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聖蹟桜ヶ丘のせいいき桜ヶ丘っぽいまちカド(まちカドまぞく)

まぞくと魔法少女の戦いが描かれる作品、まちカドまぞく。2019年にアニメが放映されたのをきっかけに、ファンが増え人気が上昇しています。一見よくあるゆるい日常系のように見えて、緻密に張り巡らされた伏線や設定の深さが話題となり、考察界隈を賑わせている作品でもあります。

今回のあの世界の向こう側では、聖蹟桜ヶ丘のせいいき桜ヶ丘っぽいまちカドと題して、聖蹟桜ヶ丘周辺を歩いてみます。

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芳文社ウェブサイトより

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まちカドまぞくのお話の舞台はせいいき桜ヶ丘です。作者の伊藤いづも先生はインタビューで聖蹟桜ヶ丘・多摩市がモデルだとしており、京王線沿線の聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか)は聖地の一部と考えてよさそうです。

──『まちカドまぞく』の舞台は「せいいき桜ヶ丘」という架空の町ですが、「聖蹟桜ヶ丘」がモデルと思っていいのでしょうか。
伊藤:はい、子どものころ多摩市に住んでいたのでモデルにさせてもらいました。厳密には聖蹟桜ヶ丘ではなく唐木田や多摩センター周辺でして、作中の町並みもあのあたりの住宅街をイメージして描いています。
コミスペ!ウェブサイトより

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あまり聞かない言葉ですが、聖蹟桜ヶ丘聖蹟は天皇が行幸された場所という意味だそうです。聖蹟桜ヶ丘の場合は明治天皇のことですね。

「聖蹟」桜ヶ丘の「聖蹟」とは?
「蹟」とは足跡。聖なる足跡がある桜ヶ丘。 時の天皇が訪れた場所を聖蹟と呼び、明治天皇が兎狩り・鹿狩り、多摩川で鮎漁が数回の行われたことから天皇が行幸された「聖蹟」と、現在の駅周辺が桜の名所であったことから、2つを合わせて聖蹟桜ヶ丘となったそうです。 また、明治天皇の狩り場は現在「桜ヶ丘公園」となり、行幸を記念して昭和5年に建てられた旧多摩聖跡記念館は珍しい様式の近代建築として、昭和61年に市指定文化財・東京都景観上重要な歴史的建造物に指定されました。
せいせきshop.com ウェブサイトより

聖蹟からも桜ヶ丘からも離れていることから聖蹟桜ヶ丘は聖蹟ではなく桜ヶ丘でもないと揶揄されることもあるとか。なお、地元の方から聖蹟桜ヶ丘はせいせきと略されているそうです。

まちカドまぞくでは聖蹟せいいきになっていますが、これが聖域のことを指している可能性はあります。最強の魔法少女が光の一族と闇の一族がゆるく共存する特別な街として整備したことが作中で語られています。

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まちカドまぞく1巻, p.8, 伊藤いづも, 芳文社

まちカドまぞく1巻には街の鳥瞰図が掲載されており、作中で出てくる施設の位置関係が示されています。駅前にショッピングセンターマルマが、川沿いに高校が、商店街の近くにぱんだ荘が、離れた場所に公民館……桃の家があるのが分かります。

犬とダンプカー(ダンプさん)の位置からして、ぱんだ荘は丘の上にありそうです。

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まちカドまぞく2巻, p7, 伊藤いづも, 芳文社

まちカドまぞく2巻の冒頭では、シャミ子から通学路が被らない旨の発言があります。鳥瞰図からして桃は駅前を通って来るんでしょうかね。

聖蹟桜ヶ丘と比べてみても、共通点はあまりありません。駅前のショッピングセンターと付近に川があることぐらいでしょうか。

今回の記事では聖蹟桜ヶ丘周辺のみを取り上げることにします。

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聖蹟桜ヶ丘はスタジオジブリ作品、耳をすませばの聖地でもあります。駅前には作中に出てくる地球屋をモデルにしたモニュメントがありました。

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アニメ版でちらりと看板のみ登場したせいいきUロードの元ネタは聖蹟Uロードです。駅の北側を通っています。

