卒業設計コンペ〜Diploma×KYOTO編〜

2020年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、久ぶりのnote投稿です。
最近、仕事が忙しく全く記事を投稿できておりませんでした。

今回は、卒業設計も佳境に入り卒業設計コンペの時期がきましたので私も参加した、毎年行われている「Diploma×KYOTO京都建築学生之会合同卒業設計展」について過去の記憶を振り絞って記事を書こうと思います。

どんな雰囲気でどのように進行し卒制コンペが行われるのか、今から参加される方の参考になれば良いと思っています。

私が参加したのは3年前の「Diploma×KYOTO’17」めっちゃ前ですね。
なので参考にならないかな.......いや、コンペ全般に共通する物があるので読むことをおすすめします。
※当時の経験談なので今年開催される同コンペと異なる点が多々あります。

1.「Diploma ×KYOTO」とは

「Diploma×KYOTO」は学生のみよって企画・運営され今年で29回目?になる卒計展です。今年2020年2月22日〜24日に京都みやこめっせで開催します。


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▲引用1:「Diploma×KYOTO'20」ポスター

私が参加した年は167  作品が出展していました。去年の「Diploma×KYOTO'19」も見にいきましたが年々参加人数が減っているように思います。今年は123作品だそうです。少子高齢化もコンペの参加人数に現れているのでしょうか....

「Diploma×KYOTO」の一つの特徴は審査期間が三日間あり、日によって系統の違う様々な審査員が審査するということです。
下記は「Diploma×KYOTO'17」の審査員方です。

1日目の審査員
「世代の異なる建築家」

審査員長:北山恒氏
審査院:西澤大良氏、五十嵐淳氏、家成俊勝氏、藤村龍至氏

2日目の審査員
「建築家、ランドスケープデザイナー、彫刻家等様々な分野からの審査」

審査委員長:門内輝行氏
審査員:忽那裕樹氏、宮城俊作氏、齋藤精一氏、名和晃平氏

3日目の審査(年ごとに審査形式は変わるようです。)
来場者・学生投票

2.審査開始

審査は朝から審査員方による巡回審査が行われます。パネルディスカッションなど巡回中の説明などはしません。167作品も卒計を見ないといけないので作品を見る時間は1分も満たない(歩く・メモする時間も含め平均30秒ほどではないでしょうか)と思います。いかにメインパースで惹きつけるか、そして下部に描くダイヤグラムにいかに本作品を集約、説明できるかファイナルに残る鍵かと思います。

その後、審査員方はバックヤードでファイナルに残すお気に入りの作品を選出します。

審査結果はお昼休み後会場で名前が呼ばれすぐにファイナルプレゼンが開始します。

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▲当時のタイムスケジュール(2日目しかありませんでした。)

3.ファイナル作品の傾向(他卒計展共通)

ファイナルに残る系統を見ますと、あまり作品に偏りが無いように選別されているようでした。

例えば、
・グローバルな集合住宅
・プロトタイプ(未来に向けた提案)
・住宅(記憶や物)
・町を絡めた学校(地域系)
・都市スケールな提案(インフラ、商業)
・用途変更・リノベーション(再生)
・物語の空間化(芸術系)

上記を見ますとテーマや規模などにばらつきが見られます。
「仙台デザインリーグ卒業設計日本一決定戦2017」もそうでしたが、各ジャンルの一位を決めファイナルで戦わせる(議論する)ことが多いそうです。その方がいろいろな視点で議論が行えるからです。

まず、ファイナルに残るには各ジャンルの中で、「新規性、造形、表現」などを整理しプレゼンで伝えます。同系統の作品が並んだ時、その中で1位に選ばれるようなテーマや印象を与えることが大切です。
今年から卒業設計を行う方は、あるジャンルの中で1位を取れるようなテーマと方向性を選ぶことができればファイナルに残ることができるかもしれません。

