コイじゃない?高知黒潮町のかつおのぼり
異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。
5月5日は祝日にもなっているこどもの日、端午の節句である。風習としてこの日には兜飾りとこいのぼりを出し、チマキや柏餅を食べて子供の健やかな成長を願うのが通例である。
そんな中、こいのぼりではなく一風変わったのぼりを出す町があるという。今回の異次元空間では高知黒潮町のかつおのぼりを紹介する。
黒潮町は前面に出して町おこしをしている市町村である。道端にある「鰹の町」のモニュメントからも意気込みが伺える。
かつおのぼりが出ているのは道の駅なぶら土佐佐賀付近である。なぶらの文字にもかつおがあしらわれている。
青い。これがかつおを模したかつおのぼりである。
風の状況によっては腹側が上になるので複雑な気分にはなるが、それでも大量のかつおのぼりが風に吹かれるさまは壮観である。
ほかの地域では、「滝を登って龍になった」という鯉の伝説からこいのぼりが掲げられるが、黒潮町ではかつおのようにたくましく元気に育ってほしいとの願いを込め、かつおのぼりが掲げられるそうだ。
高知家ウェブサイトより
このかつおのぼりは2001年に開始されたらしく、もう20年以上続いている催しだという。
これはお手製のものだろうか。なかなか味がある。
デフォルメされたかつおの姿ではあるが、よく特徴をとらえて描かれている。きちんとヒレを再現しているのにかつおへのこだわりを感じた。
伊与木川沿いにはかつおのぼりの他に大小のこいのぼりも並んでいた。大きなくじらのぼりもある。
かつおのぼり自体はかつおが採れる沖縄の本部(もとぶ)や鹿児島の枕崎でも見ることができるが、くじらのぼりも見れるのは高知だけだという。風が強ければ写真のように悠々と泳ぐ大きなくじらのぼりの姿をみることができる。
河川敷の下から見上げれば、かつおの大群をこいのぼりが追いかけるようだった。
ご時世もあって残念ながら2021年のかつおのぼりは開催中止の判断がされているが、いつかまた多数のかつおが宙を泳ぐ姿を見てみたい。
日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。
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