなかったことのつけです。

そして、モーツァルトの交響曲で短調のものは二つだけ、と知ります。

それから先は、あっという間でした。

二つのうちの一つがト短調の「交響曲第40番」。
試しに聴いてみると、第1楽章冒頭からあのメロディが奏でられるのです。

いやぁ…
この20年は何だったんだろうというしかありません。

調べてみれば、Molto allegroで、「allegro vivace」じゃないし。

そうは言っても、長年のもやもやが氷解したのですから、感謝するしかありません。

そうか、君はモーツァルトだったんだね。


そしてもう1曲。

こちらは20年間、というわけではありませんが、ずっと別の曲と勘違いしていて、何の曲か分からなくなっていたものです。

ひさしぶりに聴きたいと思い、「新日本紀行」を検索したところ、まったく記憶と異なり、なかなかの衝撃を受けました。

メロディは明確に再現できるのに、分からない。

悶々とした日々を過ごしていましたが、答えはこちらでした。

加古隆さんの「黄昏のワルツ」。

「新日本紀行」ではなく、実際には「にんげんドキュメント」でした。

「バイオリン NHK テーマ曲」などで検索しても、真田丸ほか全然違う曲ばかりヒットして五里霧中だったのです。

三拍子なのはわかっていたので、キーワードに「ワルツ」を入れていたら良かったんですね。

あるいは、加古隆さんに気付くか。「パリは燃えているか」は大好きで何度も何度も聴いていましたから。
imageのCDに入っていたと知り、また驚きです。

この曲は、自力では見つけられず、googleアシスタントに教えてもらいました。
なんとか発見したかったな。

それでも、長きにわたり、炭火のように燻り続けていた謎が解決したのはありがたいことです。

感謝。



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