2022年4月の記事一覧
昼休みに太田靖久「ひひひ」を読んだ(2021年8月号「すばる」掲載作品を読んで)
昼休みに読んだ「ひひひ」は短編ながらも二十年の時が流れている。
タイトルや内容的にも「ののの」のスピンオフ的作品というか「ののの」の世界を彷彿とさせる箇所があるのだが、「ののの」を仮に読んでいなくても、この「ひひひ」にはひとつの世界が構築されているし、一方で「ののの」の世界へもいざなってくれる。
太田靖久氏が2010年に『ののの』で新潮新人賞でデビューした時のインタビューのタイトルは「僕の小説
太田靖久「ししし」(『しししし4』双子のライオン堂2021年12月)を読んで。
小説の冒頭になぞらえて、幼少期のことを思い出した。小説を読んでいると、ときに、そういう忘れていたことを思い出したりする。
小学校一年生が幼少期にあたるのかわからないが、私はぼーっとして生きてきた子だったのか、人より成長が遅かったのか、写真に依拠しない幼いころの記憶の始まりが幼稚園の年長あたりからになる。
小学1年生の時、今から40年ほど前、左利きの私はひらがなの書き写しで、担任の指導ですべて右