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~「トンデモナイ未来をつくろう、TONDEMO LIFE FACTORY生まれる(後編)」~

こんにちは。『日テレR&Dラボ』です。

今回も、私たちが1年ほどアイデア共創をしてきた、Panasonic Design FUTURE LIFE FACTORY(以後FLFと表記します)の皆さんとのコラボレーションについてお届けしていきます。

このコラボレーションには名前がついています。
その名も「TONDEMO LIFE FACTORY」
日テレR&DラボとPanasonic Design FUTURE LIFE FACTORYのお互いの持ち味を活かして、一見とんでもないアイデアだけど、社会の課題解決にもつながるような面白いものを生み出そうという志をもって活動しています。

このチームで実際に「あるプロトタイプ」を制作中なのですが、それについてはあともう少しで公開できると思いますのでお楽しみに。

今回も、TONDEMO LIFE FACTORY(以下TLFと表します)について参加メンバーの座談会形式で話していきます。

前編・中編で出た話題は…
<前編>
■TONDEMO LIFE FACTORYが生まれた日
■コロナ禍の課題を解決しよう!「ソーシャルディスタンスの空き地活用」


<中編>
■最も盛り上がったテーマ!?「恋のニューノーマル」とは?
■驚いた!ブレスト手法がまったく異なる日テレとPanasonic
■「ラテ欄文化」で鍛えられた?テレビ局が生み出したシンプルなテーマ発想法

中編では、最も盛り上がったテーマ「恋のニューノーマル」の話から、意外にも全く異なった両社のブレスト手法などをお話してきました。


後編は、お互い社内で異質なラボ組織同士だから分かる「大事なこと」は何か?そして、常に短期勝負だったテレビ局が今新たに向き合わなければいけないコトへと話が進みます。

■端っこラボ組織に大事なこと…「社内発信」&「協力者を増やす」!

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西(日テレ):パナソニックさんは色々なところと共創をしていると思いますが、日テレR&Dラボってどう見えてましたか?

白鳥(FLF):前回、私と東江が話してたんですけど、FLFはパナソニック本体から見ると何かアンダーグラウンドな生き物たちの集まりのような、そんな存在なんですよね(笑)
なので最初にR&Dラボの皆さんと会ったときは「メジャーな人が来たぞ!全国に影響を及ぼしている人たちが来たぞ!なんだ?なんだ?」みたいな感じで(笑)

一方で、正直テレビのR&D組織ってどんなことしてるんだろう?とちょっと不思議だったり。最初はちょっとドキドキしましたけど、お会いして話してみたら、テレビを超えた新しいコミュニケーションを考えていきたいってことで、それなら相乗効果が得られそう!って思いました。

加藤(日テレ):そういう意味では、僕ら「R&Dラボ」も日テレの中ではちょっと変わった存在ですね。
日テレって本業はやっぱり放送なので、テレビのディスプレイから飛び出たところで何かやろう!って、なかなか思わないんですよ。仮にやろうと思っても、リソースもないし、実際のモノも簡単には作れないですし。でもR&Dラボはそういうところに挑戦したいと思っていて。そんな時に、パナソニックさんとタッグを組めるのは、私たちとしては「めちゃくちゃすごいパートナーに出会ったぞ!」って期待が膨らみましたね!

白鳥(FLF):隣の芝生は青く見えるかもですが、お互い似たような環境なんですかね~。

加藤(日テレ):本流じゃない新しいことにチャレンジするラボ的な組織って、まずは「社内の理解を得る」ことがとっても大事ですよね。

白鳥(FLF):その通りです!社内の人に「え、そんな部署あるの?」っていまだに言われちゃうと「あ~っっ」て思います。なので社内発信として、よく取り組み内容とかをポスティングしてますよ(笑)社内の認知や、協力者を増やすことは実はとっても大事ですよね。

加藤(日テレ):僕たちも少しずつ今回のTLFというパナソニックさんとの共創プロジェクトのことを社内に紹介しながら、一緒にやってみたい!っていう仲間を見つけたりしています。そうすると応援してくれる人や、自分から手を挙げてくれる人も出てきたりして、自然と輪が広がっていきますね!

白鳥(FLF):そういう意味では、お互いちょっと変わったラボ組織同士だからこそ、企業文化の枠を超えて相乗効果を生み出せるのかもですね!

