見出し画像

海苔漁師の夏休みの過ごし方。

海苔の養殖シーズンは海が冷たい秋から春にかけてが本番。
冬の寒い時期の過酷な海苔漁を終え、漁師さんたちは今夏休みを過ごしています。

貴重な夏休み、どんな過ごし方をしているのでしょうか?
本当にのんびりお休みしているのか?
海苔漁師さんのオフシーズンの過ごし方について研究してみました。

本日もゆるりとお付き合いください。

【海苔屋への挨拶まわり】

《佐賀県/早津江漁場の生産者の皆さまと》

シーズンオフの6〜8月、海苔の生産者さんたちはお世話になっている全国の海苔屋さんへ挨拶まわりや視察を行っていきます。

《佐賀県/鹿島漁場の生産者の皆さまと》

何度かTwitterでも投稿させていただきましたが、今年ぬま田海苔にも全国の漁師さんたちが訪れてくださいました。

《佐賀県/佐賀市第一漁場の生産者の皆さまと》

基本的には皆さん真顔です。

《佐賀県/熊本県/千葉県の生産者の皆さまと》

やっぱり真顔です。そして逞しい体をしていますね。

生産者さんと海苔屋さんが直接お話しする機会は限られているので、とても貴重な場。ぬま田海苔は初摘み入札しか参加しないのですが、皆さん興味あるようでした。
実際に海苔屋でお客さまと話せたり、自分たちの海苔が購入される絵を見て刺激を受けてくださったようです。
私もまた質問することで、お店で話せる産地のストーリーの幅がグッと広がりました。

『今年も買ってもらえるよう、おいしい海苔を頑張ってつくります!』と漁師さんたち。
「今年も海苔を買えるように頑張ります!」と私。
そんなやり取りが海苔屋で行われています。

さて、こんな挨拶まわりは夏休みのほんの一部。
海苔漁師さんたち、実は様々な副業をしていたりもします。
みんな違うからすごく面白い!と思い記事にしてみました。

【熊本県の海苔漁師の場合】

《熊本県/網田漁場の嶋本さん》

まずは熊本の海苔漁師、嶋本さんから。
宇土市の網田漁場といえば、ぬま田海苔でも販売していた《網田混1》 。
現在は売り切れてしまいましたが、青混ぜ海苔とは思えないくらい柔らかくてうま味の強い海苔。
その《網田混1》を作り出した生産者さんが嶋本さんです。

《網田混1》*現在は売り切れ

嶋本さんはオフシーズン、イカ釣りやお弁当販売に取り組んでいます。
宇土で釣れる《モンゴウイカ》の立派なこと!

《嶋本さんが釣ったモンゴウイカ》

その経験値を活かし《モンゴウイカ》体験ツアーを行うなど、面白い取り込みをされています。興味ある方は来年5月にお申し込みください。

もう一つ取り組まれているのが、お弁当販売。
自分たちの海苔と、釣ったイカを使った《イカ海苔弁》最高ですよね。

SNS配信は奥さまのお仕事。
嶋本さんが作る網田漁場の海苔を知ってもらうためのご夫婦での取り組みがいつも素敵だなと思っています。
緑川の下に広がる網田漁場をこの機会にぜひ知っていただけたら。

《嶋本さんの乾海苔》

【佐賀県の海苔漁師の場合】

佐賀は鹿島から二人の漁師さんの過ごし方を紹介します。
鹿第三漁場の倉﨑さんは奥さまがぶどう農家を経営されています。

《佐賀県/鹿島第三漁場の倉﨑さん》

海苔のシーズンが終われば、今度はぶどう農家のお仕事。

《ぶどう収穫の様子》

奥さまがぶどう農家の3代目で、そのお手伝いに。《Raisin&You(レザンアンドユー》は鹿島では知るひとぞ知るぶどうブランド。

《Raisin&You(レザンアンドユー》のぶどう

左からシャインマスカット、クイーンニーナ、巨峰(種無し)と、本当においしそうですね。
自然豊かな鹿島は海苔以外にも名産品が多いのです。

海苔もうま味が強い極上品が。もう残り僅かですが、ベテラン海苔買い付け師も唸る海苔がこちら。

続いては鹿島第一漁場の中島さん
以前、私が『海苔の種付け』のお手伝いでお邪魔した生産者さんです。

《佐賀県/鹿島第一漁場の中島さん》

中島さんはオフシーズン、赤貝の養殖に取り組みます。

赤貝は二枚貝でプランクトンを主食としており、海水の浄化作用を担ってくれるので海苔にとっても重要な存在。佐賀県としても、漁場改善のために赤貝の放流を予定しているそうです。

