卒制・コンペは狙いにいく!?対談前編【コンペ・卒制】
こんにちは、AND-STYLEです。Nです。
今回の記事は建築学科攻略サイトというブログで建築学科攻略法について紹介しているまっくさんからオファーをいただき、卒業設計やコンペを中心に対談しました。
様々な視点から話をしています。
コンペで入賞したい方、卒業設計や学校課題で悩んでいる方は必見です。!!!
目次
■AND-STYLEの高校時代
■卒業設計は戦略 -「AKIRA」の裏側-
■コンペを当てにいく -プレゼン審査の戦い方-
■多様なアイデアコンペ -コンぺとの相性-
ま)よろしくお願いいたします。
N・A)よろしくお願いいたします。
■ AND-STYLEの高校時代
ま)工業高校は建築学科だったのですか。
N)そうですね。お互い建築学科で、授業のなかでコンペがあったので高校からコンペは出していました。
ま)高校から受賞歴はあったんですか。
N)お互い三つほど賞をいただきましたね。
ま)すごいですね。
N)一回目でたまたま入ったていう感じですけどね。
ま)たまたまでも入らないどうしようもないですからね。
N)そうですね。そこから、建築は面白いなと自分でも輝けるものなのかなと思って、建築に携わろうと思いました。
■卒業設計は戦略 -「AKIRA」の裏側-
ま)コンペ作品を調べている時に、何度かお二人の名前を見たことがあってプレゼンボードも何個か見たんですけど。卒業設計の「AKIRA」の作品がTwitterで流れきて、「おおぉぉ!!」と思って、私のツボにハマりました。そこからTwitterも見るようになりましたね。
なんていうんでしょう。めちゃくちゃコンペ慣れしたプレボで学部生にしてはクオリティの高いシートでした。
【▲:書籍用で製作したがボツになった卒制概要版シート】
N)あの卒業設計は大分狙いにいきました。ま)卒業設計のシートは、ああいうテイストが好きでしたんですか。
N)いえ、あのテイストが好きでやったわけではないですね。僕たちのコンペも一緒なんですけどコンペ作品はテイストがばらばらなんですよ。ゴリゴリリアルな作品もあれば手書きや青焼き風にするものなど、作品やコンペテーマ、審査員に合わせてテイストをぶつけています。A氏と僕は基本どのテイストでもできるんですが、そのなかでも得意なほうで担当をして、「このコンペは手書きでやろう」「このコンペはリアルCGでやろう」と決めて進めていますね。
卒業設計では、AKIRAの赤色はかなり印象的で鉄雄のぐにょぐにょになって破裂するシーンや臓器的なものなどを表現したかったですね。
【▲:「AKIRAから得た空間事-NEO TOKYOとの対話」卒制学内展示風景】
ま)いいですね。かっこいいプレボでコンペとれるって中々ないですよね。微妙なリアリティを持ったプレボとふわっとした手書きとかはどっかにひっかかりやすい感じがするんですよね。私はガチガチにやったプレボでとったことがあんまりないんですよね。自分の好みをやると結構外してしまうんです。
N)ただ、卒業設計だからこそだと思います。卒制は目立ってなんぼみたいなところがあると思うんですね。一つのテーマでやっているコンペではないので、何か新しさとか皆んなとは異なった特異なモノの方が取りやすいのかなと思ってやりましたね。
AKIRAは大分狙いに行きました。実は元々AKIRAの漫画を読んだことがなくて、劇場版は好きで卒制やる前から何度か見ていたんですけど、本自体は持っていなかったんですね。
卒制で何をやろうと思っていた時に、始めは「大阪都構想」をやろうと考えていたんですよ。当時、タイムリーな話題で、ただ私の得意な計画ではなかったことと先生にコテンパンにやられたのでやめてしまいました。
じゃあ、次に何をやろうって考えていて、僕は漫画が好きだったので漫画で卒制をやろうと考えているとAKIRAが浮かんだんです。AKIRAは建築評論家の五十嵐太郎さんや現代美術家の名和晃平さん21世紀少年の作者浦沢直樹さんなど様々な方が刺激を受けている作品で、審査員の年齢層にも当たるなと思ったんです。AKIRAは1982年に連載が始まったので、ちょうどAKIRA世代の方が審査員に来るだろうと思いましたね。さらに、東京オリンピックが決まる一番いい時期にAKIRAをぶつけると当たるんじゃないかと思って選びました。
今まで多くのコンペを見てきましたが、漫画を空間化するモノは見たことがなかったんです。哲学や小説はありましたが、そういった経緯で卒制をやりました。
ま)てことは、当てにいった作品であのクオリティになったということですね。
N)そうですね。
ま)僕はAKIRAが好きな方が作った作品だと思ったんです。プレボをTwitterでUPしていたと思うんですけど、文字が見えなくて、何をやっているのかは分からなかったんですが、プレボの雰囲気で解釈しました。AKIRA好きが作ったと思っていましたが、あれを戦略でやっていたのだとするとそれはそれですごいですね。
N)結構戦略的に制作しました。誰もこういう作品はしないだろうと思って取り組んでいました。卒制は特に審査のなかで社会性とか見られると思うんですけど、そういうのは全くなくその方向では攻められていません。卒計展ではAKIRAが好きなアピールはしました。実際調べるうちに好きになっていました。
ま)これはなかな新発見ですね。
■コンペを当てにいく -プレゼン審査の戦い方-
ま)当てにいくのって結構嫌がられませんか。僕もコンペは当てにいくタイプなんですけど、建築家からは積極的に評価されないんだすよ。それについてどう思いますか。
N)その時点で審査委員に当てにきたなって思われているんですか。
ま)通ったら当てにきたなって思われていなと思うんですけど、通った作品を論理的に説明すると審査員側が食いつかないときがあるんですよ。私はいいじゃないかと思うんですけどね。
