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他人の気持ちはわからないと

事務所に出勤した今日、帰宅する際、日本人の同僚とタクシーに同乗した。

雑談しているうちに、私の家族が日本にいる話になった。
4月に帰国した夫と子供達は、当分はメキシコに戻ることはできないだろう。
そこで彼が私に尋ねるには、「じゃ、今、休みの日はどうしてるんですか。1人でショボーンってしてるんですか?Youtube見たり?」

私は嫌な気持ちになった時は、笑って流してしまう。無駄なぶつかり合いは避ける。それに、気に障ったと認めたくないのかもしれない。

ともかく、今日のやり取りについて言えば、彼のいったことは当たっていない。確かに家族と離れてさみしいけれど、私は別に落ち込んではいない。休日は1人でいるが、メキシコのコロナウイルスの状況を考えると当然の選択だと思う。友人と集まる時ではない。
自分にとって必要なことはしている。ヨガ、読むこと、見ること、書いて考えること。
そもそも、子どもや夫と一緒にいないと目的を失ってしまう人だったら、私はメキシコに来ないだろう。
そして、私はYoutubeをほとんど見ない。みんながあなたと同じだと思わないでよ。

他人の気持ちや境遇はわからない。想像することしかできない。本当のところは、その人だけの領域。
ただ、「他人の気持ちはわからないもの」と知ることはできる。
彼はそれを知らない。

夕方の渋滞に巻き込まれて、会社を出てから1時間以上経っても家に着かなかった。結局、道がすいている時の倍近くかかった。

家に入って、シャワーを浴びて、それから私がしたことは料理。
やさしいものが食べたくて、冷やご飯とありあわせの野菜で雑炊を作った。同時に、ブロッコリーを茹で、セロリのピクルスを仕込み、白菜の和え物を作った。冷蔵庫を開けて目についたものを片っ端から食べられる状態にしていった。
雑炊のごはんがやわらかくなったら、最後に卵を落として、白身がまだフルフルとしているうちに火を止める。
テーブルについて、一さじ口に運ぶと、出汁のかおり。

それから、好きな音楽をかける。頭の芯がじんとする、ちょうど良い音量で。(この国にいてうれしいのは、騒音をあまり気にしなくていいところ。よその家からも、いろんな音楽が聞こえてくる。)

私は私。

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