《中島さんの漁場で収穫された赤貝》

鉄管の先に(じょれん)と言うカゴを付けて、赤貝を人力で引き上げます。 採れる時は、2~3時間で2トン位の時もあるそうです。

《赤貝を収穫する様子》

採れた赤貝は煮付けにしたり、酒蒸しにしたりがおすすめだそうです。
酒の肴にもぴったりですね。
自分たちの浜でおいしい海苔を作るための取り組みですが、同時に赤貝も堪能できるわけです。

その鹿島第一漁場の人気の海苔はこちら。
先日《有吉くんの正直さんぽ》でも紹介していただいた《鹿島第一壱◯1》
シャープな歯切れの良さと、後味の強さが魅力です。
ぜひ鹿島産の日本酒《鍋島》のお共に。

【福岡県の海苔漁師の場合】

《福岡県/新大川漁場の古賀さん》

海苔漁師の中でも、多くの情報発信をされているのが古賀さん。《アリアケスイサン》という海苔ブランドの3代目でもあります。
InstagramやTwitter、最近ではnoteまではじめられ、様々な入り口から海苔の魅力を発信する生産者さんです。

そのオフシーズンの過ごし方は、自分たちの海苔ブランドの発信や製品開発、地域貢献、家族との時間を大切にする、だそうです。

大雨の後、海に漂流物が流れてくるイメージがあると思いますが、古賀さんはじめ漁師さんたちが清掃活動をしてくれています。

お客さまのお料理を紹介、挨拶まわりをしたり、POP-UPストアで自ら出店も。

最近はじめられたnoteでは、製品開発について語っています。

『オフシーズン、基本的に毎年やるべきことは決めず、面白いことをやろうと思っています。』と古賀さん。

家族を大切にしながら、こんな精力的な活動をする海苔漁師さんがいるのは心強いですね。
《アリアケスイサン》さんの海苔はこちらから。《紫彩》というばらぼし海苔は以前、私の記事でも紹介させていただきました。

【次のシーズンへの準備】

ここまでオフシーズンの多様な過ごし方を紹介してきましたが、皆さんの共通点は1つ。次のシーズンへの準備をすすめている、ということ。

海苔網を洗浄・補修し、樹脂加工したり。

網に牡蠣殻を入れる落下傘を取り付けたり、網を丸めたり。

《鹿島第一漁場、中島さんの作業より》

実際にやる事がいっぱいあるわけで、海苔漁師さんたちが夏休みにのんびりできる期間は本当に少ないと思います。
お休みの期間が次の海苔漁へ向けた準備期間なんですね。

その覚悟に感化されないわけがない。
お話を聞けば聞くほど、感謝の気持ちと共に自分もモチベーションが上がります。

ここから秋に入ると海苔の『種付け』が始まり、今年の海苔養殖シーズンが開幕を迎えます。
早くも宮城県の方では9月にスタートするそうなので、楽しみですね。
今年はいったいどんなおいしさの海苔に出会えるのでしょうか?

海苔の『種付け』にご興味ある方は、こちらのnoteからどうぞ。

【ぬま田海苔よりお知らせ】

高まるモチベーションを元に、ぬま田海苔で今月より販売スタートした《羽根つき焼きおにぎり》の新味のセット《XO醬タコ》はシーズン限定商品です!ピリ辛のうま味にタコと枝豆の食感をぜひ楽しんで。

セゾン・プラチナ・アメリカン・エキスプレスカードの会員さまに向けたWEBメディア『PT』の記事が公開となっています。とても素敵な記事ですので良ければご覧ください。

そして夢だった《有吉くんの正直さんぽ》にとうとう出演できました!有吉さんに海苔を食べてもらえて本当に嬉しい。9月3日土曜日12時まで、TVerで観る事ができます。

以上『海苔漁師の夏休みの過ごし方』はいかがだったでしょうか?
こんな話を直接聞きたい!という方はぜひぬま田海苔の店舗へ。

皆さまから何かリクエストもあれば、いつでもご連絡ください。note/Twitter/Instagramどこからでもお待ちしております。フォローも大歓迎です!
本日も最後までありがとうございました。
--------

《ぬま田海苔 合羽橋本店 店舗情報》
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-7-2
05017459617
[営業情報]
Open : 全曜日営業(11:00〜17:00)

「Twitter」

「Instagram」


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。これからも皆様に海苔の魅力や合羽橋の楽しさをお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。