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嫌なこと を聞く面白さ

「嫌なこと」について話すのもけっこう面白いなと思った話。

を書いたんですけどちょっと支離滅裂になってしまった。まぁいいや。長いです。

朝、最近SNSで話題の漫画について語るラジオを聞いていた。この漫画、私もつい最悪なもの見たさで読んでしまった。

あらすじとしては、パチンコにはまって作った借金を残して浮気相手と失踪した妻を、主人公が子供と一緒に探しに出るというところから始まるのだけど、もろもろあって主人公もパチンコにはまってしまい、お金はなくなるわ子供は学校でいじめられるわ、とにかく最低ダメダメ人間へあれよあれよと転落していく様子がほのぼのファミリーエッセイみたいなタッチで描かれている。

とにかくずっと最低のエピソードを、ポンポーンと軽妙なテンポで繰り出してくるわけなんだけど、ラジオでは「どのシーンが1番最悪だったか」ということが語られる。
面白いものについて語ることはあれど、嫌なものの中でどれが1番嫌で、なぜそう感じたか、を話すことってあんまりないから面白かった。良かった部分を語るのを聞く時よりも、人それぞれの感受性の違いを新鮮に感じ取れた。

例えば私は万引きという犯罪のどこに腹が立つかと言われたら、バレないように盗ってやろう、という犯人のその性根だ。
犯罪者のくせに、悪いことなんてしてませんよ、というふりをしてコソコソする、その中途半端でしょうもない人間性に呆れてしまう。まだ思いっきり武装してかっさらっていく強盗の方が真っ直ぐというか、堂々としているだけマシだとさえ感じる。(私の感じ方であって犯罪の程度としてどっちがどうとかいう話ではない。)

でもそうではなくて、商品を作った人やお店の人のことも考えずにそんなことをして、という所に一番腹が立つという人もいれば、育てた親のことも考えろ、とか、法律をまもれ!とか、多分人によって一番イヤイヤポイントみたいなものは違って、それって結構面白いな、と思ったのでした。

何か作品について語るとき、あえて嫌な部分にフォーカスして語るのも面白いと思う。
それを作品に対する評価とするのではなくて、自分はどう感じたか、を語るという点では、良かった部分を語るのと同じくらい興味深い。

この漫画、たしかに展開は最悪なんだけど妙に軽快なテンポがあってスルスルと読めてしまった。が、めちゃくちゃ嫌な気分になる人もいると思うのであまりおすすめはしませんが……

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