■「一瞬」が勝負だった「テレビ局」が変わる時~いつまでも陳腐化しない「本質」に向き合う時代へ~

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白鳥(FLF):ふと思ったんですが、私たちの作っている商材は寿命が長いんですよね。
なので、先を見ながらちょっとずつ作っていくことが多いんですけど、テレビコンテンツって寿命というか「旬」がすごく一瞬一瞬な気がして、私たちから見るとそんな短いスパンで何かをつくるって、すごいなという感覚があります。

そんな中でR&Dラボさんがミッションとして「長期のことを考える」というのは、今までの業務とのギャップがすごいんじゃないかと思うんですが、どんな感じなんですか?だいぶ混乱すると思うんですが・・・。

加藤(日テレ):するどいご指摘です。
実は数年前までは、テレビの世界はあまり長期のことを考えてこなかったんですよね。
でも、テクノロジーや生活者の環境や、メディアの環境もどんどん変化していくなかで、会社としても危機感をより強く持って、中長期戦略の視点で考え始めようと5年前くらいに立ち上がったのが「日テレラボ」という部署だったんです。

ここには土屋さんと私も所属していたんですが、そのミッションが「R&Dラボ」という組織になって、さらに明確化した感じでです。

土屋(日テレ):テレビってもうすぐ70年ぐらいの歴史になるじゃないですか。そのうちの50年は、ほぼ右肩上がりでずっときていて、長期的なことも考える必要がなくて、目先の視聴率を取ることを50年くらいずっとみんなで全力でやってて。

そこからインターネットが出てきて、YouTubeが出てきて、NETFLIXが出てきた中で、もはやTV is Kingじゃないことに本格的に気が付いて「このままじゃ本当にやばい!」って動き始めたのが実際5年前で、今その渦中にあるんですよね。

そういう、「考えなくてはいけない時間軸の違い」ってパナソニックの中にもあるんですかね?短く考えるプロダクト、すごい中長期でとらえるプロダクトとかってあるんですか?

白鳥(FLF):ありますね。家電はだいだい3年から5年使いますが、私たちの中ではサイクルが短いプロダクトになります。それに比べて私や東江が居た住宅系は、15年とか20年とか結構サイクルが長いんです。

でも何かを作ってる最中に法改正があると仕様が変わったりするので、長い目で見過ぎているとトレンドが急に変わったときについていくのが大変だったりします。

土屋(日テレ):会社の中に色んなサイクルのものが存在してるから、お互いに横で見ながら「サイクルが違うものへの視点とか思考法」みたいなことを感じ取ってるんですかね。

白鳥(FLF):そうですね。

土屋(日テレ):テレビの番組制作って基本的には1つのサイクルしかなかったからね(笑)
昨日の視聴率がすべてのサイクルだったりするから。

マイケル(FLF):それは早いサイクルですね(笑)みんなは好き嫌いあるかもしれないけど、私は早いサイクルが好きです。去年、テレビとかオーディオから、シェーバー系に担当が変わって、サイクルが1年から2年~3年になって(笑)逆にしんどかったりします。

西(日テレ):バラエティーやドラマは、基本的には週1回放送なので、1週間ごとの全力疾走を毎週続けて365日走り切るような感じなんですね。長寿番組は何十年もそれの繰り返しなんですよ。

新規の番組や企画を0→1でつくることと、既にある番組を走らせながらどんどんクオリティーを上げていくことの脳の使い方の違いはあったりしますが、それくらいがギリギリ、テレビ局の人間が対応してるスピードのバリエーションなんですよね。

でも競争相手が限定されていた時代は終わって、ネットの登場で競争相手が無限になった今だと、それ以外の手法を学ばないとダメですよね。

白鳥:改めて、R&Dラボさんは私たちとはまた違う「重たいミッション」を背負ってるだなと思いました。

西(日テレ):考え方によっては重たいんですけど、でもそういうことを楽しめる人たちを会社が集めてくれているので有難いです。

久野(日テレ):でも、R&Dラボの悩みとしては「中長期」で新しい企画とか何かを考えるときにも、どうしても近いところでの利益とか、これはすぐに役に立ちますみたいな感じで考えてしまう癖が染み付いてるんですよね。本当の意味で長期が見えてない気がして・・。

白鳥(FLF):なるほど。逆に私たちだと、短期的な話をすると、「それって今の話だよね。今の話だったら製品を出す頃にはもう陳腐化してるよね」となることがすごく多いんです。だから、そういう両社のサイクルの観点の違いとかも今回のプロジェクトに影響があったと思うとまたちょっと面白いですね。

西(日テレ):それはあったと思いますね。いろんなアイデア出しの中で今抽出されているものっていうのはお互いの円が重なるギリギリのところでやってるんだろうと思います。
僕らはFLFさんが持っている「陳腐化しちゃう」という感覚をもっと持たないとまずいですよね。

東江(FLF):流行とかももちろん大事なんですけど、「これからの未来を考える」場合にはどこか人間の根源的な「課題」や「欲求」、「本質」に向き合うことが大切だと思ってます。

西(日テレ):SDGsのムーブメントとかでも感じますが、今って若い人たちの方が積極的に「本質的なもの」を大事にしようとしてますよね。こういうコラボレーションを通じて、私たちもそういう感覚を磨いていきたいですね!

加藤(日テレ):今TLFでプロトタイプ中のアイデアも、そういう生活の中の根源的な「課題」に対応できないかな?というところから生まれたものなんですよね。

近いうちにお披露目できると思いますので、是非若い世代や、いろいろな方に体験してもらって感想を聞いてみたいですね!

白鳥(FLF):完成まであと少しですね!大変ですけど最後まで頑張ってみんなでやり抜きましょう!!!