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境を越えてフォーラム2022-イベントレポート-

境を越えてフォーラム2022
~介助者だって当事者だ。Vol.2~
2022年6月25日(土)無事開催できました!

会場には約80名の皆さま、配信では約120名の皆さまに
ご参加&ご視聴いただきました。
本当にありがとうございました!

写真とともに、会場の様子を紹介します☆

※前列の方との距離をしっかりと確保し、各セッション時には登壇者のみマスクを外してお話しています。

※YouTubeにて本イベントのアーカイブ動画を限定公開をしています。お申込みをしていなかった方でご視聴を希望される方は、境を越えて(sakaiwokoete2019@gmail.com)へお問い合わせください。


オープニングセッション~境を越えて、ともに生きる~

企画・進行/御代田(壇上左)、昨年のフォーラムで語る海老原(スクリーン)、理事長/岡部(壇上右)

境を越えてフォーラムでは2021年、2022年ともに、
『介助者だって当事者だ。』
をテーマにトークセッションを行いました。

なぜ『介助者だって当事者だ。』と言いたいのか?

2021年に語られた海老原の思いを振り返りながら、企画・進行の御代田と、境を越えて理事長の岡部より、改めて問題提起をしました。

・介助者に主体性がなく介助だけに徹すればいいのであれば、介助ロボットになってしまいます。人と人かかかわりあう空間だからこそ、互いの主体性がぶつかり合い、ときにはしんどい思いもするかもしれないけれど、それが生きるってことなんだろうなぁと思いました。もっと海老原さんと話したかったです。
・指示を出したくないわけではない、主体は自分でいたい、でもなんかモヤモヤしてて。そのモヤモヤが海老原さんや岡部さんがおっしゃられていたことだと思いました。口だけで全てを人に動いてもらうのは自分で動くよりもきっと大変で、いくら指示出しを細かくしても自分の本当に思い通りに行くことはほんのわずかで、そういったことを理解した上で介助に入って欲しいんだなと言うことを感じることができました。

参加者アンケートより


今だから言える、忘れられない“あの瞬間”。

元学生介助者/金成(左)、現役介助者/小林(中)、現役介助者/清水(右)

学生時代より介助者として重度訪問介護に携わってきた3名が、思い出の瞬間を振り返りました。

はじめた当初からの思い、
泣いたり悩んだりした忘れられない出来事、
そこを越えて何かに気づいた瞬間、
それを経た今の自分。

今でこそ笑って話せるけれど・・・ねっ。

皆さんも「わかるわかる」となった点はありましたか?

・介助者と利用者の距離のことで、「頼りにされてるのは嬉しくて満足感があったけど自分の時間が持てない」という悩みがあったことを聞いて、そう言うようなとき、「私はこんなに介助者のこと頼りにしてるのに迷惑だったのかな」って言う風に今までは思ってました。でもそうじゃなくて、「介助者も利用者に依存してしまってることがきつい」ということを聞いて、お互いそう思ってるのかもしれないと楽になりました。
・「依存関係から辛い思いをした」「一線を引こうと思った」の言葉に共感。

参加者アンケートより


境を越えて・よろず相談室~当事者、介助者、それぞれの本音。~

マスター/伊藤(左)、ママ/穂高(右)

月1回、会員限定企画としてOPENしている「Bar境」が特別出張!
事前にいただいていた質問や相談の声を、ラジオ風にお届けしました。

笑いを交えたトークが弾むマスターと、言葉を選びつつも的確に答えていくママの掛け合い。
通常営業は非公開な場なので、会員の皆さまはぜひお気軽にご来店ください。

・お二人の掛け合い?が面白かった!お悩み投稿がリアルだった。
・Bar境に参加してみたいと思うのですが、少人数のところにハードルを感じてしまい、まだ参加できていません。申し込みしてみようかなと思いました。

参加者アンケートより


介助現場のパワーバランス~介助者はやめられるけど、障がい者はやめられない。~

壇上左から、現役介助者/山田、SMA当事者/長田、コーディネーター/吉村、ALS当事者/岡部

オープニングセッションで語られた内容に関して、
障がい当事者として・・・
介助者/支援者として・・・
昨年は触れられなかった、ちょっと踏み込んだことを交えて話していただきました。

Twitterでも、共感するコメントを書き込んでくれる方もいました。
ぜひ「#介助者だって当事者だ」で投稿してお互いの思いを共有しましょう!

・難しいテーマだと思いました。どうしても、介助を受ける側/介助をする側として分けてしまうし、障害者にとっては介助者がいなければ水分補給もできなくて・・(中略)・・嫌われないように、介助者の顔色を見てしまうし…そうすると私の生活ではなくて、介助者の生活になってしまう、全然自立生活じゃないじゃん!って思ってしまって、自己嫌悪に陥るという負のループ。でも、皆さんのお話を伺って、そう悩んでいるのは私だけではないんだなと思えました。
・毎日ちょっとした事にイラつくっていうのはみんなそうなんだなってなんか安心しました。
・どうしても実際の事例の細かいところが話せないので、ふんわりとした印象の話に聞こえてしまう。

参加者アンケートより


仙人ヘルパーの仕事の流儀~介助者にとってのプロフェッショナルとは?~

壇上左より、江口、彦田、今田。スクリーンには聞き手の小田(多発性硬化症・重症筋無力症当事者)。

介助者になったきっかけと新人のころから、これまでの経験、そして今。
今、そしてこれから介助者として活躍していく方々へのアドバイス。
最後に、これからの介助の世界について思うこと。

三者三様に語っていただき、当事者視点での介助者に対する小田さんの思いも語っていただきました。

「もっと聞きたい」というお声に、イベントだけでなく境の活動全体を通してお応えしていけたらと思います!

