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Notionを会社で導入しようと試みた話

プライベートでNotionパーソナルProを導入し数年が経つ今日此頃。日に日に素晴らしくなるこのツールを会社で導入したいと考えました。私は会社ではマーケティング担当で、現在も社内の情報共有のツールとしてはMicrosoft365のSharePointとBacklog、ビジネスチャットが中心です。しかし私個人としては、あくまで「情報共有」という観点ではNotionに敵うツールではありません。

そこで Notion Enterpriseを導入しようと考え模索をはじめました。まずそもそもいくらなのか?そこから調べないと話が始まりません。

Notionに価格はいくらなのか、そして導入するにあたりMustの条件となる点について問い合わせました。そこで見えてきた「Microsoft365」の壁についてお話していきたいと思います。結果として「Microsoft365で良いじゃん」となった弊社。これに対するカウンタートークをお持ちの方、ぜひコメントをよろしくおねがいします

会社で導入する際、最低限のMust要件・・そして価格

会社でクラウドサービスを導入する場合、Mustとなる要件がSSO(シングルサインオン)です。会社から貸与されているデバイスからのみサービスを利用させる、且つADで管理しているアカウント・パスワードでサービスを利用できることです。極論を言えば、機能におけるMust要件はこれだけです。

この点は、なんとなくクリアできるのではないかと考えていました。この点がクリアできることを前提として、残るは価格です。しかし、Notionの公式サイトを見ても「エンタープライズ」プランの価格は掲載されていません。

Notion公式サイトより

「チーム」プランで8$なので、エンタープライズプランはもっとするだろうと覚悟していました。そこで一つの疑問が生じました。
ページを編集する人は“課金対象”となることは当たり前として、Notionのページを閲覧するだけの場合は、課金対象にならないのではないか・・・素人的発想でこう考えました。

いずれにせよこれは問い合わせしてみないと分からないと考え、Notionに問い合わせました。

Notion導入のために問い合わせたこと、そしてその結果

Notionを導入するために、質問したことは下記3つです。

  1. SSOによる認証が可能か?

  2. 価格はいくらか?

  3. 編集権限は不要で閲覧だけをさせたい。閲覧するユーザーにもSSO認証をMustとしたいが、このユーザーも課金対象となるのか?

冒頭にも申し上げた通り、情報共有が目的なので編集したいメンバーは限らています。ですので閲覧だけさせたいユーザーにまで課金させる必要はない(そうしないと導入できない)という背景から3つ目の質問を行いました。

Webサイトのフォームより問い合わせ数日後、返信がきました。まず1つ目のSSOについてはSAML認証にも対応しているのでおそらく可能、トライアルを試してほしいという回答でした。ここまでは想定内。

次に価格です。1ユーザー年間240$。。このnoteを書いている2022年5月21日現在、1$=127円まで円安が進んでいるので年間30,000円以上、つまり月額2,500円。正直「高い」。

しかし3つ目の質問。編集権限は不要で閲覧だけさせたいユーザーは課金対象となるのか?(SSO Must)。答えは「課金対象になる」でした。この時点で月額1ユーザー2,500円のツールを情報共有という目的だけで導入する夢は途絶えました。

Microsoft365で良いじゃん

さて、冒頭で申し上げた通り、私が勤めている会社ではMicrosoft365、Backlogなど様々なシステムを導入しています。Notionは情報共有という観点ではオールインワンで提供していると思います。

しかし、Notionを導入したからといってMicrosoft365を解約するわけありません。PowerPointやOutlookなどのOfficeソフトを利用しているからです。またBacklogのようなプロジェクト管理ツールは弊社ではMustのツール。このBacklog。すごいことにユーザー課金ではなく、テナント=契約企業課金であること。つまり何人使っても価格が変わらない点です。

Backlogの価格

プレミアムプランは月額21,780円。Notion10人分にも満たない。弊社は全体で500名程度の企業ですので、Backlogの一人あたりの料金は40円程度です。

要は価格面で「Microsoft365のSharePointで良いじゃん」「OneNoteで良いじゃん」となってしまったわけです。案外こういう組織は多いのでは?と勝手に推測しています。「いくらオールインワン」といってもMicrosoft365の代わりにはならない(これは明白)、またBacklogで運用に乗っていると、Notionでは代替運用が難しい細かい点が多いなど課題が浮上しまくりました。

使いやすい・エディターが優れている・見やすいが通用しない世界

Notionを「disる」形となってしまいましたが、私はプライベートで課金しており、完全にNotionファンです。その理由は使いやすいし、エディターが優れているし、編集したページが見やすい点など情報を整理し、後から見返すのに優れているからです。

しかし“そんな”理由では経営層の稟議は通らないのです・・・細かい点はさておき、できる/できないでは「なんでも(とりあえず)できるMicrosoft365には敵わない」ことを実感しました。

Notionの法人向けサイトには名だたる大企業のロゴも並んでいますが、一部のチームメンバーに限る部分導入だろうなと勝手に想像しています。Notionはコンシューマー向け・スタートアップ・企業の部分導入が中心となっていくのか。

「いやいや、お前が分かっていないだけ。こうすればお前の会社にもNotion導入できるよ」というご意見がありましたらぜひ参考にさせてもらいたいと思いました(切に)。


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