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#3 地理構造分析(24.05.28)

こんにちは!那須塩原市企画政策課のショー・リーです。
早くレポートの順番が回ってこないかうずうずしてました!

前回は「#2 各種構造分析(24.05.14)」の投稿をしましたが、今回は3回目のミーティングのレポートをします!
(↓もしよろしければこちらもご覧ください)

#3では、地理構造分析なるもので、これまでの那須塩原市の目指す方向性と、基本的な情報整理を基にした来てほしい人たちの仮説、を基にしながら、日本全土における首都圏からの距離や交通機関の利便性などを踏まえ、「ベンチマーク設定(競合・参考)(どんなまちと比べられそう?どんなまちが参考になりそう?)」を設定してみることを目指しました。

目的:「ベンチマーク設定(競合・参考)(どんなまちと比べられそう?どんなまちが参考になりそう?)」を設定してみること
手段:地理構造分析
方法:デスクリサーチ情報(一部、ChatGPT活用)を基に、特徴を分類・整理し、議論する。
情報ソース:以下
・各種地区町村が公表している市政資料など

ということで、今回もレポートします!


①地理構造分析

まず私たちが行ったのは、近年の移住者のトレンドを理解することから始めました。具体的には、特に人口ボリュームの大きな首都圏の人々が、「どの範囲で移住先を決定するのか?」ということで、それがわかれば距離的にベンチマークとするべき市区町村が把握できると思ったからです。

ということで、↓がメンバーみんなで共有した資料です。

移住定住 基礎情報(当日の資料より)

近年、「圏内移住」=東京通勤圏内での移住が増加を見せており、転出先上位を見るといずれも都心部への移動時間が60-120分のエリアとなっている、というデータを共有しました。

移住定住 基礎情報(当日の資料より)

さらに、移住時影響項目として、20~60代まで「地域での日常的な買い物などで不便がない(37.4%)」「都市部へのアクセスがいい(通勤・通学、行楽など)(34.9%)」「自然が豊かで身近に感じられる(31.8%)」という情報も共有しました。

その上で、これらを基に、
・各種交通機関によって都市部(主に首都圏)へのアクセスが60-120分以内のまち
・那須塩原の「
ここに住んでいれば生き延びられるまち」に類似する持続可能性などの方向性を市政として公表しているまち(まだまだ曖昧ですが、現時点での仮説としてこちらでまとめた内容を基にしています)
を条件として調べていきました。
初稿としてまとめてみたのが↓です。

競合・参考(当日の資料より)

②ベンチマーク設定(国内)

ここからさらに、前回みんなで議論・整理していった那須塩原市の特徴をChatGPTに学習してもらって、webブラウジング機能を使って、検索をかけていきました。

以下は実際にChatGPTに学習してもらった条件です。

産業構造として、
・「その他の製造業」と「輸送用機械」:
 - これらの産業が市の生産額全体の30%を占めている。
 - 特に「その他の製造業」には多様な製品が含まれる。
・「農業」:全国平均と比較して、生産額の割合が高い。
・ほか全国と比較して得意としている産業は、「印刷業」「水道業」「電子部品・デバイス」

人口構造として、
・9歳以下:男性4.3%、女性3.8%
・10代:男性4.7%、女性4.5%
・20代:男性4.4%、女性4.2%
・30代:男性6.0%、女性5.5%
・40代:男性7.8%、女性7.3%
・50代:男性6.5%、女性6.2%
・60代以上:男性16.1%、女性18.8%

地理構造として、
・首都である東京から180kmの距離に位置しており、新幹線で1時間程度で移動可能
・内陸に位置しており、東に海から100km、西に海から200kmの距離
・東北地方と関東地方という2つの地方の間に位置しており人の往来や交流が盛ん
・山に面した高原にある自然豊かなまちである

食文化として:
・酪農が盛んであるため、生乳やチーズなどの加工品が名産品
・チーズなどの乳製品・加工品を活用したパスタやピザなどの洋食が美味しい
・合わせてワインなどの洋酒もよく飲む

市の運営方針として:
・持続可能なまちとして「住んでいれば生き延びられるまち」を目指している。
・環境政策として、ネイチャーポジティブ、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーを掲げている。
・地域内食料自給率が100%を超えている。
・エネルギーや食などの資源の市内循環を目指し、人の力を信じた様々な活動を行っている。

市の特徴として:
・首都である東京より日帰りの来訪客がよく来る。
・若い移住者たちがおしゃれなカフェやパン屋さんを開いたり賑わいを見せている。
・昔は別々であった3地域が合併してできた20年ほどしか経たない新しい市である。文化も3つが混合している。
・皇室の別邸や別荘が多く存在するまちである。

↓誰でも使えるChatGPTサービスとして公開もしているので、もしよろしければみなさんも使ってみてください!(回答の質にばらつきはありますが、それはご愛嬌ということで…!)


