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英語の略語abbreviations:頭文字語acronyms, 端折りclippings, 混成語blends(その2)...インターネットで大増産、Abbreviation.comなどの辞書サイトも


インターネット情報交換で英語の略語abbreviationsは更に増える


その1)の続きです。(その1)冒頭述べたように、インターネットの普及で情報化が進み、迅速かつ効率の良い情報交換が求められabbreviationsが増えつつあります。とりわけ、メガ言語化した英語においてはその傾向が強いと見え、インターネットで"abbreviations"と入力してみると、本稿執筆中の2018年2月9日現在で5,700万以上ものヒット数がありました。インターネット時代の英語におけるabbreviationsのバイタリティ(vitality)(*8)の高さが伺い知れます。関連サイトの中から、多くの領域を網羅し、かつ見易そうと思えるサイトをピックアップしてみました。(*9)読者も開いてみてください。

Abbreviation.comなどの検索エンジンサイトに刻々と記録される

Abbreviation.comの冒頭にある"Welcome to Abbreviations.com"の項目では、このサイトはインターネット上に飛び交うabbreviations, acronyms, initialismsのサーチエンジンそして辞書として最も規模が大きいと述べています。世界中の人々に呼びかけてabbreviations, acronyms, initialisms(頭文字語のうちNATO/laserのように1語となったもの)を上げてもらっているようです。"passionate editors"の項目をクリックすると、数多くの例を提供している学会や業界の人々が紹介されています。

大きく下記(1)~(10)までの10項目に分け、更にそれぞれを複数のサブ項目に分けてインターネット上で刻々と集められる膨大な数のabbreviationsを分類しています。以下、サイトをそのまま引用しますので、読者は関心あるカテゴリーをクリックして見てください。


(1) Academic & Science:
Amateur Radio, Architecture, Biology, Chemistry, Degrees, Electronics, Geology, IEEE, Mathematics, Mechanics, Meteorology, Ocean Science, Physics, Universities

(2) Business & Finance:
Accounting, Firms, International Business, Mortgage, NASDAQ Symbols, NYSE Symbols, Occupations & Positions, Professional Organizations, Stock Exchange, Tax

(3) Community:
Conferences, Educational, Famous, Film Censorship, Genealogy, Housing, Law, Media, Museums, Music, Non-Profit Organizations, Religion, Schools, Sports, Unions

(4) Computing:
Assembly, Databases, DOS Commands, Drivers, File Extensions, General, Hardware, Java, Networking, Security, Software, Telecom, Texting, Unix Commands 

(5) Governmental:
FBI, FDA, Military, NASA, Police, State & Local, Suppliers, Transportation, UN, US Gov.

(6) Internet:
ASCII, Blogs, Chat, Domain Names, Emoticons, HTTP, MIME, Twitter, Wannas, Websites

(7) Miscellaneous:
Chess, Clothes, Coins, Construction, Days, Farming, Food, Funnies, Gaming, Hobbies, Months, Photography, Plastics, Sci-Fi, Unit Measures, Journal Abbreviations 

(8) Regional:
Airport Codes, African, Alaska, Australian, Canadian, Cities, Countries, Currencies, European, Language Codes, Railroads, Tel. Country Codes, Time Zones, US States.

(9) Medical:
British Medicine, Dental, Drugs, Hospitals, Human Genome, Laboratory, Medical Physics, Neurology, Nursing, Oncology, Physiology, Prescription, Veterinary.

(10) International:
Arabic, Dutch, German, Greek, Guatemalan, French, Hebrew, Indonesian, Italian, Latin, Mexican, Polish, Romanian, Russian, Spanish, Tamil, Thai, Turkish.

»- 以上上“Abbreviations.com”(https://www.abbreviations.com)より

Academic & Scienceの項目ではQuirkらのacronyms[A]タイプalphabetism[i]initialismが圧倒的

最初の“Academic & Science”の項目を開き、幾つかの項目を簡単にチェックしてみました。リストされている例の数があまりにも多くて全部チェックできませんが、Quirkらが言うacronymsの[A]タイプalphabetismの[i]に分類されるinitialismが圧倒的に多そうです。他のカテゴリーではどうでしょうか。残念なことには"International"の項目で、先進国Japanからのこのサイトへの発信が無いのか、"Japanese"というサブ項目がありません。私的な一サイトで気にすることは無い、と言ってしまえばそれまでですが、先進国でありながら日本は英語発信力にやや欠けているのではないかとの懸念は残ります。少なくとも"Miscellaneous"の項目に日本のポップカルチャーを代表する"Manga"とか"Animation"のサブ項目を設けさせたいですね。(*10)

(その3)に続きます。


(*8)言語学(特に社会言語学)でよく使われる概念で、言語社会における言語変種の活発性を指す指標です。筆者は1970年代に受けた社会言語学の授業で首都ワシントンにおけるAfrican American Englishのvitality調査を行ったことがあります。1979年の春には旅行先のFrench–Flemish Bilingual 特区Brusselsの両語のvitality調査を行いました。
(*9)筆者自身このサイトのようなプロジェクトを始めようとしたことがあります。毎年1,200名以上受講したプロジェクト英語の学生が協力すれば相当な成果が出ると期待しましたが、定年退職の為に実現できませんでした。
(*10)こうした私的なサイトで飛び交う語彙・表現が人々に認識され受け入れられてグローバル英語の語彙になります。企業や機関や学校などの名称にacronymsを使用する場合、日本でオーケーでもグローバル社会ではタブー視されるケースがあります。例えば、日本のある教育機関の名称として使われているacronymに、アメリカで1970年代のコメディアンGeorge Carlinが“The seven words you can never say on TV”で取り上げた7つの放送禁止用語の一つを連想させてしまうものがあります。他にも、他が使っていて商標権が取れないという場合もよくあります。最初に商標権を取った方が勝ちです。

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