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体験+対話で旅はもっとおもしろくなる! 「対話する旅」モニターツアー報告

こんにちは! ECOFFスタッフの山田@種子島です。

前回は、新しいプロジェクトのコンセプトが「対話する旅」になったことを書きました。

今回は、屋形島と種子島で実施したモニターツアーについて書きます。

ツアー実施のために、各地域それぞれの企画を考えるところからスタートしました。

「対話する旅」というコンセプトですが、知らない土地へ行って、いきなり「地域の人と対話しよう!」と言っても、何から話したら良いか分からないですよね。

そこで、初対面でも対話がスムーズに進むように、各地域で「対話テーマ」を設けました。

ECOFFの特徴は、地域ごとに活動内容がバラバラでユニークなこと。それを活かすためにも、各地域ごとにテーマを決めると、地域の特色が出やすいだけでなく、現地側と参加者どちらも対話しやすくなります。

屋形島での対話テーマは、「島を知ることは、島を感じること」。

大分県にある、人口14人の離島「屋形島」で初めてのモニターツアーを行いました。

ナビゲーターの後藤さんは、屋形島出身ですが若い頃は島の生活が嫌で、島を飛び出します。世界を旅して新たな価値観が芽生えた後に屋形島にUターンし、現在はヒオウギ貝の漁師をしながら、島唯一のゲストハウスも経営されています。

後藤さんはかなりの読書家で、屋形島では「読書」を対話のキーにすることになりました。そういった「ナビゲーターの趣味嗜好の統一性」から参加者を募ると、濃い対話ができそうだという発想に。これはプロボノメンバーからのアイデアでした。おもしろいですよね!

テーマ「島を知ることは、島を感じること」の由来は、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」。この著書の中に、「知ることは、感じることの半分も重要ではない」という一節があります。この本を自然の中で声を出しながら読み、さまざまな体験を通して屋形島を”感じて”もらう。そして、そこから対話をするという旅に。

参加者は1名でしたが、その分とても濃い時間を過ごせたようです。

対話することを通して自分自身、相手(自然)を感じると言うことを学び、その事柄一つ一つが持つ意味を考えることを知った。それを感じるために精巧に組まれた自然体験プログラムの中で自分を解放し、感覚を研ぎ澄ませることによってより感じることが出来た。

対話する旅 with 屋形島 参加者の感想

「生き方」をテーマにした種子島

第2回のモニターツアーは、わたくし山田がナビゲーターを務める、種子島でした。

第1回の記事でお伝えしたように、私は「人生モヤモヤ期」に島の人と対話できたことから人生が変わっていったので、参加者にもそういったキッカケになる旅になって欲しいと思っていました。

それを考え、種子島の対話テーマは「どこでどう生きていくか」としました。

屋形島とはまたずいぶん違う角度ですよね。でもそれがECOFFのおもしろいところなんです。

移住者の宿オーナー、地元農家のおじいちゃん、若いUターン者など、様々な生き方をしている人たちとの対話を設定しました。どなたも、今は種子島で生きていくことを選んでいますが、それまでにはそれぞれ色んな葛藤がありました。参加者自身の「どこでどう生きていくか」という考え方や価値観も出してもらいながら、同じ目線で対話することで、お互い刺激になったようでした。

そう、この「お互い」が刺激になる、というのが良いのです。どちらかが一方的に与えるものではなく、現地側も、参加者も、それぞれに新たな価値観が芽生えたり、刺激になったりすること。これが「対話する旅」の醍醐味です。

そしてそれによって、その人との距離がグッと近づく。このように、「対話によって地域と濃いつながりを作る」ことが短期間で出来る、という証明にもなり、私はとても手ごたえを感じました。

<参加者の感想>

「対話ってこういうことか」と思いました。現地の方と参加者が同じ目線で向き合い、目を合わせて話し合う。全然かしこまった感じではなく言葉が自然と出てくる良い環境で対話できたと思います。

対話する旅 with 種子島 参加者の感想

対話は過去、今、そして未来を語ることができるとても貴重な時間でした。

対話する旅 with 種子島 参加者の感想

現地訪問以外でも、つながる旅

現地に滞在できる期間が短いため、「対話する旅」ではオンラインも組み合わせたハイブリッドツアーとすることにしました。

対話する旅には、出発前の「タビマエ」、帰宅後の「タビアト」というオンラインでの交流が、プログラムに含まれます。オンラインと現地訪問の組み合わせはECOFFとして今回がはじめての試みで、不安もありました。

しかし、このタビマエとタビアトの良さを一層認識できたモニターツアーとなりました。

タビマエでは、参加者とナビゲーターが前もって顔合わせをすることで、現地に行く前から距離を縮めることができました。また、知らない土地へ行くということは、参加者にとってはやはり不安なものです。このタビマエを行うことによって、不安が解消されたという声を聞けました。

タビアトは、現地訪問後約1カ月後に実施しました。帰宅してからしばらく時間を置くことで、参加者が帰ってから感じたこと、現地に行く前と後での心境の変化などを共有しました。そういったことを改めて言葉にすることによって、参加者自身振り返りができ、とても良かったとの感想がありました。そして一番は、「また会えてうれしい!」という思いが、現地側と参加者両方にありました。

また、屋形島の場合は「参加したかったけど都合が合わず参加できなかった」という方もタビアトに参加いただいたり、参加者から「他の地域のナビゲーターとも知り合いたい」との要望があったりして、そういった方々も含めてのタビアトを実施しました。

現地にいる間に「体験」と「対話」を通じて濃い時間を過ごし、その場だけでなくそれ以外の時間でも地域とつながっていく、そしてそれが今後も持続していく。そんな旅が、出来上がりつつあります。