詩/ミディアムポエム:雨戸

初夏のはじまりの
冷んやりとした夕べに
もう終わりかけたパンジーの
フリースを羽織ってしまおう

雨戸を閉めるときの
金と属の
こすれ合う音
亀裂の音

喉の裂け目から漏れ出る
この赤々としたものは
くり返し現れる僕たちの初潮
それで僕たちは幾度となく
夏を始めてしまう

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