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中小企業における人材育成

これまで大企業と中小企業の製造部門に在籍し、いろいろな人達に教育する機会を経験してきました。社内、取引先、海外工場現地スタッフまた、技術的な要件であったり、マネジメント的なことなどをしてきました。今回特に中小企業の新人教育について備忘録として残しておきます。

大企業になると従業員が千~数万人規模なので研修センターや研修メニューが整備されている。そこの役職階層もその環境で育った役職者がいるので業務遂行など好循環になっている。組織における指示の出し方、報告の仕方、業務遂行の手順、フォローの仕方など文化が出来ている。
創業時期から世代交代が進み、ここまでの文化ができるまでの環境整備に20年とか30年とか費やしてると思います。

ところが中小企業になると、そのような環境も余裕もないので教育環境が整っていない。また、決まった研修とかが無いことが多い。
当然、役職階層も特段の教育もされないままに部長なり課長職に就いている。もちろんそこには昇格試験も無いまま役職に就いている。
大企業に比べ、指示の仕方、モノの見方、考え方にしても、どうしてもレベル差が生まれている。また、困ったことに、そこにいる役職者の中には自分は優れていると勘違いしている者もいる。
中小企業には会社組織として教育の文化が無いのが実情である。
そこにいる役職階層は大企業と比べると大きなスキルの差が生まれている。
もちろん個人でセミナーや研修を受けている者もいると思いますが、、。
私が経験している中では、物事の進め方が中小企業では論理的な事も少なく気合と根性の世界で仕事している人が大多数。

大企業なら部下に報告書提出を指示すれば成果物が出てくるが、中小企業ではそもそも文書作成の機会がないというか文化がない。特に製造部門はホントにここは弱い。

中小企業の教育となるとOJTが中心となっているの実情である。
このOJTには教える側の能力やスキルがポイントとなってくるものですが、
教える側の能力を超えたものは当然教育できないわけで、教わる側のスキルがこれでほぼ決定する。
大企業なら人材も豊富に存在するし、職場内、組織間、とOJTの機会が豊富にあることから経験を積むことができることになる。中小企業では、大企業とは反対に人員が少ないことや組織も少なくOJTの機会が少ない。こういった経験値の差が大変大きい。

中小企業に在籍していても、今のようなインターネット環境や本で勉強するることは可能な時代ではあるんですがね。
中小企業は人員が少ないこともあり優位性があるところは、守備範囲が広いことがあげられる。

最終的には、大企業でも中小企業でも本人の行動力で決まると思いますが。

私の新人教育の考え方
一般的な人材育成の研修は業務遂行能力を如何に高めるかを中心とした教育となっている。しかし、社会生活をしていく上では人格形成も合わせて行う必要があると考えている。

業務遂行能力+人格形成を前提とした教育
・業務全体像を捉えさせる
  全体像を捉えてから部分を教える手順とする
  生産工程で何がどのように作られていくのか
  個々の工程の手順、管理方法
・報告書作成なら最初に教えるのは、
  相手は誰なのか?
  相手の知識レベルに合わせた内容にする
    技術部門、上司、品質保証部門 ⇒ 詳細に
    資材、調達、生産管理部門 ⇒ 要点を簡潔に 
・人格形成に必要な知識
 一度教えた後は、『どう思う?』と質問を続けることがポイント
  ものの見方考え方 ⇒ スキルをつける
  自分の考えを持つ ⇒ 主体性を持つ
  反面教師 ⇒ 必ず職場に一人や二人存在する
  人格形成に必要な本の紹介
  人生における『継続は力なり』を学んで貰う 
   ⇒コップに水を1滴ずついれる感覚
 新人にとっては10年、20年後のイメージが持てないのが難点ですが。

まとめ
今回は自分の経験から中小企業における人材育成の一端を備忘録として残すこととしました。これまで、社会人になって40代、50代と年齢を重ねた人達を見ていると能力差が歴然と現れている。人格形成の勉強をしているか、していないかの結果であるのですが、そのことに気づいている人もまた、少ないのですね。
いわゆる『業務+α』なんですが、知識を増やすと見える世界観が広がって人生楽しくなると思うのですがね。

中小企業に就職すると特に教育する者のスキルも当然決まったものはなく、個人に依存する形で行われる。新人として入社したものは、運に左右されることになります。
『部下は上司を選べない』

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