中国広告紹介「“おサボり万歳?!”Z世代に刺さる旬な話題とは」
こんにちは!ぬるぬる営業担当のりゅうです。
私は日々業務を行う中で中国市場における様々な広告手法やマーケティング手法に刺激を受け、その途轍もない発想に常々びっくりしています。
ぜひ、この場をお借りして、日本の皆さんにもお届けしたいと思います!
昨今、中国のZ世代に最も刺さるキーワードは「摆烂(バイラン:すでに事態がどうしようもないほどに悪化しているから、投げやりでほったらかしにすること)」ではないでしょうか。
日々、学業や仕事に追われ、精いっぱい頑張ったのに、理想的な生活が送れないどころか、どんどん遠がっていくことに気づき、その挫折感に耐えきれず、ついやけになってしまうこと、またその人を指しています。
広告業界ではこの「摆烂」はどのような使われ方をしているのか、2つの実例を用意いたしましたので早速見ていきましょう。
実例①【MILKANA(チーズメーカー)】
オフィスの一角を舞台に、新卒OLの視点からありがちなワンシーンを曜日ごとに描いています。
このようなシーンは新卒だけではなく、アラフォーの私でも、見ているうちに『自分じゃん!!』と思いながら、共感してしまいました笑。
どのシーンも勤務中という設定で、
ぱっと見、いつもサボってない!?と思われるかもしれませんが、決しておサボりを推奨しているわけじゃないです。
時代の流れの中で、人生において仕事がすべてではないという風潮になりつつある中、特に中国のZ世代の若者は仕事より自分のことを優先する傾向にあります。
『こういう時こそ、頑張らなくてもいい、肩の力を抜いて、休憩しよう』と、若い人の気持ちに寄り添いながら、『時間をつくってちょっと休もう』というスローガンを掲げて、シチュエーションごとに、商品の特徴を訴えかけています。
この動画が発信された途端に、さまざまな媒体にも取り上げられ、すぐに話題となりました。
(※こちらの動画を引用して第三者が投稿した記事でも、1.7万回再生や2万回再生されるなどの例もあります。)
『スローガンがシンプルでいいね。』
『共感できるわ。』
『急がずに、たまにゆっくりしても悪くない。』
・・・
共感を感じたコメントも多数寄せられました。
その結果、商品そのものへの注目を集め、
Weibo(中国版Twitter)でも多く呟かれ、
『実際食べてみて、アイスみたい!おいしかった!』などポジティブなコメントが多く寄せられました。
そのコメントを見た他のユーザーたちも、一度試したくなる気持ちが沸き起こり、とても良いスパイラルができている事例となっています。
実例②【Media(スマート家電)】
このシリーズには、5つのおうち悩みによって構成されています。
誰もが抱くお悩みをテーマに視聴者の共感を得ようとしています。
スマート家電といえば、そのセールスポイントはなんと言っても、「スマート」であることです。
使う側にとって如何に楽できるのかを実現させることが、一番のポイントで、
たとえ、トレーニング中にでも、「サボりたい」という若い人ならではの考えに合わせ、商品の優位性をアピールしていくことで、共感が得られます。
『おサボり』は中国語で『摸鱼(魚を触る)』と書きます。ここ数年で生まれた若者表現です。
魚をモチーフにして、キャラクターも作られたりしています・・・笑
【日本企業がどう捉えるべき】
Z世代のトレンドは、常に移り変わりが激しいため、
Z世帯を囲い込むには、
積極的にZ世代のニーズを捉え、そこに刺さるようなコンテンツ構成を考えるべきです!!!
日系企業は、会社のイメージなどが重要視され、中国のZ世代に受け入れられるようなコンテンツを作ることが難しいのかもしれないですね。。。
また、今回トレンドとなった「摆烂」について、
一見すると、あまりポジティプなことではありませんが、
良いか悪いかはともかく、若い人なら誰もが現在実感している社会現象です。
この現象を理解し、上手にコンテンツを作ることが出来れば、注目を集めることはできるが、もう一つ重要なポイントは、
自社の商品とどうマッチしていくか、また、ネガティブからポジティブにどう導くか、トレンドワードを使う企業にとって、考えるべき重要な課題となります。
時代の流れやトレンドを読むことで「共感してもらえるポイント」を把握することが出来ます。
例えば弊社のCCO山下智博は、土豪(金持ち)という言葉が流行った時に「穷豪旅行記」というシリーズを立ち上げ、中国での人気の動画投稿者にも出演してもらい、貧乏vsお金持ちの日本旅行をテーマにしたバラエティ番組を制作しました。あくまでも面白さを重点に日本の風景や文化を中国の視聴者に自然な形でお届けし、
3シーズン合計で2,500万回以上の再生を獲得し、第3シーズンは視聴者評価10点満点中に9.8の高得点を獲得することが出来ました!
このシリーズが視聴者の共感を得た主な理由は、下記のように考えられます:
① ビリビリというプラットフォームは「日本」と「バライティー」に興味のあるユーザーが他のプラットフォームより多く存在するため。コンテンツとプラットフォームの相性が大事で、ユーザーの属性を把握することも大事です。
② 2012年に中国に移住し、2013年から中国向けの動画を作り始めた山下が、自分自身が積んできた経験を活用し、中国人が好むテイストに仕上げました。
今回のテーマは「共感」ということで、ぜひ皆さんも共感の得られるコンテンツ制作にチャレンジしてみてください!
ぬるぬるでは、コンテンツ企画、制作まで現地のトレンド、共感できるポイントなどを把握できる専門スタッフが皆さんのコンテンツ制作をサポートいたします!!
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