N)1位は取れないですよね。
ま)とれないですね。運が良ければとれますが。
N)限りなく確率は下がりますよね。好き嫌いが必ず発生する作品で票も入らないんですよ。1位を逃してしまう。僕たち学外コンペで1位とったことないんですが。
ま)プレゼン審査まで残ると勝率を上げられませんか。
N)僕たちあんまりプレゼン審査に強くないんですよ。AKIRA(JIA近畿卒業設計コンクール)に関しては良かったんですが、審査員長、審査員もはまってくれたんで。プレゼン審査で一気に大逆転は少ないですね。
ま)どちらかと言うと、プレボや模型が強いんですか。
N)そうですね。
A)当てにいったプレボでいこうがいかまいが、審査員が聞きたかったなぁと思うことを僕たちが言えなくて、ぼろ負けするときが二回ほどありましたね。
審査員が求めている回答なのか、それとも議論を生む回答なのかを言えなかった時点で負けるというのがプレゼン審査をやった身として感じますね。プレゼン審査場に立てない限りはプレゼン審査の勝率はどれだけやっても上がらないなと体感します。
たった、2分のプレゼンで審査員が見ていたプレボとのギャップを埋めることができないから勝てなかった点があります。
ま)僕はプレゼン審査は得意なほうで、この人だと思う審査員に集中的に攻撃する。
N)その審査員が求めているものをキャッチして、自分の言葉で推していくということですか。
ま)と言うよりは質疑応答になった時に、とりあえず質問をする審査員と興味があるから質問する審査員がいると思うんです。興味を持った審査員の質問は味方をするための答えをくれっていう質問に聞こえるんです。その審査員をめちゃくちゃ口説いて、その方がハマれば推してくれる。
はまらなかったら帰りますね。自分の番が終わったら帰ります。
N)これは無理だと思ったらですか。
ま)賞金枠に入らないと思ったら帰ります。賞金枠に入ったら最後まで会場にいて、主催者側と振り込み等の手続きがあるので。
■多様なアイデアコンペ-コンぺとの相性-
N)まっくさんは大学院でコンペをやられていたんですか。
ま)学部4年が一番やっていましたね。
N)院ではやっていなかったんですか。
ま)院では一本も出していないですね。
N)社会人になって出せるアイデアコンぺもあると思うんですが、社会人ではだしているんだすか。
ま)コンペの取り方ってコンペ取らないと記事が書けないので、ブログでコンペの記事を書く前にとって、記事を書いています。毎年一回はブログ書く前に絶対とっています。
N)それは毎年同じコンペなんですか。
ま)同じのもあれば違うのもあります。
N)相性がいいコンペはありますか。
ま)ありますね。こうやったら取れるって云うのはあります。
N)あんまり力を使わないで取れるコンペって何個か頭に浮かびますけどね。
ま)枠が多いものとかですね。学生でいうと各審査員が賞を決めるコンペがありますよね。
N)キルコス国際コンペですね。
ま)あれは仙台100選くらいのレベルで出せばなんとかなるコンペですよね。
N)あれは賞歴を埋めるために出したような感じですかね。賞金とかはないのですし、僕たちも卒制やりながら「キルコスあるから出そうぜ」と一日で作品作って出しましたね。それで入賞して賞歴を埋めてやったぁて感じですかね。賞歴は多ければいいので。
ま)シェルターコンぺに入賞したのはすごいですね。僕は入ったことがないです。結構レベル高いコンぺですよね。当てにいっても外しやすいと思います。
A)あのコンペは当てにいくものではなくて、圧倒的な力量やパース力で何か示して当たればいいなって感じのコンペで、ほぼ運みたいなところがあります。
N)運の確率をどれだけ上げられるかってところです。落とされて落とされて30作品に入るだろうと狙うコンペです。例えば、300作品があったとして30作品に入ってからは運になってくる。その30作品を狙っていくんです。シェルター以外の一般的なコンペは10個賞があるとして15作品くらいを狙う、ほぼ入賞させるんです。
ま)シェルターと日新は難しいですよね。
N)シェルターと日新が難しいということはまっくさんがあれに出しているんだなと目星はつきます。
ま)そうですね。コンペ慣れした人の感覚でこれはいける、これは無理っていうはわかりますよね。
N)僕が難しいと思うのは、セントラルと環境デザインコンぺです。あと大東建託ですかね。
ま)大東建託はどうですかね。出す人が多いだけで賞金枠は多いですし。セントラルはこの前相談を受けて「これは通ると思うよ」と言った作品が入賞しました。僕はセントラルの空気感は見えやすいですね。シェルターは無理です。
N)シェルター無理ですね。もう一回通れと言われてもむりです。
ま)集合住宅の長谷工はどうでしょうか。
N)出していないですけど。通りそうなきはします。
ま)審査員同じですしね。
N)僕たちポラスと相性わるいんです。春休みで応募数が多くてみんなポラスに流れるんですよ。「春休みだ!さぁ、ポラスをやろう!」てなるんでしょうね。競争率があがるんです。
A)僕たちああいうポエティックなものに弱いんです。ゴリゴリ書いていく作品の方が勝率は上がります。
【▲:学部4年次 シェルター国際コンペ5位入賞( 5/357作品)】
続きは後ほどUPいたします。
次回は今回に続き、さらにコンペに突っ込んだお話を展開しています。
コンペをとれる人ととれない人の違いなどどうぞお楽しみに!!!
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●まっくさんと対談
「AND-STYLEのA氏、N氏に、コンペ戦略等々色々聞いてみた。」
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