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【アカデミックスキルズ①】課題が出た!大学っぽい表現で書くにはどうしたらいい?

こんにちは!名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

大学の授業で耳にする先生の言葉や資料に書かれた言葉って、何となく普段自分が使う言葉と違うなと感じませんか?これはアカデミックな場で求められる言葉遣いなんです。

何だか難しそう…と思うかもしれませんが、3つのポイントを押さえればぐっと大学っぽい課題を書けるようになりますよ!


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1. 正確かつ厳密な表現

ポイント1つ目は「正確かつ厳密な表現」です。
もちろん「不正確なことを書いたらダメでしょ」とは思いますよね。でも、普段以上に正確で厳密に書くのが大学っぽい表現です。

例えば、次の表現はどちらが大学っぽいでしょうか?
クイズ1 A「2020年のデータ」
     B「最近のデータ」

クイズ2 A「~の原因を調査している」
     B「~の原因などについて調査している」

正解はどちらもAの「2020年のデータ」「~の原因を調査している」です。
1の場合、「最近のデータ」と書くと「最近」を指す期間が人によって違いますよね。具体的な数字で表せるところは数字で書きます。

2の場合、「~の原因など」というと、「~の原因」以外についても調査しているということになり、それじゃあ調査している「~の原因」以外は何だろう?と相手を混乱させてしまいます。このような相手の解釈に幅を持たせるような表現は避けます。

このように自分の考えを誤解なく相手に伝えることが大学っぽい表現になります。そのため、不要な形容詞や副詞を使わないこともポイントです。例えば「だいたい合っている」という表現は、どのくらいあっているのか人によって解釈が違ってきてしまいますね。字数を稼ごうとやたらと形容詞や副詞をつけると、大学っぽい表現からは離れていってしまうので要注意です。

他にも学術用語の使い方は間違えないようにしましょう。一般的に使われている言葉が、学術用語としては別の意味を持つ場合があります。自分の理解が曖昧だなと思ったら、使う前に調べてみましょう。


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2. 論理的って?

大学では「論理的に書きなさい」「論理的に説明しなさい」ということがよく求められます。でも「論理的である」ってどういうことなのでしょうか。

簡単に言うと自分の考えを相手伝えるために必要な要素だけを、適切な順番に並べて、適切な助詞・接続詞でつないである状態です。イメージとしては、自分の伝えたいことというゴールに向かって一直線で進んでいく感じです。途中で別の話が始まってしまうという寄り道をしてはダメです。

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特に気をつけてもらいたいのが、因果関係の説明です。
例えば、

1「Aが起きたのでBが起きた」
2「Aが起き、続けてBが起きた」

1・2は全然違うことですよね。書いているときは気づきにくいこともあるので、課題を提出する前に自分で「本当にそうだろうか?」と思いながら見直しをするとミスが防げますよ。


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3. 客観的って?

「客観的」と聞くとどんなイメージを持ちますか?自分が観察したこととかが「主観的」で数字のデータとかが「客観的」?と感じるかもしれませんがそうではありません。

「私」を主語にしない
まず気をつけてほしいのが、レポートなどでは主語を「私」にしないことです。高校までの小論文では「私」を使いましたよね。でも、大学ではふつう「私は○○と考える」という書き方をしません。

「え!自分の意見や主張はしないってこと?」と思うかもしれませんが、そうではないんです。「私」を使わずに自分の考えを書くところが大学っぽい表現になります。

1「(私が)資料で調べてみたら~だったので、○○なんだなぁと思った」
2「資料Xによると~であるため、○○といえる」

2では「私」という主語を使っていませんが、この文章を書いた本人が考えたことだなと分かりますね。これが「私」を使わず自分の考えを書いた大学っぽい表現です。

「事実」と「解釈」を分ける
これも客観的に書くために必要なことです。ただし、厳密には不可能な場合もあります。それでも、「分けなければならないと分かっている(ということが伝わるように書く)」ことは重要です。

次の文章を事実と解釈に分けるとどうなるでしょうか?
「①今日は雲一つない晴天です。②絶好の遠足日和ですね。③子ども達にとってすばらしい思い出の一日になるでしょう。」

「①は事実,③は私の解釈だな。②はうーん,事実・解釈どっちで書こうかな」と考え,考えた上で決断する。重要なのはこの「考え,決断する」プロセスです。その決断をすべての読者が支持するとは限りませんが,少なくとも「観察したことと自分の考えの区別ができていない人」と見なされるよりは高く評価されます。

「事実」と「解釈」の分け方は人によっても異なるので、まずは「分けるんだなぁ」ということだけ覚えておきましょう。あとはレポートの書き方本や研究方法の解説書などを見て、ぜひこれからも学び続けていってくださいね。


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#レポート  #アカデミックスキル #大学生

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