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大韓民国と私 #行った国行ってみたい国


#行った国行ってみたい国

生来、旅行といえば日本国内、それも鉄道と道路と船舶のみを手段と考えていた筆者。例外的に航空を利用したこともあったが、基本的に好きではなかったため、修学旅行などでたまたま乗ったに過ぎず、海外旅行など一生に一回体験するかどうかだろうな…と考えながら若年期を過ごしていた。(実に勿体無い)

その後大学生のとき、一度だけ経験しておこうと思った沖縄旅行で現地にドハマりし毎年通うようになり、航空利用もいつしか当たり前になっていった20代前半。

航空利用というハードルは克服したものの、海外旅行の機会は英語力を持つ伴侶氏と出会えた20代後半までなく、それも東南アジアを計3回訪れただけで、いろいろあって日本に埋没する30代を過ごした。

いちおうパスポートだけは所持して、いつでも外つ国へ飛べる環境にはあったものの、きっかけだけがなかったのだ。

転機が訪れたのは40代に入ってから。2014年の年末のこと。

その年末年始は伴侶氏と休みが合い、どこか旅先で新年を迎えようとなり、当初国内を探したもののいまいちしっくり来ない。

だったら近場の海外でもいいかも?という話になり、ネットで調べると東京-ソウルの往復が意外と安く、宿も結構なクラスのホテルがお値頃で予約出来たため、当時にして13年ぶりの海外旅行があっという間に決まったのだ。

1988年ソウル五輪の頃から、なんとなく興味はあるけど行くきっかけがない、まさに「近くて遠い国」だった韓国を訪れる機会がやって来たのだが、相も変わらず外交関係は微妙であるし、また日本国内の韓流ブームも一段落していた時期(だから安かった?)のため、日本人とわかったら嫌な目に合いはしないか?などという、一抹の不安を抱えたまま羽田からソウル行きの航空便に乗り込んだのは12月30日夜であった。

深夜に金浦空港到着、特になんの引っかかりもなく入国。最初に会った韓国人は、事前に日本から予約しておいたチャータータクシーの運転士さん。筆者も伴侶氏も韓国語はチンプンカンプンで、「日本語がわかる」条件での手配だったこともあり、実に会話が堪能で親切。見知らぬ国への緊張が少しずつほどけていった。

翌日の大晦日。

早速ソウルの街に出て、地下鉄に乗り、景福宮や明洞などを歩き回る。ここで我が脳みそが混乱しはじめる。

俗に「ハングル酔い」と言われる状況である。なんせ街並みも歩いている人たちの顔や姿も、クルマが右側交通なことを除けば東京と大差ないのに、そこいらにある建物の看板など、ハングル表記が何一つ読めないのだ。

それまでの浅い海外経験で訪れた国ではローマ字表記が主体だったため体験し得なかったこの状態は、まるでパラレルワールドに迷い込んだような気にすらなり、どういうわけか、それ以降一気に韓国の空気にハマっていったのだ。

結局、ソウルと大田を訪れたその初韓国旅行では、片言の英語と、アンニョンハセヨ・カムサハムニダの2文でなんとかやりすごしたのだが、こんな韓国や韓国語にリスペクトのカケラもない日本人旅行者に対し、現地の方々はおおむね親切で、当初抱いていた不安は全くの杞憂だったことがわかり、半ば申し訳ない気持ちになりながら帰国の途についた。

帰国後、すぐに次回の韓国旅行をその4ヶ月後の大型連休に予約して、新大久保や韓国人のマスター・スタッフがいる飲み屋にも通い出しはじめた筆者。

次は言葉も使いたい!と、NHKのラジオ講座や、YouTubeの無料講座で初級の会話と、ハングルの基本構造をなんとか叩きこんで訪れた2回目の韓国。まだ詰まり詰まりながらも、ハングルの看板や案内文を解読し、飲食店などで簡単な会話を交わせたのは我ながら成長を感じたものだった。

あれから早8年。途中3年ほどの不可抗力によるブランクがあったものの、初回から数えて17回、韓国の地を旅してきた。

平昌五輪観戦や、ソウルプライドパレードへの参加などスペシャルなことも、チムジルバン入浴(スーパー銭湯のような施設)やプロ野球観戦など、地元の人たちと肩を寄せ合う日常的なことも体験し、北はDMZから南は釜山・麗水まで各地を観光し、さまざまなうまいもんにも巡り会ってきた。

さらに、とあるところで不注意で脚を負傷し、韓国の救急車と病院を体験する数奇なアクシデントもあったが…汗

いずれの機会でも、韓国の方々はフレンドリーな人が多く、たくさんの親切に助けられてきた。本当にありがたい。また、何人か、今でも日常的に連絡を取り合う友人もできた。

これからもさらに韓国語や韓国の文化を学び、まだ行けていない済州島なども含めて旅をする機会を得たい。

そして、これらの筆者の行動が、韓国と日本の友好をさらに深めるための小さなチカラになればな、と心より思う。

旅は行ってみないとわからないものだ。

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