【ARRとMRR】#21

SaaSについての勉強で、CloudFit社の記事が非常に参考になったので
主に引用ですが、学んだことを投稿します。


ARR(Annual Recurring Revenue)とは

毎年くり返し得られる売上のことで、「年間経常利益」や「年間定期収益」とも呼ばれます。サブスクリプション(継続購入、月額/年額制)のサービスによる1年間の売上がこれに含まれることから、特にSaaSビジネスで重要な指標です。

MRR(Monthly Recurring Revenue)とは

毎月くり返し得られる売上のことで、「月次経常収益」や「月間定期収益」とも呼ばれます。ARRの月間バージョンと考えるとわかりやすいでしょう。MRRに12ヵ月をかけると、ARRになります。

ARRと同じくサブスクリプションのサービスによる売上がこれに含まれ、同じくSaaSビジネスで重要な指標です。

ARRとの関連性が高い指標

・解約率
解約率(チャーンレート、CR)は名前の通り、サービスがどのくらいの割合で解約されているかを示す指標です。月ごとに計測・比較するのが基本で、新規獲得数を増やすよりも、解約率(数)を下げる方が重要ともいわれます(※)。
一般的に、解約率は10%以下であるべきとされていますが、同業種・類似サービスの解約率と比較することも大切です。

・客単価
客単価とは、ユーザー一人あたりの平均売上を示す指標です。ARRやMRRは「顧客数×客単価」で決まること、新規獲得よりも既存顧客に販売する方がコストがかからないことから、積極的に見直していきたい指標といえます。

・CVR
CVR(コンバージョン率、顧客転換率)とは、見込み客からどの程度の成果が得られるかを示す指標です。「PV数に対するリンククリックや問い合わせの割合」などが一般的ですが、ARR・MRRにおいては、見込み客から収益に貢献する顧客が生まれる割合を示します。

・LTV
LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)とは、いち顧客が自社と契約してから解約するまでの間に得られる収益の合計を示す指標です。客単価を高めたり解約率を軽減(≒契約期間を延ばす)したりすることで向上します。

・CAC
CAC(顧客獲得費用)とは、いち顧客を獲得するためにかかる費用のことです。広告やマーケティング・営業にかかる総費用を、新規獲得数で割ることで求められます。

ARRがSaaSビジネスにおいて重要な理由

・安定して得られる収益であるため
・KPIや共通目標の設定に役立つた
・投資家にとっての判断材料になるため

ARRの計算に必要な、4種類のMRR

New MRR
新規顧客から得られるMRRを指します。新規獲得に力を入れているタイミング、特にサービスの開始当初では重要な指標です。

Downgrade MRR
既存顧客のダウングレードにより減少したMRRを指します。これが高いということは上位プランの設定や内容、価格に問題があるということです。

Expansion MRR
既存顧客のアップグレードやアップセルにより増加したMRRのことです。ユーザー数が増えてきたら力を入れたい指標で、既存顧客に対するマーケティングや上位プランの内容を見直すことで高められるでしょう。

Churn MRR
その月に解約した顧客から得られていたMRRのことです。先述の「5:25の法則」からわかるように、解約率の軽減は重要です。Churn MRRには常に気を配りましょう。

ARR・MRRの計算方法

MRRの計算式

・基本的なMRRの求め方:月額の客単価×客数
・契約期間を計算に入れたMRRの求め方:月額の客単価×客数/契約月数
・今月のMRRの求め方:前月のMMR+(New MRR+Expansion MRR-Downgrade MRR-Chum MRR)


ARRの計算式
・MRR×12

ARRはこれらの計算式で求められますが、計算に含める要素と含めない要素があること、基準とする月によりARRが変わることなど注意点もあります。

ARRとMRRのどちらが重要なのか

SaaSビジネスにおいて、ARRもMRRも重要な指標です。しかし、ビジネスのモデルや特長によって、どちらがより重要なのかは変わってきます。

ARRが重要なケース・ビジネスモデル

年間契約が多い
企業としての成長率を把握したい
顧客の定着率(解約率)を把握したい

MRRが重要なケース・ビジネスモデル
サービスの成長率を把握したい
売上アップの要因を分析したい
月間売上の増減が安定していない

ARRを成長させるためにできる5つのこと

1.まずは「LTV>CAC」の図式を成り立たせる
2.問い合わせやサポート窓口の設置、品質向上
3.FAQを設置・充実させる(解約抑止、CVRアップ、CACを上げずに済む
4.各種マーケティング施策の強化
5.MAやCRM/SFAなどのツールの活用

SaaS上場企業 ARRランキング

Next SaaS Media Primary | 運営 早船 明夫さんのnote記事を参考に
24年7月と22年7月の数字を比較します。

https://note.com/_funeo/n/n0c819ad12a94
https://note.com/_funeo/n/n06517f3bddb5

MRR・ARRが高いほど、成長率は鈍くなると思いますが、
ラクス、マネーフォワード、弁護士ドットコムなどは高い成長率を維持しており、事業の好調性が伺えます。

今後も業界の知見を深めるとともに、SaaS業界に注目していきたいと思います。

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