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海外鉄道

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2018.02.28〜03.06/2019.10.06〜10.11/2022.11.13〜11.19
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2022.11.17〜18 Praha③

この日も朝から霧雨模様。普段なら外にも出ない天気だが、ヨーロッパにまで来てホテルでゴロゴロできるほど優雅な心は持ち合わせていない。前日よりはタトラも多く充当されてそうな雰囲気なことを心の糧に、雨の街へと繰り出した。 プラハ中央駅脇のアンダーパスあたりになんとなく来てみると、紅葉が微妙に残る木を見つけた。この天気ならどこで撮っても大差ないが、せっかくなら季節感を入れたところと思いカメラを取り出した。公式側は撮れはしたものの、何とも言えないね。 ふとトラム位置情報サイト(通称

2022.11.17〜18 Praha②

ここからは午後の部。この日も23系統にはT2の6003号車が充当されていた。動態保存レベルの車両がほぼ毎日入ってるの、すごいな。さらにこの日の23系統は、ブルタヴァ川を渡る橋が工事中のため、川を渡らず左岸のSmíchovské nádraží折り返しという特別運用となっているらしい。つまり今日しか撮れない区間がある。旗日と掛け算すると相当レアなはず。いざ、左岸の沿線へ。 地下鉄を降りると雨が降っていた。T2の通過まで時間がない。急いで23系統沿線に向かったのだが、雨に気落ち

2022.11.17〜18 Praha①

11月17日はチェコでは自由・民主主義闘争記念日という祝日である。祝日のプラハトラムは、先頭にチェコ国旗を掲げて走るという。日本の都バスのような感覚だろうか。つまりこの日にプラハに行けば、年に数回の国旗掲揚タトラが撮れるのだ。このチャンスを捨てるわけにはいかない。曇り空でテンションは上がりきらないが、寒さを耐えて撮影を始めることにした。 まずは旧市街を歩いてPrůběžná電停付近にやってきた。案外今日はシュコダ低床車の運用が多く、2系統と22系統くらいしかT3の運用が見当

2022.11.16 Dresden

この日はプラハからECで2時間、ドイツ南部の街・Bad schandauに向かった。狙いはキルニッツシュタール鉄道という山岳トラム。駅からフェリーに乗り継ぎ、歩いて近くの丘によじ登って撮影地を探す。しかしカメラを構えて現れたのは、トラムのマークを掲げたバス。理由はわからないが終日ウヤ&バス代行だった。事前にダイヤを取り寄せた時にはそんなこと言ってなかったのに……。大きく肩を落とし、次善の策としてドイツ・ブレスデンへと足を向けた。 相変わらずの曇り空。ドイツの街を歩くのは初め

2022.11.15 Praha

朝までチェコ鉄道=České Dráhyを撮って回り、昼からは3度目となるプラハのタトラカーを撮ることにした。公共交通が大切にされているプラハの電車位置ナビサイトには、行き先や遅れはもちろん、何の車両が使われているかもわかる。これのČKDT3を探せばタトラに出会えるというわけだ。強い味方を携え肌寒い街へと繰り出した。 ますはこの日タトラT3が比較的多く運用に入っていた系統が行き交う交差点へと向かった。視界にトラムがいないことがないほど高密度で運転されるなか、T3も打率40%

2022.11.13〜15 České dráhy③

午後は091号線の俯瞰を巡る予定を組んでいたが、ヌケの悪さと想像以上の太陽の低さで、川沿いの撮影地はおおむね影落ち。仕方がないので再度転戦し、今度は北に進路を取った。向かったのは80キロ先のÚstí nad Labem。チェコでも名高い有名撮影地である。 ここはストジェコフ城バックで編成撮りできる場所である。ヨーロッパっぽい古城と、ヨーロッパっぽい車両のマリアージュ。実にいい雰囲気だ。機関車も特徴的。どうせ曇ってるし反対側を向いて重連貨物列車の編成撮りもできた。窯の混成もい

2022.11.13〜15 České dráhy②

プラハ郊外のホテルに泊まり、しっかり爆睡。朝飯もしっかり食べてからこの日も撮影に繰り出した。前日は南ボヘミア州方面を攻めたので、今日は北東部・Turnovとを結ぶ070号線を狙うことにした。この日も朝から霧模様。0度近くまで冷え込む内陸さを感じながら、車で北を目指した。 まずはHovorčovice駅近くでカメラを構える。後ろから現れた客車列車は、釜が後ろから押す運用。この路線では日常的らしい。続いての気動車列車も、気動車が客車を引いて運行していた。日本ではなかなかない光景

