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子供を育てることと親の教養②

※マインドセット「やればできる」の研究(キャロル・S・ドゥエック著書)より

「ハーバード大学に入りなさい」というメッセージは、「ハーバード大学に入れた時にだけあなたを愛し、尊重しよう」という子供へのメッセージになる。要するに我が子の成長を気長にに守るのではなく、才能の有無や評判ばかりを気にする親たちだ。
確かに、子供の将来を思えばこその提案なのだろうが、子供の理想とは違う場合がある。
子供の心にしなやかマインドセットの気持ちを植え付ける親は少し頑張れば手の届きそうな課題を子供に与える。
しなやかマインドセットの親が「我が子にはがっかりだ」と言う発言を聞いたことがない。「こんな子に育つなんて」という驚きの言葉を発する。
それがしなやかマインドセットの子供を育てる親だ。
優れた教師は知力や体力は伸ばせると信じておりそれを育てる手段をとにかく調べるプロセスを大事にする
しなやかマインドセットの人間は決して知識や頭脳をひけらかさない。
僕は君たちより頭がいいわけではない。ただたくさん経験を積んできただけだ
「何もない大草原に街を作る」教育とは成長していく姿を見守ることだ


以下は教師と生徒の関係で書かれてあるが親と子供として考えても当てはまる内容だ。

皆さんはダメな子なんかじゃない。学び方が間違っていたのです。さあ、失敗にさよならしましょう。ただ与えてもらえると思っていたら大間違い。ただ、成功は待っていてもやってきません。自分で掴みにいくのです。」
優れた教師は、できる生徒に対してだけでなく、すべての生徒に対して高い基準を設ける。入学当初から愛情に満ちた暖かい雰囲気で児童を包み、「必ずできるようになるからね」と約束する。
世界的なピアニスト、彫刻家、水泳選手、テニス選手、数学者神経学者を調査した結果、ほとんどが驚くほど暖かくて度量の大きい教師に最初の手ほどきを受けていた
しなやかマインドセットの教師は生徒に真実と現状の差を伝えて、さらにその隔たりを縮める方法を教える。


注意の仕方にも工夫が必要だ。相手を「信じている」ことを言葉に含める必要がある。

授業に真面目に取り組もうとしない生徒がいた場合には「私はあなたがやる気になるまであきらめない。自分に見切りをつけるようなことはさせない。あなたは、その優れた頭脳を封じ込めたまま、無駄にしようとしている」と言った具合に。
教師が生徒に優劣の評価を下していると、生徒は努力を拒むことで教師の邪魔をしようとするが、学校は自分のためにあり成長させてくれるところだとわかれば、そんなことはしなくなる
しなやかマインドセットの教師は献身的なわけではない。学ぶことが大好きなのだ。そして教えることが最高の学びの場だとわかっている。教えることを通して、人間について、人を動かす動機について、自分が教える内容について、自分自身について、人生について学び続ける
反対に硬直マインドセットの教師は大抵自分を完成品のように思っている。
どの子にも可能性があると口先だけでいうのではなく、一人ひとりの心に触れ、それに火を灯したいという深い思いがあるかどうか
天武の才に恵まれた人間を目標にしても意味がない。
技能や知識をどんどん習得していくことができる人間に育てよう
到達基準を下げたからと言って、生徒の自尊心が高まらない。しかし高い基準だけ設けて到達する道筋を教えなければうまくいかない。
しなやかマインドセットの根底にあるのは「人は変われる」という信念だ
古い信念がまだ残っているところに新しい信念が芽生え、それが段々と強くなるにつれて、今までとは違った考え方や感じ方、振る舞い方ができるようになる。

「相手の立場に立って」や、「思いやりを持って」など相手を傷つけないための抽象的な心構えの教訓をよく教師は多用するが

本人は頭では理解したつもりでも

自分自身のことを「私は成長できないけど、この子たちは成長できる」など潜在意識に対して矛盾を孕んだ状態で伝えた言葉は

響かないのかもしれない。

子供なら尚のことそう言った矛盾には気づきやすいと思う。

それに、おそらく言葉の端々に「これで理解できなければ無理だろうな」だったり「この方法意外には私は教え方を知らない。私の成長は止まっているから」いうような一部諦めの含みも伝わると思う。

「子供は親の背中を見て育つ」と言われるとおり、身近な人間の影響力というのは大きい。

今回の内容の中で気づいたことは教師(もしくは親)からまず「私は特別な人間ではない」ということを伝える必要性。

同じ立場(自分の成長を望んでいる/楽しんでいるという立場)に立ってサポートするという姿勢。

その上で「私はたくさん経験してきたから今の私があるだけ。あなたはまだそれがないから同じように経験を積んでいこう」と諭す。

「信じてる」という言葉は口に出すと胡散臭いし、硬直マインドセットの人間のソレは嘘を孕んでしまう。

そうではなくて、自分自身に対しても言い聞かせる意味で

もうすでにそれができる人間であることを前提で「できるのにやらないと勿体無い」という方向性で助力する必要がありそうだ。



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