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「境を越えて通信」Vol.35-2022年6月号-

今月のアート


活動報告

【知】カリキュラム化プロジェクト
杏林大学での打ち合わせの様子


今月のPick up

会員の方からのご相談をPick up!

【相談内容(要約)】
ALSで本を読むのが難しくなってきて購読している雑誌の編集部へ電子書籍か読み上げ機能を使えるデジタルデータでもらえないか訊いてみましたが、断られました。
諸先輩方はこのような問題にどのような対応をされてきたのでしょうか。新聞で、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が成立したとの記事を読みました。「障害者差別禁止法」も存じております。そのような法律を盾にするといいのかなどと思いましたがどうでしょうか。

【回答】
とても大事なご相談を頂き、ありがとうございました。ご相談を頂いてから当団体のネットワークを活用し諸先輩方、専門家等に問いかけをしております。今回はその中から、全盲でありながら団体を立ち上げご活動しているAさんからの内容をご紹介させていただきます。

見えない人のグッズは多いですが、ALSの方が使えると思ったのは「サピエ図書」です。
会員登録をし、アプリをインストールするだけで世の中の多くの本屋雑誌が無料で聞けます。パソコンでもiPhoneでも大丈夫です。
「ボイス オブ デイジー 5」をApp Storeで購入できます(3,000円くらい)。視覚障がい者は、A会員、他の方は、B会員です。両方とも費用は必要ありません。ただ、A会員は、デイジーを無料で郵送していただけます。(点字郵便となります)アプリを使うのならA会員もB会員も同じです。

各都道府県にデイジー図書が存在しています。名称は少しづつ違います。
東京は、「日本点字図書」といいます。

「日本点字図書」電話番号:03-3209-2442
https://www.nittento.or.jp/

地方の点字図書館では、A会員だけの所もあります。そんな時は、東京の「日本点字図書」や大阪の「日本情報文化センター」に連絡すれば会員登録が電話でできます。
どちらも電話対応がとても親切で説明がわかりやすいので、お気軽にお問合せして大丈夫です。 

当団体のサポーター会員で全盲のAさんからのご回答

ご相談を送ってくださった方、お答えしてくださったAさん、ありがとうございました。

大好きな本を自分のペースで読み続けることができるのは、とても大事な”生きる”に繋がることであると感じます。私たち編集部も、Aさんのご回答が大変勉強になりました。少しでも多くの必要とされている方に届くことを願っております。

また、別に出版業界の方へ問いかけをしてみましたところ、コストと利益を踏まえると難しいようでした。一企業への対応を求めるというよりも、社会全体として考えていくべき課題だと感じました。
「読書バリアフリー法」に詳しい方へもリサーチをしております。また、ご紹介していければと思います!

質問コーナーでは今後も皆様からのご質問やご相談にお答えしていきます。
気軽にご相談ください。
■質問フォーム:


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・サピエ 視覚障害者情報総合ネットワーク

 ・サピエ図書館
視覚障害者等のための電子図書館

・ボイス オブ デイジー5
iOS 13以降が動作するiPhone, iPad, iPod touchを使ってデイジー図書を耳で聴いて読書をするためのアプリ。
デイジー図書は、全盲、弱視、学習障害、識字障害(ディスレクシア)、発達障害などの紙の本の読みに困難を抱える障害者向けの電子書籍です。

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漫画 ジョニーの話


お問い合わせ

info@sakaiwokoete.jp

境を越えてでは、私たちの活動を応援してくれるサポーター会員を募集しています。詳しくはホームページをご覧ください。


* 今月のアート *
絵・ 岩崎健一 ( いわさき・けんいち )
詩・岩崎航 ( いわさき・わたる )
筋ジストロフィーで人工呼吸器 / 胃ろうを装着。
兄はパソコンを独学し画家として、弟は詩人として活躍している。作品展、出版物など多数。
ジョナ☆シェン(漫画家)
京都精華大学マンガ学部卒業。2016年週刊少年サンデー新世代サンデー賞奨励賞受賞。ギャグ漫画描き。2018年3月~2019年7月、Webマガジン「ウブマグ」にて『ジョナのオムニバスショートギャグ漫画』『ジョニーの燃えよ裁判』を連載。また、京都の老舗クラブハウス、京都CLUB METROを中心に多数のイベントで定期的にライブペインター、VJとしても活動し、自身主催のアーティスティッククラブイベント「CANVAS」も運営。
Twitter:@ricezhao1993 Instagram:@jonah_ricezhao


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