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腹ペコライターワークショップ N中・N/S高生が聞いて、書く「小布施町の魅力」とは?~vol.1~

角川ドワンゴ学園では6月下旬から7月初旬にかけて「食いしん坊なあなたのための腹ペコライターワークショップ」を開催しました。長野県小布施町で美味しい食品を販売する4つの事業所にインタビューを実施。小布施町で地域課題の解決に取り組む小布施まちイノベーションHUBさまや、小布施町在住のライター大宮まり子さまの力も借りながら、商品や小布施町の魅力を伝える記事の執筆に挑戦しました。
こちらのnoteでは参加した生徒が執筆した記事のうち4本を、2回に分けてお届けします。第1回は、社会福祉法人くりのみ園さまマルテ珈琲焙煎所さまへのインタビューです。

vol.2はこちらからご覧いただけます。合わせてご覧ください!

くりのみ園Aペアの記事 
私たちは自然の一部 〜命のサイクルinくりのみ園〜


取材・文=ひーさん(N高6期・通学コース) 坂本(N高7期・ネットコース)
文=ひーさん・坂本
写真=社会福祉法人くりのみ園さまご提供

「腹ペコライター」。ポップなキャッチコピーと当選したら配布される食べ物の写真で、数あるワークショップ(以下WS)の中、とても盛り上がりを見せたこのWS。
当選した「食いしん坊」たちの元に送られてきた、美味しさが詰まった箱。
4つの生産者のチームに分かれて、プロのライターである大宮さん直伝のインタビューをした。
その熱いパッションを皆さんにお伝えするべく、大宮さんと小布施町の魅力を伝えるべく参上した、きんちゃん(*1)の協力を得て、私たちは記事を書く。

*1 小布施まちイノベーションHUB 遠山宏樹さんの愛称。


社会福祉法人くりのみ園 理事長 島津隆雄さん


長野県小布施町。「社会福祉法人(※2)くりのみ園」にインタビューさせて頂いた。

*2
社会福祉事業を行う民間団体。

社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法にもとづいて設立されている法人です。公益性の高い非営利法人であり、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ公正に行っています。

https://www.keieikyo.com/about/whats.html

くりのみ園で育てられている人参、ナス、お米など様々な食物は、無農薬であり、有機野菜である。同じく卵も、鶏が自由に動き回ることが出来る、平飼いという方法で飼育しているので、鶏たちのストレスが少ない環境で育てられた栄養価の高い卵を生産・販売している。
くりのみ園理事長の島津さんにお話を聞かせて頂いた。

...のびのびと育つ鶏達。利用者さんが名前をつけて、描いたとても可愛い素敵な絵がInstagramに載っています!


受け継がれていくもの


ーーなぜ長野県小布施町という場所で、有機農業を営み、平飼いの卵を生産することを始めたのでしょうか?

島津さん:「私はこの町の生まれでして、小布施って観光地になってると思うんですけどもね。やっぱり郷土を愛する人たちって、私の上の世代の人たちなんかにおられて、結構そういう人たちが頑張って小布施を盛り上げてきたんです。

郷土愛みたいなもんで、私もどうせ何かやるならば、小布施でそういうことをしたいなと思いまして。 
一族郎党なわけで血の繋がりがあり、ここまで来ました。」


ーーなるほど...そうなんですね。

小布施町のコロナ前の観光者数は100万人!
利用者さんや、町の人達との関わりを大切にしているくりのみ園。
小布施の風土や風景が愛されていることが分かる。


私たちは生まれ変わったら人参になるかもしれない。


ーーホームページのキャッチコピーである、
「いのちはめぐる。」という言葉への思い入れをお聞きしたいです。

島津さん:「いのちはめぐるっていうのは、あの生き死にの問題なんです。
私どもも、人間だから必ず死ぬわけです。
死ぬと人間はどうなります?動物も同じです。

全て大地にかえるんですね。

それは、いろんな微生物だとか、いろんなものを分解するんです。
そして、人間の命も大地に戻る。

その大地の中で、今度の次の世代は人参なって生まれてくるかもしれない。
あるいは、魚になって生まれてくるかもしれない。
そういう発想ってとても私たち現代人にとっては違和感があるんだけども、そういうことは、昔の仏教なんかの世界では当たり前のこととして、皆捉えてた。

一木一草命ありって言って、全てに命があると見てたんです。
そこの世界、そしてその命は巡っていくという風に捉えていた。
こうして、生きる死ぬという世界の話をして、それはやっぱり真実なんだと思うんです。
私どもはみんなが死んで、そして地に戻るということは、昔の人が言った身土不二と言って、体と大地は繋がってる、ということです。
多分、それは真実なんだと思います。」


終わりに


「全てに命があり、それは大地に還る」

それはとても大きな言葉で、今この世界にいて、とても自然な考えなんだと感じた。
この言葉の意味を踏まえてくりのみ園は、
プラスチック問題のように、化学物質は自然に帰らない。食べ物が私たち人間の体を作るからなるべく自然なものに拘りたい。
社会福祉施設として障害のある方を受け入れて認める。その人たちが働ける場を、社会の一員として活躍できる場を作る、という所に私たちは感銘を受けた。
食べ物だけでなく、小布施町に夢中になっていた。

