これまでの人生のなかで、何度か「死にたい」と思ったことについて

死にたいと思ったことが何度かある。濃淡はさまざまで、早く人生が終わったらいいなというくらいの軽度の焦燥感のこともあれば、もうだめだ、今すぐこの命を終わらせたいという強い衝動が湧くこともあった。

歩いている途中でとつぜん強い眠気に襲われ、自分がラップフィルムにくるまれたような、世界から遊離した感覚になる。周りの物音も、一緒に歩いている友人の声も、みんな遠くなる。そんなときは繁華街を歩いていても、車道に大の字に寝ころびたくなる欲求に悩まされた。考えることにも疲れ、悩むことにも疲れ、歩くことにも疲れ、意識が飛びかけた。歩いていられない。立っていられない。もうどこでもいいから今すぐ横になりたい。道路で大の字になって、車に轢き殺されたい。疲れているのか死にたいのか、自分でも区別がつかなかった。18歳頃のことであった。

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