見出し画像

急ぎすぎる政治「独り言」

「思考力を持とう!」

テレビに出ると良いことがあるもので、このブログのコメントに昔の教え子からの便りが届いた。20年近く前、元の職場を離れ、今までの冠を捨て教育界という海原に出て行った。思い出せば、私の授業はとてもエネルギッシュだった。スリル・スピード・サスペンス、懐かしい授業だ。本来の綴りは違うがこれを「スリーS」と称し、展開の速い授業を行っていた。当時は、様々な指導法にチャレンジしていた。最近、年をとったのか昔のことを懐かしく思い出す。

このブログでも述べたが、様々な法案や改革が目白押しで、政府の行動の速さが目立つ。しかし、ここに大きな矛盾が見え隠れする。未だ収束できない福島原子力発電所、4号機廃炉決定もそれには何と今後40年かかるという。その原発をトルコに輸出が決まったと聴き驚愕した。輸出すべきは、原発事故からの教訓と対応であり、このような経済優先の考え方の前に、生命の安全や暮らしの安全が保証されていない福島の方々のことを思うと大きな憤りを感じる。私の住む流山市も放射線の汚染に悩んでいる地域だ。決して人ごとではない。

全てを秘密事項として封じ込める「特別秘密保護法」も、その考え方を巡り国会で審議されているが、昨日の自民党議員の本質を欠いた意見には、この法案がどのように解釈されるか不安を感じた。(敢えてその意見は書かずにおく)秘密に関する項目は想像を絶する数だという。自由が奪われかねず、また、時の指導者によって解釈が変わる法案は、国民にとっても、国にとっても悪法ではないだろうか。

また、教育改革にも私たちはしっかりと状況を把握しておく必要がある。5年先に変更が予定されている大学受験の大幅変更、英語の教科への変更と小学3年生からの指導、道徳教育の教科への変更、義務教育の年齢繰り下げ、いま幼児である子ども達や、これから生まれる子はこれらの改革をまともに受ける。改革自体が悪いという事ではなく、保護者または教育の現場として対応できる準備をしておかなければならない。

その中でも、道徳問題と秘密保護法案は簡単に容認はできない。ブログを書くとき、なるべく政治的な事を書くまいと決心していたが、最近の政治は、次第に昔の自民党の悪しき部分が表面化してきているように感じてならない。その為、自分の考えを修正し、将来の子ども達に関する事に関して政治問題を解禁する事にした。道徳の教科制は、保護者の口封じや、力でねじ伏せ子ども達を支配する危険性をはらんでいる。道徳は5段階で評価される。道徳が「1」である子は、一般的に問題児として扱われる危険性がある。それも教師の裁量で決められる。子ども達の物事を考える力、人間的力を数値化して評価することなど出来る筈がない。

このような方向にナショナリズムを植え付ける教育の危険性を感じる。それが、時の政治と結びつくことで、教育の中立性は保たれず、政治に利用されることも考えられる。何度も言うが、戦前の教育がそうであったように、教育は政治に左右されてはならない。最近では、全国で行われた学力テストの開示に関し、政治的圧力がかかったは記憶に新しい。

子ども達に思考力を付ける。これは、私たち教育者の命題だろう。自ら考える力、判断力を持った子ども達に育てる。民間教育の重要性は高まる。

教え子の皆さん。コメント有り難う!自分の将来と、我が子の将来を考えられる人間になって下さい。また、ナーサリーの先生方、コメン。ト・メール有り難うございます。

2013/11/3


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?