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High Jumpの読書記録~フィッシュストーリー~(ネタバレあり)

High Jumpの読書記録のコーナー!

今回紹介するのは、伊坂幸太郎先生の「フィッシュストーリー」です!

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自己紹介記事にも書いていますが、自分は伊坂幸太郎先生の大ファンです!
6年前に「ゴールデンスランバー」を読んで、なんだこの作品は!と衝撃を受けたことを覚えています。
その後は古本屋に行って本を買う際は、伊坂先生の本を必ず1冊買うようにしています。それでも今回の「フィッシュストーリー」で10作目になるのでまだまだにわかファンです(笑)

この本は4本の短編小説集になっています。
深夜の動物園で毎晩うつ伏せになって寝ている男の謎に迫る「動物園のエンジン」、他作品でも登場している黒澤が、山奥の村の奇妙な風習に遭遇する「サクリファイス」、ある小説のフレーズを軸に、様々な人と時代が交錯し、繋がっていく「フィッシュストーリー」、空き巣犯と落ちぶれたプロ野球選手の隠れた関係性に迫る「ポテチ」の4本。

短編小説は読み応えに欠けるからと、敬遠してきましたが、読んでみると心配していた読み応えのなさはあまり感じず、むしろ話が区切りよく終わるので、気持ちが切れることもなくいつもよりもテンポ良く読めた気がします。
手軽に伊坂ワールドを楽しんだ感じです。これを機に、敬遠してた「逆ソクラテス」も読んでみようと思いました(笑)
個人的には後半の2つ、表題作である「フィッシュストーリー」と「ポテチ」が面白かったです。

以下作中で印象に残った部分を2つ紹介します。

まず1つ目は表題作である「フィッシュストーリー」から。
飛行機で帰国中に隣の席の瀬川と名乗る男性に話しかけられる橘。話を聞いていると、瀬川は自分は正義の味方になりたかった、というか、父にそのように言われて育てられてきたのだという。ただ、父の言うその正義の味方とは、警察官や消防士や弁護士という、職業や肩書きではなく、強い肉体と動じない心。それを身につける準備こそが必要だ、という。そんな会話の後、トイレに行くと言い、席を立つ瀬川。その後機内にハイジャック犯が現れるのだが、トイレから出てきた瀬川は動じることなく、ハイジャック犯を倒してしまう。これはその後の一文です。(以下本文より抜粋)

ハイジャック犯が計画を立てるずっと前から、瀬川さんの準備はできていたのだ。

人は、決まっている予定のために準備をすることはできます。例えば○○の試験が○月○日にあるから合格できるように勉強するとか。(自分はそれでもなかなか準備ができない人間ですが(笑))しかし、いつ起こるか分からないことのために、日々準備を怠らないというのは困難で、それができるのは、瀬川さんのような強い心を持った人間しかいないのではないか。と思ってしまいます。それができていたので「正義の味方」になることができたんですね。
自分もデートがあるから準備をするのではなく、いつデートがあっても良いように日々準備をしようと思います(笑)

2つ目は「ポテチ」から。
思い立ったらとりあえず、考えずにすぐに口にしたり、行動に移す空き巣の今村。先輩の空き巣である黒澤の車の中で彼女である大西とポテトチップスを食べながら言ったセリフです。(以下本文より抜粋)

「ポテトチップスって、複数形だから、これ1枚1枚はポテトチップっていうのが正解なんでしょうね」

自分はこれを読みながら少しクスッとしてしまいました。空き巣という犯罪をしている悪い男であるのに、どこか憎めない。そんな伊坂作品の特徴であるキャラクターが全面に出ていて、面白かったです。
皆さんもポテトチップスを食べているときに「ポテトチップスちょーだい」と言われた際には2~3枚、「ポテトチップちょーだい」と言われた際には1枚を相手に渡すようにしましょう(笑)

伊坂ファンとしてはもう少し読みたいなあと感じることはありましたが、友人、知人を伊坂ファンにしたいって人には、取っつきやすくて伊坂先生の良さも出ているこの「フィッシュストーリー」をオススメすることをオススメします(笑)
にわか伊坂ファンなのでこれからも伊坂先生の未読の作品を読んでいき、
その際にはまたここで、感想を書いていこうと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ではまた次回、バイバーイ


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