今日も小布施は郷土愛に溢れている。

くりのみのたまごカステラ
マフィン(にんじん・さつまいも・プレーンなど)
にんじんジュース


配布された卵を使った癒される甘さのカステラと、米麹味噌の味わいが深いマフィンもくりのみ園で作られたもので、
雪の下で春まで寝かせ、甘さとフレッシュさが美味しいにんじんジュースも全て、記事を書いている二人で絶賛しあった程だ。
今回のインタビューで、種を植えるところから立派な野菜になるまで色んな方の力を注がれて、成果としてできたものを、食べられることに感謝することを思い出した。

くりのみ園で働く温かいみなさま。


マルテ珈琲焙煎所Bペアの記事 
小布施の珈琲店に聞く!〜マルテ珈琲焙煎所〜


取材・文=ゆずぽんず(N高5期・通学コース) 
文=ゆずぽんず 写真=
マルテ珈琲焙煎所さまより 

皆さまこんにちは、N高等学校5期生のゆずぽんずです! 
今回は、腹ペコライターワークショップと言うワークショップで長野県小布施町の魅力を伝えていこう!と言う企画で取材・執筆をしています! 
私たちが取材させていただいたのはマルテ珈琲焙煎所さんです!

マルテ珈琲焙煎所 
営業時間 10:00-18:00 定休日 火曜日 
所在地 〒381-0201 長野県上高井郡小布施町小布施788 
TEL・FAX 026-285-9582 
鈴木さんご夫婦 


こちらが今回取材に協力してくださった鈴木さんご夫婦です!ご夫婦で珈琲店を営んでいます。取材は、夫であり代表を務める鈴木芳彦さん(写真左)が協力してくださいました。 
鈴木さん(以下代表である芳彦さんを指します)は静岡県磐田市出身で、ご実家が製茶業を営んでいたそうで、屋号などはご実家からの引き継ぎだそうです。 

販売促進の手拭い


焙煎機の近くに販売促進の手拭いがあり、こちらは50年以上の歴史を誇る手ぬぐいだそうです。鈴木さん曰く、ご実家のお茶屋さんがお茶を摘む農家さんにつけてもらう様に作ったのではないかとおっしゃっていました。 鈴木さん自身は商業高校出身で、グラフィックデザイナーの経験が15年ほどあるそうです。それでは説明もほどほどに早速行ってみましょう! 


マルテ珈琲焙煎所は小布施の築130年近くの土蔵を改装してコーヒーの焙煎所を営んでおり、常時25種類以上のコーヒーを販売しています。 

コーヒーの一部


ーーご実家は製茶屋さんだったということですが、お茶屋さんではなく珈琲店を営もうと思った理由はありますか?

鈴木さん:お茶もコーヒーも幼い頃から飲んでいたこと、特にお茶を選ばなかった理由はなくコーヒーを作る、ものを作るのが好きだったことがきっかけですね。


ーーなぜ小布施で?

鈴木さん:「小布施を初めて訪れたのが、結婚した際に妻の親戚が小布施に住んでいて挨拶に行った時です。小布施は人がたくさん話しかけてきてくれ、どこからいらっしゃったの?とか周りのつながりが多く、こういう人と人が繋がれる場所でお店をやりたいと思ったからです。」


ーー続けて質問失礼いたします。130年近くの蔵を選んだ理由をお教えいただいてよろしいですか?」

鈴木さん:「自分たちでこれがいいな!って最初に見つけたわけではなく、人と人の繋がりで知り合いに紹介してもらって、たまたまここを選べたと言う方が正しいですね。」


ーーなるほど、素敵な街で自分のやりたい職業ができるのはすごいですし、人との繋がりって結構大事だと思います!!ありがとうございます!
東京で焙煎所をやろうとは当時思わなかったんでしょうか?

鈴木さん:「場所の影響が大きいのと、自分が住みたい街でやりたかったんです。マーケティング的な面でいうと、東京にはたくさんのコーヒーショップがあったものの小布施にはなかった。例えばの話、日本で一番大きな湖は琵琶湖ですが、二番目以降はうろ覚えになると思います。その様な感じでどこかで一番になり、知名度を獲得することが重要だと考えました。」


ーーこちらマルテ珈琲焙煎所さんでは焙煎体験ができると伺いました。先ほどご説明いただいた焙煎機で、焙煎体験をさせていただくことができるのでしょうか?

鈴木さん:「いえ、こちらの業務用の焙煎機を利用しているわけではなく、焙煎体験では別の少し小さな焙煎機を使い、そちらを使うと250gほど作ることが出来ます。」

焙煎機


ーー商品開発について、商品開発は奥さまとお二人で考えられていらっしゃいますか?また新商品を開発する際のこだわりなどがあれば教えてください!

