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生物としての時間

日本リサーチセンター広報室長の小宮山 学(こみやま まなび)です。

 4月に始まり3月に終わるという会計年度の会社は多いです。サクラの開花のニュースがあると理由なくソワソワするのは、4月入学・3月卒業のリズムで学校生活を送ったことも影響あるかもしれません。
 そしてこの時期、新卒の人が配属されたり、部署異動して会合に初参加されたりという場面もたくさんありました。企業ではいろいろなタイミングで人事異動がありますが、春は異動のタイミングのひとつです。

 異動の挨拶はメールが中心です。以前は、メール文の中に「本来であれば、お伺いしてご挨拶すべきところをメールで失礼します」というような定型文が挿入されていましたが、最近はめっきり減ったように思います。
 以前は、担当の引継ぎに出向いて、変わらぬお付き合いの念押しや担当交代による停滞などが起こらないように互いが業務を再確認する場がなんとなく習慣化されていました。付き合いが長いと、人によっては送別会などを開催してくれる場合もありました。
 送別会は今でも行われているかもしれませんが、オンライン会合で関係性が始まった場合は、そもそも対面機会を逸して関係構築が続き、そして異動。結局会わずじまいということが最近は増えたと感じます。

 今後もオンライン会合の常態化やAIの進歩などでヒトが業務に関与する場面が減少するなども合わさって、ビジネスの対面機会は減っていくでしょう。そもそもプロジェクトのきっかけがマッチングアプリ上ということも増えてきました。
 こうなってくると、ビジネス現場で実際に対面するのはどういうことかを考えざるを得ません。ビジネスで対面しなければできないこととはどのようなことなのか。一方で、意味を考えなければ対面しないという状態も動物としてノーマルな状況かどうかも考えねばなりません。これは頭脳が進化した人間独特の悩みなのかもしれません。

 時間に関して効率だけが優先されたり、日々の生活をスケジュール化してこなすだけでは虚しいです。誰もがそもそも生物として必要な時間があるのですが、そういう発想を忘れてしまう場面が多すぎる感じがしています。
 情報が溢れるほど増えても、頭脳の処理能力が比例して増えるわけではありません。情報を受け取って、理解して納得するには、それなりの時間がかかります。むろん、決断が速い方がいいこともありますが、逆なこともあります。しかし、それをなかなか許してもらえない環境もあります。これがストレスという人も多いのではないでしょうか。

 間もなくゴールデンウィークです。ビジネスから離れて生物としての時間を優先してリフレッシュする。そんな日々にしたいと感じた次第です。

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