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LGBTQ+ × ワークショップ型プログラム

こんにちは!今日はN/S高最大のイベント、磁石祭(注1)にてLUSH 渋谷駅前店さまと実施した職業体験を紹介します!

(注1)角川ドワンゴ学園のN/S高校、N中等部の年に1度の文化祭。2016年から続いて今年で7回目の今年はリアル会場とオンライン会場の2会場で開催した

今まで実施してきたLGBQ+をテーマにしたワークショップ

LGBTQ+(注2)の当事者の数は10〜13人に1人(人口の8%-10%前後)(注3)というデータがあるのに対し、まだまだ国内での理解促進が進んでいないことから、中高生の時期にいじめや暴力を受けたことがある当事者は68%も居るというデータ(注4)があります。
こういった現状を受け、平成29年には文部科学省より「いじめの防止等のための基本的な方針」として、LGBTQ+当事者に対する教職員への正しい理解の促進や、学校として必要な対応について周知することが求められるなど、教育現場での対応の必要性が高まっています。

そういったことから、本校ではより多くの生徒が過ごしやすい学校づくりの一助になればと、これまで2020年度からLGBTQ+に関するゲストをお呼びするイベントを実施してきました。毎年複数回実施し、全国の生徒が参加してくれました。

(注2)「からだの性と心の性が一致していて、異性を好きになる」に、当てはまらない人たちの総称のひとつ
(注3)「LGBTの割合がバラつく理由【13人に1人?100人に1人?】」(JobRainbow Magazine/2021/4/16 )より
(注4)いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン 平成 25 年度東京都地域自殺対策緊急強化補助事業 「LGBTの学校生活に関する実態調査(2013)」より

【過去イベント一例】
・LGBTQ+ 日本最大級イベントも小さな一歩から
・空飛ぶ性の多様性 JALがレディース&ジェントルメンをやめた理由
・LGBTQ+の居場所づくりイベントスタッフの話を聞いてみよう

満足度も毎回高く、参加した生徒からは「私も自分のセクシュアリティを認め、自分らしく生きていこうと思いました」「LGBTQやジェンダーに対する新しい気づきに繋がったので参加してよかったなと思いました」という声が寄せられました。私たちスタッフも、継続的に実施できることで安心できる環境づくりに貢献できるという喜ばしい想いがありました。
その反面、「”LGBTQ+のイベント”に来てくれる生徒の多くは既にとってもアライな心をもってる生徒が多いな」「”LGBTQ+のイベント”に関心がない生徒にも来てもらえるプログラムもつくりたいな」とも最近は考えていました。

今回実施したワークショップの内容

企画・告知段階

そこで、今回はN/S高最大のイベント磁石祭で、大人気ナチュラルコスメブランド、LUSHさんと一緒にプログラムができれば、と考えました!
磁石祭が実施される4月末はTRP2022(注5)が開催される時期ということもあり「LGBTQ+に絡められるものにしよう!」そして、「蓋を開けたらLGBTQ+も学べるようなプログラムにしよう!」と決めました。

プログラムの活動としては磁石祭でハンド&ボディローション『チャリティポットコイン』(注6)を販売するという内容です。
『チャリティポットコイン』は消費税を除く売上げの全額が寄付される、LUSHさまの定番商品です。
今回、そのチャリティポットコインは一般社団法人にじーず(注7)さまに寄付されます。
なので生徒たちは、販売の際にその商品の魅力はもちろん、どんな団体に寄付されるか、それがなんの問題を解決するか等も説明しないといけません。

今回は、これまでのイベント後に感じていた「LGBTQ+について知っている、アライ(注8)である」という生徒さん以外にもLGBTQ+について知って欲しい気持ちから、あえてLGBTQ+のことは記載せず、販売に興味があったりLUSHさんが好きな子をイメージした生徒向けの告知を作成しました。その結果、多くの生徒が応募してくれました。

