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【報告レポート】もっと知りたい!排痰補助装置の秘密

こんにちは!
今回は2023年2月18日に開催した、排痰補助装置に関する講座の報告レポートです。
講座については下記をご覧ください。


概要

  • 日時:2023年2月18日(土)14:00~16:00

  • 方法:zoom

  • 受講者:255名

  • アーカイブ配信:2/19~3/18@YouTubeにて限定公開


講座内容

  1. 排痰補助装置が必要な人ってどんな人?どんな人が実施できるの?

  2. 初期導入のポイントは?

  3. 設定圧、時間はこれで適切?見るべきポイントを知ろう

  4. 球麻痺症状のある方への導入テクニックを知ろう

  5. 事例で学ぶ排痰補助装置活用法(ALS/筋ジス/SMA等の事例)

講師片山のスライドより
講師片山のスライドより
講師江田のスライドより
講師江田のスライドより


質疑応答

  • 当日やアンケートにていただいたご質問を一部ご紹介します。

【質問】
喀痰吸引は定期的におこなってはいけないのに、カフアシストを定期的にすることで痰がないのに吸引をすることがリスキーだと思うのですが、痰がない場合。。。。吸引をせずにおこなっている人はいますか?
【講師/江田】
カフアシストを一日に何回かやるのは良いことです。カフアシスト前、実施後ともに痰がなければ吸引は実施しなくても良いと思います。講座内でも説明があったように吸引の回数は少ない方が体への負担は少ないと思います。ただ、口腔内やカフ上部などに唾液がたまりやすいときなどはカフアシスト実施前に吸引していただくといいと思います。

【質問】
人にもよると思いますが、現在7歳で人工呼吸器、「呼気-40吸気+25で1.0秒」設定を変えたことがありませんが、成長にあわせてかえていくのでしょうか?
【講師/片山】
まだまだ体が成長していくと思いますし、それに伴い肺や胸郭の柔らかさも変化していく可能性があると思います。少なくとも一年に1回(可能であれば半年に1回)、呼吸機能の検査実施をしていただくことをお勧めします。日頃のカフアシスト実施時の様子(胸郭の動き、実施中、実施後のSpO2の数値、喀出した分泌物の量など)を医療職にフィードバックしていただくと良いと思います。

【質問】
ALSで気管切開・人工呼吸器使用の方です。設定圧や回数は医師の指示で2年くらい同じです。このままで良いのか医師へ指示確認する際の評価ポイントを教えて下さい。
【講師/江田】
人工呼吸器の換気量(圧設定なら)、気道内圧(量設定なら)が2年間大きく変わらずであれば肺や胸郭の柔軟性が維持出来ているということなので素晴らしいと思います。もし数値に変化が生じていたり、排痰がうまくできていないなどあれば、設定を見直す必要があると思います。
【講師/片山】
吸引の回数、発熱の回数、も評価のポイント。人工呼吸器の一回換気量が減っている、吸気圧が上昇しているなども目安になります。

【質問】
筋疾患の方にカフアシストの有効性は理解しましたが、脳性麻痺の方で食事中のむせ込みがひどい方にもカフアシストの有効性はあるものなのでしょうか。
【講師/片山】
筋疾患「等」とついたので、条件はあるものの、当院でも使っている方はいます。緊張が強い方だとマスクを当てたときに緊張してしまい効果が薄れます。気管切開している方であればよいですが。咳トリガーを付ければできる方もいますが、うまくできないケースもあります。

質疑応答時の様子

このほかにもたくさんのご質問をいただきました。
受講者の方には、質疑応答のためのGoogleドライブに追加の質問についてもアップロードしていますので、ご案内しているURLよりご覧ください。


アンケート

  • 受講者からの声を一部ご紹介します。

・カフアシストの重要性は認識していたが、具体的にどんな効果があるのか、医療者でなくても扱ってよいのか等、大変分かりやすく教えていただいた。
・医療者から当事者まで幅広い層の聴講者に対して、講師は大変だったと思う。しかし当事者を重視して簡単過ぎると、結果的に当事者の利益にならないんので、適切なレベルだったと思う。
・カフアシストの向き不向きもあるということがわかったので、誰彼関係なく進める物では無いことがわかったから。
・ALSで球麻痺からの方で「カフアシストが嫌」という患者さんがいた。なぜ嫌だったのかずっと疑問だったが、江田さんの「上気道閉塞」の事を聞き、「なるほど、それだったのかも」と感じた。
・今後、痰を出しにくくなったら使用を考えたい。
・より説得力を持って患者さんにお勧めできること、医療者でないヘルパーの取り扱いもきちんと指導を受ければ問題ないことを自信をもって伝えていきたい。
・カフアシストをやる時のかけ声「吸って、ハー」には驚きました。咳をさせた方が良いと思い、「吸って、エホエホエホエホ〜(咳のこと)」と声かけしていました。「吸気の時に痰が肺の方に落ちるのでは?」と思っていましたが、それについても片山さんが「その心配はない」との返答で安心しました。

内容に関するご意見

・満足でしたが時間が長すぎた。素人さんにもわかりやすいといいのにと思った。
・これまでも同様のテーマの講義を受講しようとしたことが多々ありましたが、医療職であることが参加資格のものがほとんどで、申込みさえ出来ないことが多いのですが、本講座は介護職であっても受講させていただけ、まずそのことがとても幸せでした。
・講義資料が頂けると有難いです。
・アーカイブ配信がとても有難かったです。何度も聞き直して、ようやく理解できた事柄がたくさんありました。

運営に関するご意見

今回は医療職の方もたくさん受講してくださいました!

生活力向上講座は、生活する人も、生活を支える人もみんなで学ぶ場を目指しているので、ぜひ周りの皆さんにも広めてくださると嬉しいです♪

よりよい場所・内容を提供できるよう、講師陣とともにがんばってまいります!


生活力向上講座2023開講決定!

2022のベーシック(基礎的)な内容はそのままに、アドバンス(応用的)な内容の講座をご用意する予定です!

当日のスライドより

6~8月に開講予定?!

2022をご受講くださった方も、していない方も、ぜひお楽しみに!


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info@sakaiwokoete.jp

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