そして、その情報はメンバーの目を通して、参考にできそうな市区町村をワークシートに貼り出していきました。↓がその様子です。

ベンチマーク設定(国内)のワークシート
1500x1500くらいの大きなボードに交通網を手書きしたり、出力した情報を貼っていきました。

③ベンチマーク設定(海外)

さらに同様に国外のまちも探していきました。日本における那須塩原市のような位置や構造をもつ、海外のまちを参考にすることで、これまでにない発想が生まれるのではないか?という少し実験的な取り組みです。

ベンチマーク設定(国外)のワークシート
湿気で紙がふにゃふにゃになっちゃってる…

④私が参考にしたいと思ったまち!

という感じで、調べて、貼って、書いて、議論して、を繰り返して、那須塩原市はどんなまちになっていきたいかという話を延々とする2~3時間を過ごした回でした。

今回は、特に探索的なワークで、答えや結論を出すことを目的としていませんでした。あたりまえですが、こんな短時間で着地するものではありませんし、今回洗い出した情報も全てではないと思っています。これから議論を進めては継ぎ足し、議論を進めては精査しと、これは秘伝のタレとなる原液を作ったようなものかなと思っています。(いいタレになって、那須塩原をもっとおいしくできたらいいなあ)

と書きましたが、せっかくなので私が、このまちは那須塩原に似ていて面白いかも?!と思ったまちを一つずつご紹介したいと思います。

保養文化都市 軽井沢町

国内有数のリゾート地として発展してきた軽井沢町。避暑地としての利用や東京からの移動時間が1時間程度など、地理的条件は那須塩原市と似ていると言えます。実は、那須塩原市に移住された方に、ほかの検討していた地域を伺うと、軽井沢町とお答えになる方が多いんです!

そんな軽井沢町は、2023年8月1日に100周年を迎えられました。
「礎の100年から次の100年へ」と題し、これまで築かれてきた文化的遺伝子を引き継ぎながら、未来を創っていくとしています。
 ・町制施行100周年記念記録映像

100年後の那須塩原はどうなっているのだろう。
100年後も那須塩原を「触媒」に躍動する人々を生み出すためには、このブランドニットプロジェクトでやらなきゃいけないことは何なのか・・・。
議論が進むたびに難しさを感じる毎日です。(充実しているんですけどね!)

環境先進都市 フライブルク(ドイツ)

ChatGPTに教えてもらうまで知らなかったのですが、フライブルクは「環境先進都市」として欧州内でも有名な都市なんです。(SCフライブルクのことしか知らなかった・・・。堂安選手の熱いハートが大好きです。)
環境施策に力を入れる那須塩原市にとって憧れの存在だなぁと羨望のまなざしを向けていたのですが、共通点を見つけて一気に親近感を持っちゃいました。
 ・世界のエコタウン フライブルク
 ・世界中から視察が訪れるヴォーバン地区

それは、「ベヒレ」と呼ばれる水路がある点です。フライブルクの旧市街地を流れていて、川を水源としています。なぜこのような水路が存在しているかというと、フライブルクは水はけの良い扇状地にあるため、井戸水を利用することが難しかったという歴史があるからなんです。

あれ?これってどこかで聞いたような・・・
そう、「手にしてすくう水も無し」と詠われた日本最大の扇状地 那須野が原を切り拓いた「那須疏水」のストーリーと似ている!

欧州の環境先進都市 フライブルク&日本の環境先進都市 那須塩原、そんな妄想もしながらフライブルクへ興味が湧いてきました。

⑤次回ミーティング(#4:24.06.20)に向けて

最後に、次回ミーティングのアジェンダと宿題を共有しました。

振り返り

これまで、
・どんな人たちに来てほしいか?
・どんなまちと比べられそうか?どんなまちが参考になりそうか?
を様々な分析を通して議論してきました。
ブランディングによって好きになってもらいたい「対象となる人」について、そして比べられそうな「競合・参考となるまち」について、です。
なお、議論そのものを楽しみながら参照すべき情報を可能な限り開いて机上に載せていくようなことをしてきましたので、まとめた結論のようなものはまだ用意していません。

そしてここからは、
・那須塩原のコアは?良さは?
という問いに向き合い、那須塩原がより素敵なまちになるために、どんなことを大事にして変えてはいけないか、どんな良さがありもっと強めていくべきか、そんな「那須塩原がやっていくこと」を検討できる情報を開き、議論していきたいと思っています。

構造分析の概観(ちょっと編集バージョン)(当日の資料より)

目的

那須塩原の成り立ち・変遷を見ていくことで、那須塩原の昔から変わることのない普遍的に中心をなしているアイデンティティを探る。

アジェンダ

  • 歴史分析(那須塩原のコアは?)

宿題

  • 那須野が原博物館にいく

  • 自分なりに歴史や物語を調べ考察をしてくる


と、いった感じで、#3でした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回は、「#4 歴史分析(24.06.20 )」のレポートを書きます!
それではまた!


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