【外国語学習⑩】グローバルコミュニケーション第3回:英語と日本語の会話はどちらが速いですか?
こんにちは!
名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフ(中国語スタッフ)です。
今回は、皆さんが普段当たり前のように行っている会話の”速さ”について豆知識を紹介したいと思います。
自分の母国語以外は速く聞こえる?
アメリカの映画やドラマを観るとき、登場人物が喋っている英語はすごく速いと思いませんか?
教材で学んだ英語とはまったく別次元と感じる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、英語だけではなく、外国人が母国語を喋るのを聞いたら「速いな!」と感じるのはどの国の人でも自然な反応です。
例えば、私が母国語で友人と雑談するのを日本人の友達に聞かれた場合、常に「速い」「全然わからない」と反応されます。
私自身も、日本語を勉強していた時に、初めて『一リットルの涙』という日本のドラマを見ましたが、主人公の日本語を話す台詞が速すぎて、全く聞き取れないという経験がありました。
各国の言語の速度を比較するには?
英語と日本語の両方の学習経験から、私は「両方とも速い!」と思いますが、あえて比較すれば、日本語の方が英語よりも速いという実感があります。
そこで、各言語の母語話者(ネイティブ)が実際に喋っている内容をデータに分析すれば、それぞれの速さは明らかに示せるのではないかと思い、先行研究を調べてみました。
今回は、SCIENCE ADVANCESという国際ジャーナルに掲載された論文「Different languages, similar encoding efficiency: Comparable information rates across the human communicative niche」(4 Sep 2019 • Vol 5, Issue 9 • DOI: 10.1126/sciadv.aaw2594) を参考に、異なる言語の速さの違いを紹介します。
上記の論文では日本語、英語、韓国語、広東語 などの17種の言語を取り扱っており、統計の手法を通して調査を実施しました。
結論を言うと、全ての言語は同じ時間の中でほぼ同じ情報量が伝わります。しかし、同じ意味を表す単語が異なる言語・異なる音節数で構成されているので、同じ量の単語数が口に出せるように、音節数の多い言語は速いスピードで話さなければなりません。
例えば、「彼は学生です」の場合、日本語では「ka・re・wa・ga・ku・sei・de・ su」のような8つの音節が必要ですが、同じ意味を表すなら、英語では「he・is・a・stu・dent」のように5つの音声で済みます。「he is」を「he’s」と読みと、音節がさらに減ります。中国語では「ta・shi・xue・sheng」という4つの音節で終わります。
論文の調査結果では、各言語の速さは以下のように並んでいます。
日本語が第1位であるのに対して英語が第11位であることから、断然に日本語の方が速いですね。
(論文の調査対象では)世界一番速いといわれる日本語を喋っているみなさん、怖がらずにぜひ英語をどんどん喋りましょう!
#グローバルコミュニケーション #英語 #英語学習
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