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心地よいフレーズに流されない強い心

最近のコラムの書き出しの多くに、「コロナ禍は世界を一変させ、消費者の価値観と行動は急激に変化し、暮らし、働き方、買い物、人と人との交流の仕方は大きく変貌した。」というような文章をよく見かけます。

確かにコロナ禍は人の動きを一時的に止めたという事実はあります。しかし、価値観が急激に変化したかというと、一面では正しくても一面では違う気もしています。

また、生活経験の積み重ねが伴う価値観が短期的に変化するのか?という疑問もあります。今は、目の前の環境に適応しようとする行動と根底にある価値観がズレてしまっている時のように感じています。そこが現代のストレスでもあり、生きにくい瞬間を過ごしているということではないでしょうか。

さらに、「世界を一変させ」という書き出しに関しては、コロナウイルスが広まった初期段階においては「一変」だったような気もしますが、数年たって対処の仕方にも慣れてきました。

加えて世界はコロナの影響だけでは動いていないことも事実です。もっと重いウイルスに悩まされている地域は存在するし、紛争や戦争、株価、エネルギー問題など、世界を揺るがす要素は多種多様です。行動要因を1つの現象に当てはめること自体、少々の無理も感じます。むろん、コロナ禍は何かのきっかけや行動促進などの作用はかなりあったとは思いますが。

コラムは主張したい内容により、書き出しの振りの文章を意識的に挿入するでしょうし、よく見かける問題提起的な文章の意図は正確に読み解きたいものです。繰り返されることを記憶して、思考のバイパス的作用を起こす人間の学習能力に「少し待った!」をかけることも重要かと感じています。

コロナ禍の影響でいえば、なるべく対面を避けるようになっています。ビジネスでも特に対面会合が減少し、代わりのオンライン会合では人間の五感の一部しか使えません。メールやチャットなどの文字コミュニケーションの重要性も今まで以上に大きくなっています。
文字には感情の抑揚がありません。したがって、受け止める側で発信した側の感情をしっかり読み解かねばならないです。

こうしてみると、画面越しで表情を読み取ること、文字から感情を読み取ることに目と頭を相当駆使し、社会にアンテナを広げて生きていく必要がありそうです。自分に強い気持ちがないと動いている社会と知らない間に接点が薄くなったり、誤解をして損をしているかもしれません。

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1)10月19日(水)12:05~12:55「マーケティングトークチャンネル」
 テーマ:ブランドに世代差はあるのか。
 https://www.nrc.co.jp/presence/221012.html

2)11月10日(木)12:05~12:55「メディアランチョンサロン」
 テーマ:コミュニケーションデザインとは?(仮題)
 https://www.nrc.co.jp/presence/index.html

★12月2日(金)「青山ブックセンター」との共同ウェビナーでMCを担当します。
 テーマ:仕事の生産性を飛躍的に向上させるモノと思考の整理術 ドラッカーから読み解く片付けの本質とは?
 出演:大村 信夫 氏(片付けパパ/パラレルキャリア研究家)

▼大村 信夫 氏 note
 https://note.com/omuranobuo/

▼大村 信夫 氏 公式HP 
 https://omuranobuo.net/

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