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White Summer

夏を映す
君は夏を映す
全部変わってしまうのかなと思ったけれど
なんも変わらないね
なんも変わってないね
変わってないからといって
止まってはいないんだけれど
そうしてまた、
流れるように時の中で揺蕩う

将来のこと、未来のこと
そういうものが不安で
時と共に押し寄せてくる時もあるけれど

足を踏み出して僕は行く
今を十分に噛み締めて
それを今は思い出せないかもしれないけれど
その時々の感情は絶対に忘られぬ思い出
夏の力が僕を留める
理由もなく涙が溜まる
時のクルーザーの上で思い出の島を巡る
浮き輪に穴が空いたとしても
潜水艦が迎えに来て
そしたら古代魚を眺めよう
真珠に目を焼かれて
純白な光に焦がれる
透き通った心に透き通っていく
そう思うのは傲慢じゃなくて

僕は写真が好きだ
記憶では補えない気持ちを留めてくれる
血を夏に閉じ込めてくれる
どんなに暗いことに直面したって
目を背けてしまうような現実に照らされたって
社会と世界の全てを恨んだって
もう一度
その場所に
その時に
その感覚に
戻ることができる
戻らないこともできる
前を向いてまた歩き出すことができる
過去の感情を
過去の出来事を
忘れたって構わない
そこに写真があれば
また君に会えるし
まだここにいれる
まだ生きていられる
死んでもなお生きるその心を
写真は写している

糸が君の気持ちに繋がって
肌に絡み合う
日差し、木漏れ日
緑色と青色は変わらず
懐かし色で目に侵食
冷たさも生まれ変わっても
消えないものがここにある

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