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これが「踊り出し、周りを巻き込む」ということだ!実践して分かった高木氏のメッセージ、そして生まれたプロジェクトたち-Nサロン高木ゼミー

日本経済新聞社とnoteが共同で運営する学びのコミュニティ『Nサロン』。2020年5月から7月にかけて開催された第3期では「毎日をもっとクリエイティブに!」をコンセプトに、様々な特別講座やワークショップが行われた。

全3回にわたって開催された高木ゼミは、「周りを巻き込む力」を磨き、プロジェクト立ち上げの方法を考え実行に移す、実践型での講義であった。
第1回目は、高木氏が携わったプロジェクトの具体例とともに、プロジェクト立ち上げのプロセスを学んだ。講義後に出された課題は、「高木氏が説明したことを自分の言葉で抽象化することで、独自のメソッドを確立しよう」というもの。

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第2・3回目の講義では8つのチームに分かれ、各チームが趣向を凝らして考えたプロジェクト案をプレゼン。このnoteでは、高木氏がフィードバックを通じてメンバーに伝えたメッセージと、実際に動き出したプロジェクトを紹介していく。

プロジェクトの起点は「個人的」で「未熟」でもいい

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3回のゼミを通して、高木氏が受講生に伝えたメッセージは主に次の2つ。

1. 個人的なイシューを寄せ集めることがプロジェクトにつながる
2. 最初から完璧なプロジェクトを目指さなくてもよい

それぞれのメッセージについて、詳しく紹介していこう。


1. 個人的なイシューを寄せ集めることがプロジェクトにつながる

最初は多くのチームが「社会的な課題を解決する」「上手に発表しなきゃ」ということにとらわれすぎていて、本当に実現できるのか、モチベーションは維持できるかなどの現実的な問題を見落としており、机上の空論の域を出ない、建前上の議論を繰り返していた。

そんなメンバーたちに向かって、高木氏が言ったのは「まずはどんなに個人的なイシューでもいいので、メンバー間で共有し、『確かにそれはわかる』といった共感を得ることが大切である」こと。そこから自分たちにできることが何かを考えることで実現可能性が高く、より自分たちらしいプロジェクトが生まれるのだという。

当事者意識のあるプロジェクトならモチベーションは維持されやすく、たとえどんなにニッチな内容であっても、熱を持って人々に広がっていくのだ。

高木氏のフィードバック後は、1人1人が自分の身近で起こっているイシューはなんだろう?と「自分起点で」プロジェクト案を考えるように。次第に熱量も高まっていき、具体的なアイデアがどんどん生まれていったことを実感したチームも多かったようだ。


2. 最初から完璧なプロジェクトを目指さなくてもよい

「完璧な正解、完璧なアイデアを求めなくてよくて。アイデアに正しさはいらなくて、むしろこれだったら自分たちができるみたいな、リアリティのあるプロジェクトをやっていってほしい」

メンバーは高木氏のこの言葉によって、「ちゃんとしたものを考えなきゃ」という無意識に感じていたプレッシャーから解放された。

何かアイデアを思いついた場合、最初から完璧なアイデアを生み出す意識を持つ必要はないというのだ。たとえ中途半端な状態でも1度内容を共有することで、メンバーの共感や応援を得ることができるからだ。周りの人を巻き込みながら、1つのプロジェクトを完成させていくことが大切なのである。

プロジェクト参加を通じて、自分を取り戻す

高木氏はプロジェクトに携わることを「自分を取り戻すこと」とも言った。自分がどういうことに課題を感じているのか、それを周りに共有することによって、自分自身の「らしさ」に気づいたり、仲間を増やしていったりすることができる。そのプロセスを楽しむことが大事なのだ。

「どんなにニッチで小さなプロジェクトでも構わない。ムーブメントになっていく快感をこれからも味わってほしい」というメッセージを最後に残した。

高木ゼミから生まれ、走り出したプロジェクトたち

「最初に踊り出す1人になるのか、それとも踊り出した人を見つけて最初の5人のうちの1人になるか」

ここからは、高木ゼミのあるメンバーが踊り出し、周りを巻き込んだことで、実際に走り出した3つのプロジェクトを紹介していく。

① 初めましてのときは、とりあえず「ゆるディベート」しましょ

「きのこの山 vs. たけのこの里」、「家系ラーメン vs. 二郎系ラーメン」といった“あるある”、かつ比較的ゆるい議題でディベートをすることで参加者の交流・理解を促すことを目指すプロジェクト。ディベートと言いつつも雑談レベルで話すことができるゆるい議題であるため、様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まるコミュニティでも、お互いの思考性や人間性を理解しやすくなるのが特徴だ。

