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【卒論アドバイス④】立てた問いはそのままにしないぞ

こんにちは!名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

前回は、テーマや問いが見つからないときの対処法についてお話ししました。

今回は、実際にテーマや問いが決まったとして、本当にそれでよいのか、という疑問をもつ大切さをお話ししていきます。


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1.それで良いのか???

テーマや問いが決まったら、次の2つについて点検しましょう。

点検2

「問いに答えられるのか?」については、締め切りまでに残された時間のなかで答えがみつかるのか、あるいは難しすぎて答えられるのかという問題。

たとえば、「人権を尊重することはなぜ必要なのか」という問いを立てたとしましょう。

ツッコミは2つあります。

「人権」という言葉が広い(=抽象的すぎる)

「なぜ必要なのか」は答えが一つに限らない(=難易度が高い)


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「問いに意義はあるのか?」については、そもそも答える必要があるのかという問題

「人権を尊重することはなぜ必要なのか」を例にもう一度考えてみる。

もちろん人権を尊重することは必要だと、経験的にわかる。

しかし、それがなぜかという問題はすでに多くの議論がある。

よって、(すでに繰り返し言われている問いに答える場合、新しい角度の切り口でない限り)答える必要はない。


この「問いに意義はあるのか?」ついては次回扱うので、まず「問いに答えられるのか?」について詳しくお話します。


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2.「問いに答えられるのか?」を点検し、問いを修正しよう


1つ目の「問いに答えられるのか?」を点検し、「抽象的すぎる」「難易度が高い」という場合には、次のような修正ができます。


【抽象度の場合】:言葉を狭くする、対象や時間・場所などを絞る


たとえば、「人権」を「識字が困難な人の社会保障」にするだけでも、だんだん答えられる可能性が広がります。

さらに、「日本の都市部における」をつければ、さらに問いは狭くなるでしょう。

ただし、その対象にする理由は後から必要になるので注意してください。


【難易度の場合】:問題を具体的にする

たとえば、「なぜ必要なのか」だと、その沢山ある理由をどこまで掘り下げればいいかわかりません。

そこで、「なぜ成立したのか」や「どのように保障すべきなのか」といったように、具体的な問題を設定してみてください。


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問の修正

以上のプロセスを経て完成した問いは、「日本の都市部において、識字が困難な人の社会保障はどのように保障すべきなのか」になります。「人権の尊重はなぜ必要なのか」に比べると、だいぶ答えが見えやすくなったかと。

もちろん、問いを狭める時、ただ狭めるのではなく、「答える必要があるかどうか」は大切なポイントです。

次回は、「問いに意義はあるのか?」についてお話したいと思います。


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