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15分で作る即興小説「命のスクラッチ」

新車を買った。濃い青色の車だ。
軽四だけど愛車になると思う。しっかり乗りこなしてきれいに扱っていきたい。


新車を買うと走らせたくなるものだ。だから夜にこっそり走りに行った。
音は大丈夫だよ。ハイブリッドだからね。


ついつい遠くまで来てしまった。こんなところに住宅街があったなんて。
ここは大きい家が多いなぁ。
そう思っていると、とある家……というより建物というべき大きいソレの前に黒い車がズラーッと並んでいた。15台ほどあった。


これはまずい。そういう人の家だ。絡みたくない。こっそり抜けよう……。

そう思いながら右にハンドルを

ゴツン

あー
あーしらないあー
あー


ププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープーププープープープーププーププープーププーププープースープーププープープーフラフープーププープープードループプープー


お前ププープー何してくれプーーとんじゃい!プー
盃交わして遠藤がやっとウチに入るっていう大事な日にてめぇ!お前ププープー何してくれプーーとんじゃい!プー


こわくてでれません。しぬ。ついでになんかわからないけど、僕もクラクションならそうプープー

てめぇ!プープークラクション!プーププー鳴らし返すとは!プープーいい度胸しとるやないけ!プー

オイ!

アニキ!

カタギの奴に大勢で何しとるんじゃホンマによ!やめんかい!ブァーブァーうっとぉしいのぉ!


クラクションの音ブァーブァーっていう人始めてみたな。


今日は大事な日だから見逃したる。はよここから動き。
ありがとうございます……。プー


なんや、お礼のクラクションまでしてくれたやないか。あれが修理代ってことでええやろガハハ。
傷ついたのアニキの車です。
お、あ、そうなの?あーまぁ、それくらい?いいよ?ほら、酒。のみいこ?

アニキが浮気がバレた男子大学生みたいになってる……


ふひぃ~たすかった~。けど、買ってすぐに傷つけてしまったなぁ。
新しいの買おう。僕は父さんの息子だしな。

そういえば今日やる予定の宴会の連絡、まだこないなぁ。

気持ちとしてのお金は時に人の気持ちをより良くします