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詩です。
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#ミディアムポエム

詩/ミディアムポエム:テーブル

テーブル 夕日を洗うような 四つの滝の真ん中は いつも とおい記憶のはきだめだ 水煙は立ち上…

柿沼オヘロ
5か月前
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詩/ミディアムポエム:拝島

島拝み はいじま よった よったと 飛脚の ぶすくれたふくらはぎ 島畳み うちの孤島のかびく…

柿沼オヘロ
5か月前
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詩/ミディアムポエム:重油

街にメロディがこだまして からすは山に帰ったよ 鋭い羽根に空が撫でられて 傷口が開いたみた…

柿沼オヘロ
5か月前
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詩/ミディアムポエム:雨戸

初夏のはじまりの 冷んやりとした夕べに もう終わりかけたパンジーの フリースを羽織ってしま…

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詩/ミディアムポエム:蟲

雑草のひき痕が 小さな星々をつれてくる 蟲という字面が 白内障の魂をつれてくる 夢路のなか …

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詩/ミディアムポエム:茜

茜でまかなえた日の くもまっ下で カエンタケの毒はまだ もせずにいた ガス抜けライターは き…

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詩/ミディアムポエム:花曇り

花曇りの重ね塗りで 空の下地を忘れている 名付けられたことの安寧 上目だけの遊歩道 引力の死角で黒ずむ 花々だったものは 分解の流れに為されている 動悸を詰めた棺のなかで 穴の無い玉突きが 垢を溜めている 名前からはみ出した 朦朧のゲル、隙間だらけの顔が まだらまだらと 半宙に遺っている

詩/ミディアムポエム:ななほし

手のひらで ななほしてんとうが 死んでるみたい なんでかずぅっと そこにいる ぼく 卵もつみ…

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詩/ミディアムポエム:ピアノ

ラが ピアノが 3回か4回か 8回 なって つぴつぴと ことりも たくさんなって ラだったろうか …

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詩/ミディアムポエム:問い

 星転する問い きみは終点すっ飛ばし   探照灯めいてるんだね めい ていぶって サ、瓦礫帯…

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詩/ミディアムポエム:廃墟

百階建ての廃墟のような 百階建ての 残念から産まれた しかたのない 者です 石膏の粉をまき …

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詩/ミディアムポエム:藤棚

藤棚の暗がりは 鳩も食べ残しも ひんやりとしている 脇にそびえる銀杏の樹は 喉元まで蔦が絡…

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詩:ミディアムポエム:戦場

そこに自画像を描くとすれば 春の陽はたちまちの内に 自らがひび割れるのを見る 鴨の上っ面が…

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詩/ミディアムポエム:ヨーグルト

排水口を塞ぐ艶が 絹の豆腐のよう 美味しいものの 存在感を流している 部屋のすみで 数ヶ月も忘れられた ヨーグルトが酸い 舌の奥でまだまだ酸い 菌が増殖して部屋は 狭かったろう 過激派を放つ気持ちでいなければ 君のその艶を見てられない 匂いが残るキッチンで せめて窓は開けないことだ ____ 最近使ってなかったバッグのなかに、3ヶ月前に買ったヨーグルト(500ml、無糖)が入っていて、泣く泣く捨てた話です。4口ほど食べました。少し酸っぱい程度で、これならイケるかも、