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Vol.2 『商店街の歴史と現状』

みなさん、こんにちは。

前回のVol.1では、作品の全体概要やテーマ選びのきっかけについてお話ししました。


そして今回は、
商店街ってそもそもいつから始まったのか?
商店街の現状
についてお話しできればと思います。

商店街の歴史

みなさんは、知っている商店街をいくつ挙げることができますか?
覚えている限りの商店街を数えてみてください。

私は10、母は28、父4、弟は5か所でした!
(母は仕事柄いろいろな場所に行くので、多く挙げることができたみたいです。)

思い出してみると意外と少ないことに驚きますが、実際に全国にある商店街の数は中小企業庁(2021)によると、なんと13,408件

かなり多く感じますが、いったい、どのようにここまで広がっていったのでしょうか。

商店街の始まり

正木久仁、杉山伸一(2019)は、
安土桃山時代に、楽市楽座が開かれた交易活動が盛んになり、常設店舗が連なる通りが出現しましたと言及しています。

また、明治時代になって、西欧から新しい物品が入り、流通、商業に大きな変化を及ぼした要因が以下の通りだと考えられています。

商業活動にかけられれていた諸制限が解かれたこと
②生産が拡大するとともに工場を中心とした近代生産体制へ変化したこと
③鉄道などの輸送交通機関の近代化


そして、昭和に入る頃には、大正時代につくられるようになった百貨店と従来からある商店街が対抗していました。

百貨店は増改築や売り場拡大と共に新商品の取り扱いも拡大し、出張販売による顧客獲得も進め、このような動きに対して、商店街は危機感を抱き、反百貨店運動が活発化しました。

戦争の時代

東京都慰霊碑


1930年代からは戦争の時代に入り、戦争末期には空襲による被害も重なって、商店街も壊滅状態となりました。

そして1950年代には、朝鮮戦争を機に日本の経済が上向きになり、生産・消費ともに増加し、各地に商店街が形成されるようになったのです!

バラック小屋(イメージ)

また、谷中銀座商店街振興組合(1987)は、
終戦前から無いはずの食糧、生活物資は盛り場や駅前に出現した「闇市」では盛んに売られ、バラック建ての商店や露店の出現が、徐々に商店街としての基盤を形成していったと言及しています。

そして、商店街や百貨店だけではなく、時代の移り変わりとともに商業形態は様々になっていきました。

商業施設と販売方法の多様化

スーパーマーケット、年中無休で長時間営業のコンビニエンスストア、ドラッグストアやホームセンターなどの専門量販店、ショッピングセンター、100円ショップなどの均一販売店、近年では無人冷凍食品販売店などと、商業施設は多様化しています。

また、コロナウイルスの影響で巣ごもり需要が高まり、EC(※¹)業界も賑わいを見せており、実店舗に行かなければ買えないものもありますが、私は通販で買い物は済ませてしまうこともよくあります。

このように商業施設や販売方法が多様化する中で、市民の求める利便性や、期待は大きくなり、それに追いつけず、消えてしまう個人商店は少なくありません。
中小の個人商店は商店街の最も中心的な存在であるため、退店した場合に衰退がより目立つようになってしまいました。
そして、1994年に初めて日本商工会議所が空き店舗調査を実施した結果、商店街の空洞化に歯止めがかからない状況にあることが分かりました。

商店街の現状

中小企業庁では3年に一度、全国の商店街に対し、景況や直面している問題、取り組んでいる事業等について調査を実施しています。
この調査を基に、商店街の現状についてお話していきます。

商店街の種類

まず、商店街にも種類があり、4種類に分類されます。

・日用品を徒歩や自転車などにより買い物に行く近隣型商店街
・近隣型商店街よりもやや広く、バスなどでも買い物行く地域型商店街
・百貨店などの大型があり、買回り品が多い広域型商店街
・百貨店だけでなく、高級専門店を中心に遠距離から来街する超広域型商店街

平均店舗数からみえる課題

これらの種類別商店街の特徴を踏まえて、平均店舗数を見ていきます。

図1 1商店街あたりの平均店舗数

図1を見ると、6年間にわたり超広域型商店街の平均店舗数は増え続けているのに比べ、規模が小さい近隣型商店街や地域型商店街の平均店舗数は減少していることが読み取れます。

これらの結果から私は「個性ある商店街が失われつつあるのでは」と危機感を覚えました。
なぜなら、超広域型商店街はチェーン店が多いのに比べて、近隣型商店街は個性豊かな個人経営の商店が多い為です。

そして、平均店舗数の減少は、空き店舗が増加していることを意味しており、商店街の存続に関わる深刻な問題だと考えました。

今回はここまで!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回は、商店街の問題について深堀し、
「Vol.3『商店街が衰退していく理由』」
というテーマでお話したいと思います!

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※¹ 「Electronic Commerce」の略で、ネット通販、ネットショップなどがこれに該当する。

《参考文献》
・正木久仁、杉山伸一(2019)『47都道府県・商店街百貨』.丸善出版
・谷中銀座商店街振興組合(1987)『谷中銀座の歩み』.谷中銀座商店街振興組合
・中小企業庁(2022).「令和3年度商店街実態調査の結果を公表します」.中小企庁https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2022/220408shoutengai.htm ,参照 2022-11-18).

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