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中小企業 下請企業に就職する場合

これまで大企業から中小企業の人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に、それぞれ幾つかの会社の業務内容とか取引先とかの関係を見てきました。特に大企業とその下請けとなる中小企業との関係と構図を理解して、自分の人生を左右する就職先の選定の基準として、どこに就職するか選択の指標にしてほしいと思います。


製造業で一般消費者向け最終製品を生産している中小企業は、少ないと思いますが、ここで取り上げているのは部品やユニット中間製品を生産している中小企業です。
特に大企業社内で製造ラインを持っているにも関わらず社外取引先、いわゆる外注先(中小企業)に生産委託している事例です。
そういった外注先に製造委託する目的は主に
・製造のコストメリット
・生産変動のバッファ

コストメリット
自社内製造することに比べ外注に出すした方がコストメリットがあるから製造委託している。いわゆる大企業の社内人件費だとコストが安く出来ないために社外に製造委託することになる。また、複数の外注先を使うことによってコスト競争をさせる。
逆に言えば、一旦コストの安い外注先を使うと社内に戻すことが難しくなることもある。

生産変動のバッファ
生産変動は季節要因とか景気に左右される生産変動分を社外に出すことで自社内の生産ラインの稼働率を一定に保つ目的としている場合もある。
大企業内の設備や要員の安定化を図ることを目的にしている。

中小企業の製造は
・中小企業も取引先は複数社の顧客を持って自社内の負荷平準化を図っているが、望んだようにはなかなか出来ない。
・また、製造委託される製品を作るための生産設備も汎用設備を購入して生産しているので、他社との大きな有意差はほぼない。
・人手作業も生産性向上に取組んでも同様に有意差は出難い。
・製造条件も含め品質保証の一環として製造委託元の指示通りに生産することになり、ここにも有意差はない。

同じ人間同士が同様な設備を使って製造している以上、コストを下げるとなると中小企業の賃金は自然と低くせざるを得ない。
また、製造技術的な面も委託元からの指示通りに製造することになるのでノウハウの蓄積とかスキル向上とかも期待できないことになる。
簡単に言えば、『指示通りに物を作る』だけとなる。
下請け企業の実態は、このような構図と状況となります。

まとめ
今回は、中小企業の委託製造に関わる構図を挙げてみましたので参考にして頂ければと思います。
採用面談していても、将来設計を考えて仕事を選択しているように見受ける人はこれまで皆無でした。今の時代は、『会社は使い倒すのであって、使われるのではない』とどこかで聞きましたが、その通りと思います。
転職含め就職先として、何を求めて仕事に就くかは人それぞれ個人の考え方があると思います。将来設計として何かしかのスキルを付けて年収向上を図るのであれば、就職先の業務内容を良く吟味して仕事に就くべきと思います。

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