2022.11.13〜15 České dráhy①

2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻した。一報を聞いて膝から崩れ落ちたオタクがここにいる。キーウ、そしてハルキウのトラムを撮るべく旅行を企図していたからである。コロナ禍で海外に行けなくなり早3年。行かない理由を探すのは簡単だが、行けないばかりに取り返しのつかないことになってしまうと学んでしまった。 さすがにウクライナには行けないが、海外旅行を躊躇する時間などない。水際対策の緩和を確認し、11月11日夜に日本を出国、12日昼過ぎにチェコ・プラハに到着した。 プラハには

2019.10.11 Bratislava

ブラチスラヴァはスロバキアの首都である。隣国オーストリアの首都ウィーンから電車で1時間ほどの距離で、気軽に足を伸ばせる都市だと思う。もちろん、この街にもタトラは生きている。 ブラチスラヴァ中央駅からまず向かったのは、ブラチスラヴァ城を背負う電停。ヨーロッパらしい町並みと、特徴的な城の形が一枚に収まる。少し待つと、プラハと似ているようで少し違う赤いタトラが姿を見せた。 首都だけあって、大通りには中高層ビルが立ち並ぶ。チェコとは元々同じ国だったとはいえ、感じる空気や表情はプラ

2019.10.09 Riga

バルト三国のひとつ、ラトビア。その首都が港町リガである。旧市街が世界遺産にも登録されている美しい街並みは、歩くだけで心が躍る。この都市でもトラムは市民生活の重要な足になっている。前日夜、リガ国際空港に降り立った私はリガ中央駅前のホテルに到着。翌朝、カメラを片手に歩き始めた。 リガ市電には、T3とT6(リガではT3Mと表記)の2種の旧型車が活躍している。集電器がポールという他都市にはない特徴に加え、T3の一部車は系統番号の幕表示という姿を今でも保っている。魅力あふれる青い車体

2019.10.07 Liberec

プラハに宿泊した翌日、チェコ北部の都市リベレツを訪れた。リベレツには隣町とを結ぶインターアーバンのトラムがあり、その路線は路地を駆け抜けるという特徴を持つ。 プラハからリベレツへはチェコ鉄道を乗り継いで向かう。列車に揺られること2時間で、乗り継ぎの小さな駅Turnovに到着した。天気は文句なしの晴れ。駅撮りでも車両の魅力があれば画になる。もちろん、駅の魅力があってこその一枚だ。 リベレツトラム11系統その最大の特徴は、路地に敷かれた単線の併用軌道だ。リベレツ中央駅からおよ

2019.10.06 Praha

2019年秋、私は「タトラカー」と呼ばれる旧型路面電車の姿を求め、人生2度目の渡欧をした。タトラカーとは当時のチェコスロバキアのタトラ社が大量製造した車両で、現在でも丸っこいT3と、角っぽいT6のおおまかに2種類が東欧を中心に活躍を続けている。特にチェコは製造国とあってその勇姿をいたるところで見ることができる国だ。成田からドバイを経由し、ウィーンに着陸後、国鉄に揺られて4時間。チェコの首都プラハに到着した。 ホテルを出るやいなや勝利を確信する、そんな青空だった。まだ太陽の姿

2018.03.06 Praha

前日にいたブダペストからチェコの首都プラハへは夜行バスで移動。夜明けとともにプラハ中央駅に到着した。眠すぎる。天気はみぞれ。寒い。疲れた。何もやる気がでないまま、とりあえず荷物をコインロッカーに放り込んでトラム&地下鉄の24時間券を購入。眠いなりに動き始めた。 トラムの様子を伺い、地下鉄で適当に降りたのはPalmovka駅。どう読むのかどこにあるのかよくわからないが、降りたらトラムがあった。公式側ではないものの、2連タトラを横から撮影。寒すぎて撤退しようとしていると、車の音

2018.03.04 Budapest

リスボンを堪能した翌日は、同じくポルトガルにあるユーラシア大陸最西端のロカ岬を観光。そのままRenfe(スペイン国鉄)直通の夜行列車に乗り込み、マドリードでゲルニカを見てから、3月3日深夜にハンガリーの首都ブダペストに降り立った。この街もヨーロッパ屈指のトラム網があり、タトラT5やガンツ車が多数生き残っているという。翌朝、特にやる気のでない曇り空のもと街を歩き始めた。 街の中心にはドナウ川が流れ、その両岸沿いに走る線路は多くの車両が行き交っていた。なんとなく下りた駅は思いの