成善哲宏

インディーズの文筆家。チャームポイントは何かとでかめの振り幅です。好きなものは実存、嫌…

成善哲宏

インディーズの文筆家。チャームポイントは何かとでかめの振り幅です。好きなものは実存、嫌いなものは理不尽。1988年生まれ。活動拠点はこちら☛https://lit.link/nryst2hr

マガジン

  • 辺境日記~構想された真実~

    「隠された真実を思索のサーチライトによって照らしだす」をテーマにした思弁的日記。タイトルは沖仲仕の哲学者ことエリック・ホッファー著作のオマージュです。

最近の記事

ゲーマーの耐えられない幼稚さ

語気強めのタイトルで恐れ入ります。とはいえ、賢明なる読者諸氏のことですから、本タイトルがミラン・クンデラ著『存在の耐えらえない軽さ』のオマージュであることは、すでに察していただいていることかと思います。 とまあ、冒頭からいかにも賢ぶったことを言っていますが、正直にぶっちゃけますと、実際に読んだことはありません。読んでもいないのにオマージュとはどういう了見だこの野郎というのは、ごもっともな指摘なのですが、なんせ筆者は昔から小説全般が苦手でして。 何度か傑作と名高い作品にチャ

    • 人生に潜む合成の誤謬トラップ

      ミクロ的に見れば正しいことであったとしても、それらが合成されたマクロの世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを経済学の用語で合成の誤謬といいます。 経済学の用語と聞くと、いかにもアカデミックで反射的に身構えてしまう人も少なくないかと思います。だいたい誤謬って日常生活でほぼ使いませんしね。「それって誤謬じゃね?ウケるわ~」ぐらいのノリで使われていれば、もっと印象も変わったかもしれないんですけど。 でも、これって実はいろんなところで応用が利く概念なんですよ。われわれの人

      • 選挙に行くべき"でない"理由

        周知の通りわが国日本は民主主義国家です。しばしば世界で最も成功した社会主義国家なんて揶揄されますが、実態はさておき少なくとも表向きは民主主義国家です。 〇〇主義というのは、わかりやすく言い換えると「〇〇がいちばん大事」とする考え方のことですから、民主主義は民主すなわち国民がみんなで国のあり方を決めていきましょうよ、とする考え方のことです。こういう考え方で国は運営されていますから、たとえば選挙においては所得や地位などに関係なく、一人一票の権利が平等に与えられています。 民主

        • Mrs. GREEN APPLEに見る表現の自由

          前回の日記で、Mrs. GREEN APPLEによるコロンブス炎上事変について触れた次第なんですが、世間の反応をウォッチしてみると、表現の自由と絡める形で彼らを擁護している人を一定数見かけました。いわく「彼らがどうコロンブスを解釈して曲にしようが表現の自由だろ」と。 そりゃあ権利だけでいえばそうです。というか、実際にその表現の自由を行使して、彼らは今回のMVを世に出したわけですよね。結果的にはすぐさま引っ込めることになったものの、それは別に公権力によって検閲されたとかそうい

        ゲーマーの耐えられない幼稚さ

        マガジン

        • 辺境日記~構想された真実~
          5本

        記事

          『コロンブス』の何がアウトなのか

          Mrs. GREEN APPLEが盛大にやらかしたと聞いて、問題のMV『コロンブス』を視聴してきました。(なお、現在公式の動画はコメントも含めて削除されていますが、Xで探せば普通に見れたりします) 率直な感想としては「ああ……これは……アウトやな」でしょうか。公式サイトにアップされた謝罪文で、大森元貴さんは「決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでした」と述べられていますが、いや~さすがにそれは苦しいです。 だって『コロンブス』

          『コロンブス』の何がアウトなのか