(注5)東京レインボープライド2022の略称。LGBTQ+当事者の存在を社会に広め、「”性”と”生”の多様性」を祝福する国内最大規模のLGBTQ+イベント
(注6)LUSHの商品である全身を保湿する固形タイプのボディローション。売上げの全額(消費税を除く)が、動物の権利擁護、人権擁護、環境の保護に取り組む草の根団体に寄付・助成される
(注7)10代から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む)が集まれるオープンデーを定期開催している一般社団法人
(注8)LGBTQ+当事者と共に差別、偏見解消を目指す人のこと

Day1,2:アイスブレイクとLUSHさまのご講演

アイスブレイクをした翌日、「営利企業がなぜ利益にならない商品(チャリティポット)を販売するんだろう?」という疑問を、LUSH 渋谷駅前店の西澤さまよりお話していただきました。チャリティポットの理念に触れ、生徒からは「お客さんだけでなく、その先で誰かがまた幸せになる仕組みが素敵だと思いました!」という声がありました。

Day3:オンラインワークショップ

そして次の日は、今回販売した『チャリティポットコイン』は消費税を除く売上げの全額が、一般社団法人にじーずさまに寄付されることが決まっていることを生徒に伝えました。
LGBTQ+について説明をしたところ、「LGBT」という言葉を初めて聞いたという生徒が複数人いました。(初めて耳にする言葉ということもあり、LGBTという言葉を知らない生徒もいたのが印象的でした)
そして、ワークではにじーずさまについて・接客について調べ、発表をしてもらいました。

Day4:オンラインでデモンストレーション

この日はこれまでの活動を踏まえ、どうやったらお客さまにチャリティポットの魅力を説明できるか練習をしました。
オンライン上でのデモンストレーションとなりましたが、みんな真剣な表情でお互いに販売練習をしました。

Day5:磁石祭本番!

そして販売当日。
なんと、想定の半分の時間で300個が完売しました!

完売した様子
販売体験をしてくれた生徒たち

最初は表情が硬かった生徒たちも、だんだん緊張がほぐれ、笑顔で説明をしてくれました。
会計待ちの間に話を膨らませている様子もあり、事前学習した以上のことを頑張ってくれました。
お越しいただいたお客さまからは「商品の良さを一生懸命伝えようとしていたところがよかった」「環境などに還元できる素敵なものがあって、買えてよかった」という声がありました。

そして当日完売したチャリティポット コイン300個分の消費税を除く寄付額である43,500 円は、LUSHさまを通して一般社団法人にじーずさまに寄付され、LGBTユースが安心して過ごすための活動に活用いただきます。

Day6:オンラインで振り返り

オンラインの振り返りでは最後ということもあり、今まで学んだことや、印象に残ったことを生徒から共有してもらいました。
「売る人も買う人もハッピーになれる循環をすることが社会貢献だと考えた」「いい接客とは、お客様へのリスペクトだけでなく、商品へのリスペクトも忘れない接客だと思った」「すごく早く完売したことが印象的だった」という声がありました。

最後に、全体を通して寄せられた生徒の声もご紹介します
・N/S高・N中等部でしか体験できないようなことをさせてもらって、N高だから一歩踏み出せたと思っている
・私にとって新しい価値観を植え付けてくれた。
・世界中の課題をもっと知っていきたい、貢献していきたいと思いました。
・周りがハッピーになってくれると、自分もとてもうれしいんだなと思いました。

終わりに

多様な性とその問題について学べるプログラム、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)教育を引き続きやっていければと思っています。
関心がある企業様、プログラム設計を一緒にしたいと思ってくれた方、ぜひご連絡お待ちしております!

最後に、今回ブースにお越しいただいたお客さま、ご協力いただいたLUSH 渋谷駅前店の西澤様・越智様、学園TAの皆さん、磁石祭を運営してくださった皆さん、そして参加してくれた全ての生徒のみんなに、心からお礼申し上げます。ありがとうございました!