カリキュラム化プロジェクト参加者のその後・・・
カリキュラム化プロジェクトは、初回の講義を2021年8月に帝京平成大学ヒューマンケア学部看護学科1年生19名を対象としてスタートしました。
今回、カリキュラムに参加した学生を対象にアンケートを実施しました。
講義を受けた「その後」の学生の声を紹介します。
カリキュラムで学んだことの中で今でも印象に残っていることはありますか?
障がいに対する「視点」の変化
障がいについて考える機会というのはなかなかないのではないでしょうか。一般的に浸透している、疑いもしなかった概念をこのカリキュラムを通して捉え直すことになっていました。
講義では、障がいの社会モデルという考え方を紹介しています。
一般に障がいは個人の身体面や精神面等における問題として捉えられています。一方で、障がいの社会モデルは個人の特性を問題にしている社会の側に障害があるとする考え方です。
(例えば、車椅子を使用している人=障がいではなくて、階段しかない駅では車椅子ユーザーは移動ができないので、その駅=障がいである、という考え方。)
カリキュラムを受けたことでその後の学生生活に影響はありましたか?
今の自分にできることを始めた学生たち
参加した19名の学生のうちこの講義を受けた後に、ヘルパーのアルバイトを始めた学生が6名もいました。カリキュラム立案者である海老原や岡部は今までにも多数の大学で講義をしてきましたが、1度の講義でアルバイトを始めた学生が6名もいたことは今までにもなかったことです。
実際に地域で暮らす当事者の生活を目の当たりにしたことが影響したのでしょうか。普段の演習にもどのようなかかわりを持つべきか考えられるようになった、という答えもあり、その後医療職として現場へ入る上でも役に立ちそうです。
実践だけではなくて、実際に社会でどのような支援が行われているかを知りたいという、学習意欲にもつながっています。
講義を受けてあなたの普段の行動に変化はありましたか?
社会への行動の変化、視点の変化
自分の行動を変える、ましてや「助けが必要な人に声をかける」簡単にできることではありません。この行動の変化は、学生自身の努力によって得られた変化ですが、このカリキュラムが変化のきっかけになっています。
多くの人にとっては、何気なく街を歩いている時に障がいを感じる機会はほとんどないでしょう。自分の周りの環境が誰かの障がいにつながっていないだろうか、という目を向けられる。これは誰もが生きやすい社会を作ることにもつながるのではないでしょうか。
カリキュラムへの意見、感想
このカリキュラムの目的は、地域で暮らす重度の身体障害を持つ当事者の暮らしを知ってもらうこと、また、障がいを考えるきっかけ作りをすることです。
講義を受けた学生の皆さんの声を聴いていると、私たちが目指す以上にいろいろなものを受け取ってくれていたことがわかりました。
このカリキュラムが新しい人間関係を作ったり、考え方・生き方の違いを知ったり、改めて自分を見つめ直すきっかけになっていたことをうれしく思います。
カリキュラムを作った私たちにも新たな気付きをくれた学生の皆さんに心から感謝します。
今後もカリキュラム化プロジェクトの開催報告を継続して載せていきますので、ぜひご覧ください。