4.ファイナルの裏側

私はファイナルの8選に選出されましたが、実は同系統(芸術系?)の中で2位でした。1位の子が不在だった為繰り上げでファイナルに選出されたようです。なので、少しでも可能性があるので最後まで会場にいましょう。(個人賞などがあるコンペは共通です。最後に名前が呼ばれる可能性があります。)

私はもともと2日目の名和さんを狙っていたので1日目に入ってラッキーと思いました。

審査の流れはファイナリストが発表→質疑応答の流れを各作品で行う→全体でのディスカッションでした。

5.卒業設計展の過酷な日程

「Diploma×KYOTO」と「仙台デザインリーグ日本一決定戦2017」に出展しましたが、スケジュールがハードだった気がします。

「Diploma×KYOTO」後にそのまま仙台まで作品を送る為、仙台デザインリーグ用のポートフォリオや模型ディスプレイ説明書などを梱包しないといけなかった為、ファイナルに残ったほとんどの学生は徹夜あけでした。

頭の回っていない状況で審査員の高度な質問をぶつけられ頭の中は「???」でした。

間の休憩中に審査員の藤村さんに「もう少し議論をしよう。」と言われる位でした。なので質疑応答はあまり覚えていません。www

ファイナルプレゼン終了後はファイナリストと審査員方で場所を移し、作品についての総評、座談会が行われ1日目が終了しました。

全体的な流れはこんな感じです。

6.「Diploma×KYOTO'17」2日目の事件!?

「Diploma×KYOTO」の特徴を前半の方であげましたが、その中でも三日間すべての人が平等に審査されることが特徴的だと思っていました。1日目で最優秀に入った方でも2日目も同様に最優秀に選ばれる可能性があるということです。

そこで、事件は起こります。

私の作品は大友克洋氏の漫画「AKIRA」を題材にしており、2日目に居らした名和さんに見ていただけるとワクワクしておりました。が.....
1日目のファイナリストは選外にされるというルールを急遽設けられ落選しました。(そのルールがなければ2日目も8選の可能性が高かったと聞きます。またその後、「Diploma×KYOTO」のルールがどうなっているかはわかりません)

以降2日間、作品展示しているが評価されない歯がゆい気持ちになりました。
別のコンペ受賞式で、そのルール変更を行った審査員の方にお会いする機会がございました。当時のことを謝られました。それも含め「Diploma×KYOTO」は良い思い出です。

また、審査員が情によって教え子に賞を与える(実際、授賞式の際に審査員が発言されていました。)ということもこの年は起きていましたので、不公平なコンペもたくさんあることを知っていた方が良いと思います。

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▲仙台デザインリーグ時の展示風景しかデータがありませんでした。

7.まとめ

・ファイナリストに選出される為には卒計の様々なジャンルの中で1位を狙う
メインパース、ダイヤグラムで30秒〜1分審査員の足を止める
・ハードスケジュールな為、糖分をしっかり摂取し議論できる頭の構築。
・卒計展に関わらずコンペは不公平な審査がつきもので、それも含めて運・実力だと思います。

記事にできるか不安でしたが、面白い位に当時の状況や感情が込み上げてきました。

過去の事なので今では笑い話です。
今年の「Diploma×KYOTO」とは違うことが多々あると思いますが、全体的な雰囲気を掴んでいただき、少しのコンペの参考になれば良いと思います。

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▲引用2:「Diploma × KYOTO’17―京都建築学生之会合同卒業設計展 書籍」

《参考,引用》
引用:「Diploma×KYOTO'20」ポスター
https://www.google.com/url?sa=i&source=images&cd=&ved=2ahUKEwiDy6ic6OjmAhXCyYsBHZeOD24QjRx6BAgBEAQ&url=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2F20_dxk&psig=AOvVaw2j3bTUhWh625Y1Zth4HLUo&ust=1578188439556151

引用2:アマゾンより引用 Diploma × KYOTO’17―京都建築学生之会合同卒業設計展 書籍






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