鈴木さん:「基本的には2人でやっています。ですが、どの様な商品にしようかなど、たまに知り合いや友達に飲んでもらいアドバイスをもらったりもしています。

マルテ珈琲焙煎所の商品でブレンド北斎菊・男波と言うものがあるんですが、そちらを作った時は北斎館さんとのコラボでしたのでとても時間がかかりました。 

北斎菊と北斎男浪


私自身グラフィックデザイナーを15年ほどやっていた経験があり、デザインなども自分で作ったのですが北斎をイメージしたデザインを作るのが難しかったですし、北斎美術館との協力作業だったので時間がかかりました。 

男波の方に関しては、新しい豆を使ったり、普段とは違うローストの仕方などで苦労しましたが作ってよかったと思います。」


ーー先ほどこだわりをお聞きしましたが、そのこだわりにこだわった珈琲たちに合うおすすめの食べ物などはありますか?

鈴木さん:「まずコーヒーって中煎りだったり深煎りってものがあるんですね、うちの店では中煎りと深煎りは最初からあって、中煎りは一般的なもので普段飲み用の様な感じで飲みやすく、かつ馴染みやすい様に気持ちを込めて作りました。 
深煎りは少し濃くてミルクなどが合いますね。
ご褒美のブレンドに関しては、深煎りでもなく中煎りでもなくその中間で、さらに華やかさもあって後味がフルーティーです。今日のご褒美に飲みたいなと思える様な感じで作りました。 

小布施ブレンド夏は、アイスでもホットでも楽しめ、小布施の気候をイメージして作りました。 

春は小布施で綺麗にみられる春の花をイメージしており、フローラルで香りも花の匂いがする様なイメージで、華やかで明るく軽やかなイメージ。 

秋は小布施のフルーツをイメージしています。葡萄のイメージでジューシーでフルーティーだけど飲み応えは軽めに作っています。 

冬はビターマイルドでゆっくり飲んでリラックスしてほしい。 
と言う気持ちを込めて作っています。」

ドリップバック 春夏秋冬


ここで少し余談ですがパッケージなどのデザインやイラストは全て鈴木さん自身が作成されているそうです。


ーー公式サイトを見たときに、とても内装がおしゃれだと思いました。内装のこだわりなどがあればお願いします。

鈴木さん:「棚とカウンターはIKEAさんの物を使っています。価格が安くて統一感が出て、レイアウトなども簡単に変えられることから使っています。 
うちでは毎年レイアウトを変えています。少しずつではありますが... 
悪いところを変えていくことができるという意味でも、レイアウトが変えやすいものがいいと思い、利用しています。 
低コストで良くしていったり、季節に合わせて変えたりもしています。 
例えばですけど、秋になったら観光客がたくさん来るのでテイクアウトの方が出ていきやすいから、テイクアウトしやすくするとか。」

内装


ーーコーヒー豆の輸入のこだわりや、コロナ禍などによって売上の変動があったと思います。それを乗り切るためのマーケティング戦略があれば教えてください。

鈴木さん:「基本的に商社さんから購入しています。少し前から直接取引などがありますが、商社さんのクオリティも高いのでそちらを使用しています。 

中煎りで使用しているブラジル産の豆は去年霜害被害で生産量が落ち、国際的な取引価格が高騰しました。コロナからの回復により需要が増えて円安も進み、さらにコンテナ不足で輸入品が入りづらく、早め早めに在庫を取り、普段であれば1トンほどを常備しておくのですが、今はその1.5倍くらい常にある様にしてあります。 

コロナが起きておそらく10年位世の中が進んで常識が変わりました。
その変化についていける事業ではないといけないということはコロナになる前から考えており、先のことを考えて、かつ地元で評価してもらう必要があります。おじいちゃんの家に帰省した時などの近所のスーパーがいい例だと思いますが、みんなが使ってますよね、そういうのが大事だと思います。」

ーー太く長くいければいいなと言う感じですかね?

鈴木さん:「笑笑、できればそう言う感じがいいですね」

焙煎機とコーヒー豆


ーー本日はありがとうございました。何か一言あればよろしくお願いします!

鈴木さん:「みなさんとお話ししていて高校の頃を思い出しました。私は高校生の時商業高校に通っていて、簿記などを取得しました。そして東京に出て、グラフィックデザイナーなどを15年ほどやっていましたし、珈琲店で働いたりもしていました。 
そんなさまざまな経験が、今に生きてることはとても多いです。簿記なんて使わないと思っていたけど、今は経営する上で大事だし、商品のデザインなんかもグラフィックデザイナーをやっていた頃の経験が生きています。 
経験を大事にしてください。 」

『本日はありがとうございました!』 

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小布施の珈琲店の魅力をご紹介しました! 
いかがでしたでしょうか! 
コーヒーが好きな身としては取材がとても楽しかったです! 
ワークショップ時に届いたものを自分で入れて飲み、鈴木さんから教えてもらったコーヒーと合う食べものと一緒に飲むとやはり相性がよくとても楽しめつつ美味しく飲めました! 
みなさんもぜひ小布施に寄った際はマルテ珈琲焙煎所さんに寄ってみてくださいね! 

終わりに


今回は、社会福祉法人くりのみ園さまマルテ珈琲焙煎所さまの記事をご紹介させていただきました!
第2回は、オブセ牛乳さまKUTEN。さまの記事をお届けいたします。