・仙人ヘルパー、私の身近にもたくさんいらっしゃますよ!
・もっと具体例を出して話してほしかった。
・それぞれの方ごとの流儀があって、なるほどなぁと思いました。

参加者アンケートより


質疑応答

壇上には各セッションの登壇者が集合

会場で参加、配信での参加の皆さまからのご感想とご質問に対し、複数の登壇者が答えました。

・「魅力ある障がい者」という言葉についてどう考えますか?
・病気の進行をどこまで、どんな風に介助者に相談していいかわかりません。相談されたら困りませんか?
・介助を始めたばかりです。介助の仕事をしてよかった~と思う瞬間は?
・当事者のやりたいことに対し、介助者の自分は無理だろうなと思うことがあるのですが、皆さんはそういうときどうしていますか?

寄せられた質問の一部


海老原宏美言葉展

会場の一部を『海老原宏美言葉展』として、海老原のこれまでのインタビュー記事や著作の一部を展示していました。

秋ごろには他の団体でも企画を検討中とのこと?!
いろいろな地域で、海老原さんの言葉に背中を押されて前を向いている方々がいることと思います。
多くの皆さまに見ていただけますように。
そして、海老原さんを通した縁がこれからも広がっていきますように。


登壇者・スタッフ&ご参加の皆様による集合写真

・視聴してよかったです。ほぼ1日中介助者がそばにいる生活をしていて、しんどいなぁと思うときもあるけど、私だけじゃなんだなと思えました。それは介助者にとっても同じことで、同じ人間なんだからそうだよね、って思えました。もうちょっと肩の力を抜いて自立生活を楽しみたいと思えました。
・介助者として悩み苦しんでいたのが私1人では無かったことを知れたのが1番の収穫です。
・介助者と当事者の両側面から話を伺えたのはよかった。が、一方でもう一歩踏み込めないかなと思った部分もあった。
・介助者と利用者の程よい距離が、良い関係を保つためにも必要だとおっしゃっている方が多かったですが、具体的にどういう事に気を付けているとかをぜひ取り上げていただきたいです。
・重度訪問介護の現場の実際がわかるビデオがあってもよいのかなとおもいました。初心者向けに具体的な事例がほしい。
・いったいどんなことをヘルパーさんたちは言われているのか、聞きたかった。障がい者を慮って詳しいことは伏せたのだと思うが、それを伝えることは障がい者にとってマイナスなことではないと思った。介助者も当事者だと考えると、一緒に考えていくことだと思った。
・知的障がいのある方への地域サービスを行っている事業所に勤務しています。今回は、当事者の思いを聴くことで、自分たちの支援がどう捉えられているのかを考えたく、参加しました。言葉でなくとも様々な方法でご本人さんは思いを伝えてきてくれていること、危険のない限り遂行していくことに力を尽くすこと、或いはより良いものがあれば提案しつつ、共に考えていくことは、皆さん同じなのだと改めて思いました。互いに人生の一コマになれることって、何だか幸せだなぁ、と思います。
・ヘルパーとして最初に入ったときに体調を崩し、どこに相談したらよいのか本当に困りました。情動制止困難や感情失禁に対し、どのように対応したら良いか、いつか必ずやってほしいです。
・互いの気持ちを考える機会となり、関係改善のきっかけになりうると思う。そのことは患者のQOL向上、介助者のやりがいupに直結すると思う。

参加者アンケートより

皆さんのご参加とご協力に改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

2年に渡り、『介助者だって当事者だ。』というテーマでトークイベントを開催し、「重度障がい」「重度訪問介護」「介助者」の世界の現実や魅力を発信していくスタートを切ることができたと思います。
当法人の3つの柱(知ってもらう・育てる・繋がる)を軸とした活動も、次第に充実してきました。
『身体がどんなに不自由でもその人らしく地域で暮らせる仕組みづくり』を目指して、皆さまとともに、今後も一歩一歩進んでまいります。

2年とも想いが溢れすぎてしまい、ぎゅぎゅっとしたプログラム内容・構成となってしまいましたので、じっくり聞ける、じっくりやりとりのできるものも考えていきたいと思います。

それぞれの活動についても、noteや各SNSで紹介・報告していますので、ぜひご覧ください!

パートナー会員/サポーター会員へは、会員メーリングリストにて随時さまざまなお知らせをしています。
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▶▶▶ホームページより


最後に、イベントを開催するに当たり、
助成くださった公益財団法人日本財団様
ご後援くださった多くの団体の皆様
ご登壇、ご協力くださった皆様
本当にありがとうございました。

Special thanks!! 配信チーム
4名の特別チームでご協力くださいました。
Special thanks!! 展示チーム
海老原さんのご友人(デザイナー)を中心に、学生さんなどもご協力くださいました。


※アーカイブ配信はYouTubeにて限定公開をしています。事前にイベントへのお申込みをいただいている方へはリンクをお知らせしています。
※お申込みをしていなかった方でご視聴を希望される方は、境を越えてへお問い合わせください。

全体のお問い合わせ:
info@sakaiwokoete.jp

イベントに関するお問い合わせ:
sakaiwokoete2019@gmail.com



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