Uロードという名前が付いているのは、道路の形が聖蹟桜ヶ丘駅をぐるりと囲むようにU字型になっているからだと思われます。

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駅から多摩川付近まで行くと、アニメ版ではお菓子工場(ひなつき)跡地(写真左)だった場所がありました。今は家が建っていますが、もちろん桜型の穴は空いていません。

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多摩川の土手からは12話でシャミ子がミカンに桃の居場所について相談していた橋がありました。

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アニメ内ではたびたび多魔川が登場しますが、聖蹟桜ヶ丘付近を流れる多摩川大栗川を混ぜて使用しているようです。

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一度駅前に戻り、反対側を散策します。丘に向かう通りはさくら通りと名付けられていました。

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アニメ版で多魔川としても使われていた大栗川です。桃とシャミ子がランニングしている(させられている)姿が浮かびます。

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通りを写真手前側に向かって登ります。まちカドまぞく本編にはあまり坂が登場しません。伊藤いづも先生がおっしゃる通り、唐木田や多摩センターのあたりがモデルに近いのでしょうね。

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坂の途中には桜ヶ丘の地図がありました。ついつい吉田千代田を探してしまいます。(見つけられませんでした)

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坂の途中にはいろは坂桜公園があります。

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桜と名前がつく通り、公園には桜が植えられていました。見晴らしがあることや桜があるのはアニメ版12話エンディングの場所と近いですが、柵などは違いますね。

作中に出てきた公園の雰囲気は、いろは坂桜公園よりも都立桜ヶ丘公園 ゆうひの丘に近いように感じます。

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いろは坂と名付けられた、つづら折りになっている通りの周りには桜が植えられていました。まちカドまぞくでは独立した丘に一本だけ桜があるような背景になっていましたね。

2巻の表紙も一本桜です。

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坂の途中には階段もあります。桜の時期はいい雰囲気でした。この階段の隣には、耳をすませばで告白シーンに使われた小さな神社があります。

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坂を登りきるとゆるやかな下り坂です。かつてこの丘には関戸城の天守台があったようですが、すっかり住宅地です。

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ここはまちカドまぞく1話でごせん像を落としてしまった階段に似ている気もします。

当たり前ですが吠える犬も植木鉢もありません。

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まちカドまぞくの二次創作ゲーム、ぷち多魔ウォーカーで階段はこのように表現されていました。

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こちらは吠える犬も植木鉢もあります。

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坂を上り下りするのは大変なため、地元の方はバスを使っているようです。日中は20分間隔で運行されています。

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坂の先には耳をすませばで有名になったロータリーがありました。散策マップも配布されています。

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「お前を乗せて、坂道のぼるって決めたんだ」

いよいよまちカドまぞくの聖地巡礼なんだか耳をすませばの聖地巡礼なんだか分からなくなってきました。

こうして聖蹟桜ヶ丘の周辺を歩いてはみましたが、ご覧の通りあまりまちカドまぞくっぽいところが無いというのが正直なところです。行ったという話のネタにはなる、という具合でしょうか。聖蹟桜ヶ丘についてはむしろ耳をすませばの聖地巡礼をするつもりで訪れたほうが面白いのではないかと思います。

(注:筆者としては複数の聖地を組み合わせている作品は好きです)

せいいき桜ヶ丘を舞台に光の一族と闇の一族が相まみえる作品、まちカドまぞく。アニメ2期の制作も決定していますし、原作も新展開が続いており今後の展開が楽しみです。

時来てるぞ!

ちなみに

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シャミ子が入院していたせいいき記念病院のモデル、聖ヶ丘病院は小田急永山/京王永山にあり、聖蹟桜ヶ丘からは少し距離があります。

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アニメ版で幕間に挟まれるモノレールのシーンですが、こちらは聖蹟桜ヶ丘というよりも高幡不動寄りです。(写真は甲州街道~柴崎体育館で撮影)

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シャミ子や桃が通う桜ヶ丘高校のモデルとされている場所は都内にありますが、さほど外観が似ていませんし、わざわざ行く必要も無さそうです。

たまさくら商店街のモデルは武蔵小山パルムと言われていますが、共通点はドーム状の屋根とアニメ版の床の模様くらいですかね。

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ちなみに、ぷち多魔ウォーカーのたまさくら商店街は上画像でした。驚きの原作再現度です。聖地巡礼するよりぷち多魔ウォーカーで遊びましょう(?)


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