大企業の冬のボーナス96万円と中小企業の人材戦略
2019年大企業の冬季ボーナスの平均は96万円という話
あと、公務員のボーナス。2018年平均支給額は約70万円で今年もそんなに変化がなさそうです。
こういう話をきくと、やっぱり「大企業はいいな」「正規公務員はいいな」って、中小企業の正社員が思うのは心情的に仕方がないですよね。。。
みずほ総合研究所の調べによると、事業所規模5人以上の企業のこの冬のボーナス平均が約38万円。ここには大企業が含まれるので、中小企業だけの平均はもっと低いでしょう。また、大企業ではあまりない「賞与無し」という会社も、まあまあありますし。
ご存知の通り、大企業だから中小企業より3倍仕事をしている、ってことはないです。
かつてかなり売れっ子の会計事務所の方から
「仕事が大変だから報酬が高いんじゃなくて、儲かってる会社だから報酬が高いんだよ」(だから売上上げなきゃだめよ)
と、至極まっとうなことを教えていただいたのですが、結構これって忘れがちなんですよね。
もちろん、明示や暗黙にルールがたくさんある大企業と違って、成果さえ出せばとんとん拍子に出世できて、大企業の一般社員などよりも報酬の高い中小企業の従業員の方(もしくは役員昇格の方)もいますけれど、やっぱり全体的には報酬という面では、大企業等に見劣りしてしまいがちです。
まあ、それは今も昔も変わらずで、「いいなぁ大企業」っていう全体的な感覚はあったと思います。ただ、今っぽいなと感じるのは、特に若い方は人材不足時代の影響か、
「いいな大企業」→「うち(中小企業)のボーナスは安いな」→「あーぁ、仕事大変だな。やる気がなくなる」→辞めスイッチ発動
と、辞めスイッチ発動割合が昔より増えて、大企業等と比較することでモチベーションが大幅にダウンする人が増えている肌感覚があります。まだしばらくは人材不足が続きそうで、正社員の仕事が他にもあると思えることが後押ししてしまっているかもしれません。
こういう時代において、なかなか大企業の水準で報酬を支払えない中小企業の人材戦略を考えると、
良好な人間関係×働きがいある仕事
という状況を気合で作るしかないのかもなぁと思います。
つまり、金銭的報酬ではないところで、満足度を高めるというわけです。
人間関係が良好だと、やっぱり居心地が良くて長続きします。確かに、ダラダラでなあなあとなってしまうのではないか?という懸念があるでしょう。
しかし、そうならないように社風や雰囲気をコントロールするのが、会社経営陣の役割です。
それから仕事そのものの働きがい・やりがいをしっかりと示す必要があります。丸投げで重い責任を背負わせて報酬が安い、となったら誰でも辞めスイッチが入ります。
もし、辞められたくない、社員を成長させて会社の推進力にしたい、と本気で願うなら、粘り強くフォローして働きがいを感じられるまでサポートするしかないでしょう。これはもう、採用した側の責任です。そういう努力を本気でしないと、多分、辞められたくない人材から順番に去られてしまうと思います。
もちろん、言うは易しですし、中小企業こそ実は多様性の宝庫なので、この方法一択というわけでもないですけれど。
ただ、世間の報酬の状況にもアンテナを張って、人材戦略を常に考えておいた方が、いいんではないでしょうか、とはやっぱり思います。
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