取り返しのつかないこと
生きていると、取り返しのつかないことが起こる。そのなかには事故や病気など、自分ではどうしようもなかったであろう、理不尽としか言いようのない出来事もある。だが、さらにやっかいなのは、中途半端に「ああすることもできたかもしれない」と思えるようなことである。そういう過去が、ときに自分を苦しめる。
「ああすることもできたのになあ...」この考えが頭から離れない。どうしても離れない。ああすることもできたのに、なぜ、こうしてしまったのか。あのとき、ああしていれば...
だが、ほんとうにそうなのか。道を考えてみよう。あなたの目の前に、分かれ道がある。分岐は二本でも三本でもいい。さて、どの道を行こうか。あなたは考える。ちなみに地図はない。道の見通しも悪い。ごくわずかな風景の広がりのみを頼りに、あなたはそのなかの一本の道を選ばねばならない。しかも、悠長に考えている時間はない。もうすぐ日没だ。すぐに進路を決めねばならない。
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