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心に刺さる褒め言葉だった、だから仕事をうまくやれたのだろう

私は、単純な人間なので褒められただけで仕事をしてきた部類だ。
私のように能力が普通なタイプは、褒められると行動することができる。
認めてもらうだけで、モチベーションがアップする。
褒めることでは、ソニー子会社時代の社長はなかなかのもだった。
人との関係には、さまざまなストロークがあるが、相手が認めてほしいと思っていることを認めてやることが一番だ。
私はそれで仕事をうまくさせてもらったようなものだ。
とくにこの社長、褒めることがうまく、理解力がない私に、客観的でなく主観的に、自分の言葉で短く褒める。
心に刺さった。
単純な私は、天に昇るがごとく仕事した。

いろいろな人材がいた企業だったが、とにかく褒めることがうまい社長だった。
どの社員もこの社長に褒められたくて仕事をしていた。
いつも笑顔がたえず、しかも話がおもしろく、誰とでも仲良くなれた。
転職してきた社員へは「仕事はおもしろいですか」「困ったことがあったらなんでも言ってきてください」などと言いながら歩いてまわるのだから、転職してきた社員のほうが驚いていた。

本来、褒められただけでは、簡単に行動につながらないのだが、この社長の言葉は行動に結びつくから不思議だった。
主観的で短い言葉にウソがなく、人の心の琴線に触れるのだろう。
まるで魔法のように思えた。
みなこの魔法にかかるように仕事を楽しんでいた。
 
今の企業でも、人に関していろいろな課題があるようだが、仕事といえども人間がやることだけに、本来、もう少し遊び心があってもよいだろう。
しかし、私が在籍した企業では、遊び心をもって仕事をしている企業は少なかった。
理解できない言葉ばかりが語られると、人間は先行きに不安を覚える。
経営者や政治家などは、自分以上の能力をもつ者が、社内や国家いることはそれほど多くはないのだから、経営者や政治家は、”おろか、かしこ”で経営マネジメントや国家マネジメントをおこなって欲しいものだ。

現実は”かしこ、おろか”で、かしこいようでおろかさまるだしだ。
定額減税制度は、実務からすれば、おろかしさしかない。
なにも言えないでもくもくと仕事をしてくれる事務担当者の苦労を想像してしまう。
愚かな施策ほど、必ず末端で仕事する人たちに犠牲を強いる。
管理職をしていた私は、部下たちが仕事をやりやすくするための存在だ、と行動してきたから、このような愚策は、とくに腹が立つ。

経営者の優秀さばかりが表にでてしまうと社員は近寄らないし、社員がもっている能力以下の仕事しかできなくなるものだ。
社員を能力以上に働かせていくためには、経営者は少々自らの能力を抑えて、人間性からマネジメントをおこなっていくほうが、より人間の本質的部分から事業運営が可能となるだろう。

経営者と社員の関係構築も古くて新しい話だが、理論も大事なのだが、その前に経営者の資質が問われているように感じる。
もっと社員を踊らせることはできないものか、と思う。
自分のキャラクターだけで勝負できるのだから、お金も必要ない。
ただ人を乗せていくだけだが、このようなことをやるタイプには、困ったことに詐欺師が多いのも事実だろう。

詐欺師は自分のお金に執着するが、ゆかいでおもしろいタイプの経営者は社員を乗せていき、社内を明るくし、社員を自然と行動へつなげていきながらみなで稼ぐ経営をする。
稼ぐのだから、社員の給与は確実にあがった。
経営者の経営評価も高くなる。
単純だ。
だが、単純なことほどむずかしい。

今でも成長している企業をみると、経営者や社員に笑顔があり、創意工夫をしていく仕事には楽しさがあるようにみえた。
だから儲かっていくのだろう。

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