相互理解を容易に行える「ゆるディベート」。このプロジェクトが誕生したきっかけは、「そもそもチームメンバー同士のことをよく知らないよね」という何気ない会話からだった。

Nサロン3期が終了した今でも、ゆるディベートは定期的に開催されており、メンバー同士の親睦を深めるのに貢献している。オンラインコミュニティでの繫がりが強固になっていくであろうこれから、ますます「ゆるディベート」はNサロンメンバーを巻き込み、大きな力を生み出していくに違いない。

高木氏フィードバック
「自分たち以外の誰かのためというよりは、自分たちのために必要なもの。それがどんなにニッチなことであっても、同じように求めている人は絶対いると思う。このプロジェクトのように初対面のメンバーのアイスブレイクの仕組みを考えることは社会的にもニーズがあることだと思うので、とても良かった」

② 仲間となら続けられる!理想の自分を目指す「マイザップ」

理想の自分になるために、日々の活動記録をメンバー間で共有するプロジェクト。互いを褒めたり、建設的な意見を言いあうことで、モチベーションの維持を目指す。"結果にコミット" ならぬ"プロセスにコミット" するプロジェクトだ。

このプロジェクトを思いついたきっかけは、多くのメンバーが外出自粛で不健康な生活を送りがちであることに課題を感じていたことにあった。

話し合いの中で「いざダイエットをしようとしても、1人だとなかなか続かない」という声があり、一緒に頑張る仲間がいたらモチベーションが維持されるのではと考えた。そこでSNSを利用してメンバー間で活動を報告しあい、コメントをする仕組みを思いついたという。

今後は、食事や筋トレについてノウハウを持った人を呼んだり、参加者同士でカラダ作りの知見をシェアし合う勉強会を開いたりすることを計画している。

高木氏フィードバック
「1人ではなかなか続かないことを仲間と一緒に楽しみながら頑張るところに良さを感じた。SNSはそれ自体がプロセス。アウトプットの場としてしまうと、途端につまらなくなるなと思う。例えば、ダイエットにありがちな『こんなに痩せました!』というbefore & afterの写真は確かにパッと目を引くかもしれないが、バズるのはほんの一瞬だけ。マイザップのようにSNSを通じてみんなで挑戦したり、応援しあったりするというプロセスの共有は、本来のSNSの使い方として正しいと思う」

③ Nサロンは終わっても、メンバー同士の繋がりは続く「放課後Nサロン」

Nサロンのメンバーが自走できる場をみんなで作る「放課後Nサロン」プロジェクト。メンバーの1人が何かをやりたいと思った時に周りを巻き込んだり、イベントを考えていったりと、メンバーの"やりたい" を一緒に具現化するプラットフォームを作る。

Nサロン第3期は、2020年5月〜7月までの期間限定のコミュニティ。「Nサロンが終わってもメンバーとの繋がりが欲しい」「もっとやりたいことがあった」など、Nサロンメンバー1人1人のイシューをキャッチアップする。だれかの"やりたい" の受け皿となるようなプラットフォームを目指す。

高木氏フィードバック
「『放課後Nサロン』のようにオリジナルのネーミングや設定を作ることで、そのプロジェクトのイメージが湧きやすくなると感じた。周りの人たちも参加しやすくなるなと。

Nサロンが学校だとした時に、放課後みたいな場所ってあると思う。せっかくNサロンという学校に集まった人たちが、こうやって放課後自由に集まって、とにかく何かやっていこうよっていうのは、すごくいい。小さくてもいいから継続していくと、多分その次の、最近のこれってなんかおかしくない?のようなことに気づき、社会に向けたプロジェクトが生まれる可能性があると思う」

高木ゼミで生まれ、走り出したこれらのムーブメントがどうなっていくか、今後も目が離せない。

あとがき

余談であるが、この高木ゼミのnote化プロジェクトは何も決まっていないところから始まった。

当初はゼミの全貌を正確に伝えなければならないという義務感に駆られるあまり、「自分たちが楽しむ」ことを多くのメンバーが忘れていたが、徐々に「それって何か違うよね?」の声が出るように。このことに気がつけたのも、雑談レベルで自分の思いを共有し、話し合いながらみんなでプロジェクトを形にしていったからだろう。本プロジェクトもまた、高木ゼミで学んだ「周りを巻き込む力」を実践したプロジェクトと言っても過言ではない。

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